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2.Sick Boy【「情熱とユーモア」発売記念メンバー対談(タノ編)】

「情熱とユーモア」発売記念メンバー対談。第2回はアルバムの2曲目「Sick Boy」をタノと語ります。タノが作曲した曲が収録されるのは、今回が初めて。タノが曲に込めた思い、そして俺が歌詞に込めた思い、最後はお互いの学生時代の話まで。深夜に寝室で話したこともあり、ディープな内容になってます。

てか、2回連続タノかよ。バランス感。


岩渕「この曲はタノの独壇場という感じがしますが、、」

タノ「この曲は部屋で一人で打ち込みで、ギターも自分で弾いて作った曲で。

岩渕「でも一番びっくりしたのは、タノの曲なのに最初のデモにベースがついてないっていう(笑)

タノ「俺今だにそうだから(笑) 岩渕とか浪越が持ってきた曲にはスラスラベースつけれるんだけど、ギターの頭になっちゃうのかな。」

・タノがこの曲を作るまで

タノ「これは元々、岩渕が部屋にデモ持ってきた事があって。で、俺がリズムこういうのをしたいって打ち込んだ事があって。それが『Sick Boy』のドタバタ感の元になってる。俺ら、andymoriのコピーしてた割に、あのドタバタ感あるリズムやってなかったなーって思って。

andymori「everything is my guitar」俺たちの青春分かる人は分かると思うけど、「フカンショウ」のMVはこれをとても意識してる。

岩渕「言ってた言ってた。タノの和室でね。」

タノ「今回のアルバム、リズム新しいことしたいってのがすごいあって、丁度その時Johnny Foreignerってロックバンドにハマってたのもあって、夢希に忙しいのを叩かせてやろうってのがあった。」

岩渕「なるほどね。夢希忙しそうやったもんね。」

タノ「あと、広げたい展開案とかもあったんだけど、2分以内に収める美学に駆られるようになって。」

岩渕「そっか。確かにandymoriもそうやから。」

タノ「短くてもブチかます曲にしてみようと思って。色々あるものを2分の中に収めようとしたから、すごい詰まった曲になった。」

岩渕「確かにね。でも、タノ2分切ることへの執着心強すぎて、途中怖い時あったもん。ミックスチェックの時、はみ出そうになったのを『切った!』って言ってる時やばかった。マラソンじゃねえんだから。

タノ「あったね(笑) でも最終的に何とか1分58秒になったっていう。」

・「Sick Boy」って言葉に込めた思い

タノ「でもこれは、サビのメロだけ打って岩渕にお願いしたんだけど、そん時に『Sick Sick Boy, Sick Boy, Sick Girl』って掛け声が入って返ってきた時に勝ったと思ったね。

岩渕「なるほど(笑) あの曲あとボーカル乗っけるだけって状態で送られてきて、まず歌詞ですげえ悩んで。で、タノが作ってきた曲ってこと考えて。タノって変とか変わり者って言われる事が多いし、『Trainspotting』って映画の「Sick Boy」ってキャラにタノが似てるって思ってた事が決め手になって「Sick Boy」ってタイトルにした(笑) **でも俺さ、タノにも言ってなかったけど、この曲タノを肯定したい**って思いがあって。」

みんな大好き『Trainspotting』今見るとSick Boy俺のが似てる説。

タノ「いやーでもちょっと伝わってたよ(笑) 返ってきた時、プレゼントみたいな感じで受け取ったもん。嬉しいね。」

岩渕「タノって変って言われるし、『サイコパス』とか言われたりするけど、『サイコパス』ってすげえ良いことじゃんって思ってて。人に合わせず、自分の世界があるってことだから。だから、それってすげえ良いことだと思うし、胸張って生きた方がいいよってのは常々思ってて。

タノ「すごいね、勇気をもらいました。本歌詞は歌入れの時に聴いたんだけど、刺さるなーって思ったよ。『投げられた石も道に変わる』ってすげえいい歌詞だなって。」

岩渕「でも、この曲の中にこのアルバムの中で、かなりよく書けたと思う一行があって。どれか分かる?

