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3.$UJI【「情熱とユーモア」発売記念メンバー対談(夢希編)】

2月13日リリース「情熱とユーモア」から収録曲について、1曲ずつメンバーと話していく対談。今日は3曲目『$UJI』についてドラムの田村夢希と語ります。

Dr. 田村夢希(26) 時期により形が変わる。

夢希は「数字」に対する捉え方が自分とは違うと思ってて、そこでぶつかったりすることもあるけど、たくさんの価値観が存在することが、このバンドの良さだと思ってる。去年6月にリリースした心の叫び『$UJI』について。

・去年の6月考えてたこと

岩渕「このアルバムを作る時に、最初に作ったのが『$UJI』やんか。『世界最後になる歌は』とか『真夜中の虹』とかそれより前からあった曲はあるけど、新しいものを作るってモードで最初に取り掛かったのがこの曲だなーと思ってて。去年の6月にリリースした曲ですけど。」

夢希「うんうん。」

岩渕「『PANORAMADDICTION』ってミニアルバムを作って、次の曲どうしようかってことをすげえ悩んだ記憶があって。で、代官山UNITのワンマンもあるからそのタイミングでリリースしたいね、って話もあって。自分なりに3,4曲出した中の1曲が『$UJI』だったって記憶があるんだけど。すげえ素直な曲だなーと思ってて。」

夢希「なるほどね。」

岩渕「メジャーに行ってCDをリリースして、何枚売れたってこととか、UNITが埋まるのか埋まんないのかみたいな、今まですげえラフにやってたことが、数値化されるようになって。こういうのに囚われたくなくてバンドやってんのに、すげえ数字ばっか見ちゃってんなーみたいな自分への苛立ちがあって。その『嫌気』がこの曲のきっかけになってると思う。」

夢希「きっかけね。」

岩渕「その時にわーーってなって叫んだ『数字ー!』って言葉が、他の曲に比べて届いたとこだと思うし。『意地でもやめない』って曲とかあったよな(笑)」

夢希「色々あったよねあん時。でも、忘れちゃうね。やっぱり。そのデモを聴き直すとあったねこんなんって思うけど。みんなあるんだろうねこうやって漏れていく曲。」

岩渕「あるんやろうね。アルバムにも入ってない曲沢山あるもんね。でも、その中で一番純度が高いものがやっぱ残るというかさ。『フカンショウ』も心の叫びだったからあれだけ多くの人に届いたと思うし、特にこん時は心の叫びを表に出したいって気持ちがすごく強かった時期やったから『$UJI』を選んだんやと思うけど。

夢希「心から出たもんってやっぱ人を動かす力あるよね。

・夢希が考える「数字」

岩渕「でも、夢希って数字論みたいなのあるやんか。まあ結局しゃあないしなあとか、見ちゃうもんだしなあみたいな。」

夢希「まあ、見るのはこういうことやってると当然というかさ、避けられないことだと思うんよ。生活に直結するじゃん。バンドを続ける=数字を維持しないといけないってのが現実問題あると思うんよ。でも、そこだけを見ちゃうと商売だけになっちゃうし、そういうことをしたい訳じゃないじゃん。だから、そこは難しいけど。俺が数字のことよく言うのは、他のメンバーがあまり言わないってのもあると思う。誰かが気にしてないと忘れちゃうとこがあると思うから、そこは俺が忘れずに見ておこうというか。」

岩渕「うんうん。」

夢希「ちょっと逸れるけど、統計データってすごい面白いなって思ったりするよね。こういう人がこんなこと観とるんや、とか俺らのビデオって男の子の方が意外と視聴者多いんやとか。ライブ行くと女の子のが多いけど、YouTubeのビデオは意外と男ユーザーの方が多かったりするんよ。

岩渕「へえ、知らんかった。俺さ、この曲のインタビュー受けてて残ってるのは、『岩渕くんって、数字ってものを嫌悪する気持ちがあって、数字の逆に人間らしさがあるみたいなことをこの曲で言ってるけど、数字って逆に人間っぽいんじゃないか。』みたいなことで。さっきの夢希の話みたいに、データじゃないと出てこないことってあるし。バンドの中で、俺が一番これは人間っぽいとか人間っぽくないみたいな話を熱くすることが多いけど、そこを一番クレバーに見てるというか、バランス感覚がいいのは夢希だと思う。

夢希「なるほどね。俺は文系だけど理系っぽいのかな。数字は好きなんだよね。分かりやすいというか。なかなか人間って客観視することが難しいなーと思ってて、でも数字って客観的なもんだから、数字によって自分ってこういう奴なんだってことが分かったりする。それも、ある意味人間っぽいなーと思うし。意外と数字って人間っぽい部分があるなーって。」

岩渕「うんうん。」

夢希「でもそういう時に『$UJI』聴くと、最初の『$UJI』って叫ぶとこがいいなーって思う。人間が数字って叫ぶのも逆に人間臭いとこがあるんじゃないかみたいな。

岩渕「アホよな。数字でいろいろ悩んだ挙句に、結局数字って叫ぶっていう。でも、この歌詞も今になったら書けんなーと思うもん。青さというか。でも、まあこれは自分より1歳歳が上の夢希だから分かることがあるというか、、」

夢希「いやいや関係ないでしょ。」

・『$UJI』で手にしたもの

夢希「曲についてはどう?」

岩渕「ラップを畳みかけていって、ギターが出てくるとこがあって、キャッチーなサビがあるっていう三拍子的なものはこの曲で確立されたんじゃないかなーと思ってて。アルバムの中では中心ついてるなーと思う。」

夢希「確かにね。今のモードのストライクゾーンついてると思うね。ライブでもやっぱり、やればやるほどいい曲だなーと思うし、やりながらかっこいいなって思う。」

岩渕「俺『$UJI』についてぶっちゃけ思うのは、もっとみんな盛り上がっていい曲やと思ってて。何回も観てる人は盛り上がるけど、知らない人ももっと食いついていい曲だろうと思うなー。練習でやる時もすげー楽しいし、もっとこの楽しさ理解してほしいというかさ。」

夢希「パノラマパナマタウンの曲ってすげえ緊張感ある曲多いじゃん。その中でもすげえアグレッシブな方というかさ。」

岩渕「うんうん。頭使ってない感じするよね。この曲最後の『俺の人生は映画じゃねえんだ』からのアウトロのリリックを、ある意味適当に書いてて。煎じ詰めたリリックの良さもあるけど、心から直接ダイレクトに出たものって大事だと思ってて。だから、この曲ずっと言葉遊びとか韻にこだわって書いてたから、最後は何も考えずに書こうと思ってあの部分をプラスした。あれがあることですげえ自分らしくなったなーと思ってる。」

夢希「そういうの多いよね岩渕。近くで見てると自分では思いつかない言葉遊びとか多くて。同じメンバーだけど、曲があがってくるのが楽しみというか。それもこのバンドの良さだと思う。」


今となってはその三拍子も壊して、もっと得体の知れない曲を作りたいって思ってたり、もっとゴタゴタ考えるよりすんなり出たものを信用したいって思いになってるから、この曲を作った時からはまた考え方も変わってるけど。でも、自分たちにとって、このアルバムにとって、大事な曲だと思う。
次回は、アルバムの肝、4曲目「めちゃめちゃ生きてる」です。

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