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7.真夜中の虹【「情熱とユーモア」発売記念メンバー対談(夢希編)】

『情熱とユーモア』発売記念メンバー対談企画、7曲目は「真夜中の虹」です。アルバムの中では、「世界最後になる歌は」に次いで古い曲。由来になった映画の話から、お互いの地元の話、人間臭い生き方について。雑に話した割に、面白い内容になりました。

・俺たちのコアになる曲

岩渕「世界最後を除くと一番古い曲よな。」

夢希「こん中やったら確かにそうやね。」

岩渕「これ実は『odyssey』って曲と同時期にできた曲で。で、『odyssey』と『真夜中の虹』が俺たちの新曲ですって言ってガンガンやってる時期があった。

夢希「何年前やろうねあれ。」

岩渕「あれよ、ニューロック計画とか出てた頃よ。俺覚えてるわ。鹿野さんが東京からライブ観に来るって言って、『ニューロック計画』と『MISOJI CALLING』二つのイベント、ダブルヘッダーで出てた日があって。で、片方で『odyssey』をやって、片方で『真夜中の虹』をやって。そしたら、鹿野さんが『odyssey』は素直にいい曲だって言ってたけど、『真夜中の虹』はちょっと分からないって(笑)

曲ができたのは、2015年11月あたり。MASHのオーディション決勝が同年12月だから、すげえ過渡期だったと思う。披露してた『ニューロック計画』と『MISOJI CALLING』は2016年4月。

夢希「(笑)」

岩渕「でも俺的にすげえよくできたと思った曲だったから、2016年VIVA LA ROCK初出演の時に一曲目でこれをやって。そしたら、ビバラ終わりに鹿野さんが「やっぱすげえいい曲だよ。パノパナらしくて。」って言ってくれたの覚えてるわ。」

夢希「なんかさ、俺たちみんな好きじゃんこの曲。で、パノパナでよくあるなって思うのがさ、俺らの好きなことをマジでやった時にお客さんがマジで分からないって反応するっていうパターンが何回かあったなって思ってて。で、この日もそうやった。めっちゃポカーンとしてたもんな(笑)」

岩渕「確かにね。俺もしかもリーゼントみたいに髪の毛ポマードで固めてた時期で。そんな奴がフェスで楽しんでる時に突然出てきて、一曲目にあんなゆっくりした曲轟音でやられたらそりゃびっくりする(笑) でも、そんくらい俺たちのコアにある曲だなーって思うね。こういう曲、初のフルアルバムにいれれてよかったと思う。」

夢希「本当に俺らのコアよな。こういうテンポ遅くて、歌のメロディもしっかりしてる曲ってさ、普通のバンドやったら緊張と緩和の緩和になるパターンが多いと思うんよ。でも、やっぱ俺らの場合は、緩和ですら緊張感があるというか(笑) バラードっぽいのに、緊張感あるっていう、そこが俺ららしさだと思う。

・シャッター街へのラブソング

岩渕「この曲は、『チャイナタウン』ってすげえ好きな映画があって、その映画観終わった瞬間にリフを思いついて。そこから作った曲。」

『チャイナタウン』ロマン・ポランスキー監督(1974)
俺の大好きな映画。好きすぎて『SHINKAICHI』のMVでオマージュしたり、noteのカバー画像はこの映画のワンシーンだったり。30年代後半のロスを舞台にした、フィルム・ノワール。

夢希「はいはい。」

岩渕「歌詞は、アキ・カウリスマキの『真夜中の虹』って映画のタイトルが元になってて。この映画もそうやし、『チャイナタウン』もそうやけど、俺寂れた街を舞台にした映画が好きで。すげえ浪漫を感じるというか。で、俺の地元の寂れた感じとすげえリンクするから、この曲は『真夜中の虹』ってタイトルで、すげえ地元のこと歌ってる。あの、夢希も泊まったことある街やけど。」

余談だけど、スガシカオさんが『真夜中の虹』って曲出した時はすげえ焦った。同じ時期くらいだったと思うけど、俺のが先に思いついてたし!は?
「夜の十字架は たとえハリウッドス夕ーでもはずせない」って歌詞が好き。

夢希「うんうん。岩渕の暮らしてた商店街ってさ、本当に人間臭さがあるというかさ。人間臭さって、なかなかみんな持ってても出さないんよね。出さないのか出せないのか分からんけど、俺は自分のこと、出せない方だなって思ってて。やっぱり装っちゃうよね人間って。かっこよくしようというかさ。でも、装わないところが商店街の良さなのかなって思う。」

岩渕「きったねえもんなあの商店街。

夢希「装う気がないよね。」

岩渕「人を迎える気がないもんな(笑)」

・装わない生き方と地元の奴ら

夢希「でもそういうのも、俺はやってみたいなって思う。わーって生きてみたいというかさ。

岩渕「夢希もわーってなるタイミングあるけど、人に比べたらない方というか。夢希ってさ、装ってる感じもないけど、コアが出る瞬間が限られてる気がする。八方美人感は全然ないんやけどさ。」

夢希「まあね。いい顔するのが得意じゃないんじゃけど。やから、もう関わらないっていう。苦手だから、さーって逃げることが多いかもね。」

岩渕「でも、人間らしく生きたいなみたいのがさ、ちょっとあったりするん?」

夢希「そういう瞬間はあるね。てか、観るのが好きなんよね。映画とか。最近やと、『THE OUTSIDER』って知っとる?」

岩渕「全然知らん。」

夢希「プロのボクサーとアマチュアのヤンキーがリングで戦うんじゃけど。そういうの観ながら、ヤンキーってやっぱ面白いなって。反則する奴とかいるから。」

岩渕「なるほどね。そりゃ人間臭いわ(笑) 俺らってさ、ヤンキーに憧れる部分も、ちょっとあるなって。4人とも頭いいから自分出さないのもできちゃうけどさ、ヤンキーってバシバシ言うやんか。

夢希「わかるわかる。いいところを吸収したいみたいなね。そうなりたい訳じゃないけどね(笑) おるもんね友達にも、こいつなんでもズバズバ言うなみたいな。アホなんかなと思いながら、そのアホさが好きになるというか。

岩渕「おるね。なんかさ、夢希の地元の人と、俺の地元の友達って近いなって思うんよね。

夢希「わかるわかる。岩渕の地元の人に会った時、とっつきずらさはあるんじゃけど、身内に入ってしまえば一緒のパターンやなみたいな。そういう感じはあるね。」

岩渕「なんなんやろうねこれ。西の地方の感じというか。やっぱ、浪越とタノは神戸と大阪やしね。」

夢希「言うて都会やしね。シティ感あるよやっぱり。」


この曲、「裸のままで生きてく この街が好きだ」って歌詞は最近になって書いたとこなんだけど、ズバリ話してたことのようなことを思って書いた歌詞。

次回は8曲目「distopia」9曲目「くだらnation」について。2曲まとめてどうぞ。


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