タノ「えー何やろ!韻とかじゃなくて?パンチライン的なやつ?」

岩渕「そう。パンチライン的な。分かる人は分かると思う。」

タノ「当てたいな。サビ入りとかじゃなくて?『昨日出した正解が今日になったら不正解』とか?」

岩渕「いや違う(笑)サビじゃないです。正解は、   でした。」

タノ「あーはいはいはい(笑) 難しく考えたらダメやった。」

岩渕「フェイクニュースとかもあって、何が本当かわからない世界なんだからってのが端的に言えてるから!」

タノ「すごい全部入ってる!遊びも入ってるし。」

あえて伏せときます。アルバム買って探してみてください。

・バンドの醍醐味

タノ「あと、これはね、浪越のリードがすげえよくて。

岩渕「よかったな。2番のAメロとかすげえきた。

タノ「浪越がリードギター録ってる時、岩渕は歌録りで違うスタジオにいたし、夢希も体調崩してたから、俺と浪越とエンジニアさんの3人で部屋でやってたんだけど。浪越がどんどん弾きまくるから、何が出てくるかわからないワクワク感というか、あれすごいレコーディングの中でもすごい楽しい経験やった。自分の曲を、他のメンバーが更に良くしてくれるところが、バンドの醍醐味やなって。

岩渕「なるほどね。しかも、2番Aメロとか既に歌詞書いてたんやけど、社会批判する歌詞で。でも、あのリード聴いて、これじゃないなって思って、すげえ前向きなものに変えた。これ本当に醍醐味かもね。」

・浮いてても気にすんな

岩渕「でも、この曲のテーマってアルバムの中で肝になってると思う。変とか言われても、自分の道行けよってのは核心ついてると思ってて。」

タノ「確かにね。それこそ『MOMO』とかでも言ってきた感じあるじゃん。後ろ指さされてもってのは。悩んでる人も多いだろうし。自分らもさ、中高特に悩んだし。最近誰かとも話したけど、クラスって檻でもあるじゃん。

パノラマパナマタウン『MOMO』皮肉や冷笑見るだけ毒だぜ馬鹿野郎

岩渕「うんうん。入ったら出れない感じね。」

タノ「ずっと同じ人間関係で3年間うまくやらないといけないわけで。俺は、大学入ってから好きな人とだけ話したらいいなって考え方になって。排他的なわけじゃないんだけど、本当に付き合いたい人とだけ付き合うようにしたら、すごい自分の中に余裕が生まれて、人間関係がうまくいくようになった。友達の数は減ったかもだけど(笑)」

岩渕「なるほどね。まあ、量じゃないもんな。そういうのって。」

タノ「結構人の目を気にしてた時期があったし、でも教室でうまくやってくってことが辛くなってきて、高校の時とかすごい自分を出して、ちょっと距離が開いちゃったって気づいた時もあって。」

岩渕「へえ。気づいた瞬間があるんや。」

タノ「これはダメなんじゃないかって思ったこともあったけど、でも、大学ではやりたいことをやろうと思って。やってたらすごい楽になった。

岩渕「なるほど。確かに俺もそういうところあったけど、でも大学出てバンドやってたらなんてクソみたいなことで悩んでたんだろって思うよな。

タノ「本当に。クラスが自分の世界の全てになっちゃってたのは、余裕がなかったとすごい思う。それこそ、高校行かなくてもいいくらいの感じだと思うよ。」

岩渕「確かにね。俺も小学校行ってなかった時期あるしね(笑)」

タノ「好きなものに真摯に向き合うのが一番いいよ。


俺は人と一番腹割って話せるのはピロートークだと思ってるんだけど、タノと話したのも寝室で、二人とも寝巻きで、深夜だったこともあり、他にないような深い話になったと思う。こないだ、「ROCKIN' ON JAPAN」の取材でもそういう話になったけど、ベッドの中でするインタビューとかどうなんすかね。撮り下ろし写真もバスローブでベッドの中、みたいな。ダメですか。
お後がよろしいようで。

次回はアルバム3曲目「$UJI」です。

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