私の研究について

やあ!どうも。大学院に進学したとは言ってもなんの研究してるの?ってたまに聞かれるので、とりあえず簡単にまとめておこうと思います!

私の研究室では理論系の物理の研究をしています!紙と鉛筆でできるあれでしょ?って思われることもありますが、実際はそんな事はありません。というよりそんなことはできないっていう方が正しいかもしれません。物理の理論の対象にはいくつかあります。宇宙系、素粒子系、カオス系、物性系などなどですね。それぞれ対象にしているものが全く異なりますが、我々は物性系の理論研究をしています。

固体や固体表面について、量子力学とか電磁気学なんかを使って、原子の分布などを調べ、固体としてどのような物理的、化学的な性質があるかを(物理的な立場から)調べます!ひとことで言うと、第一原理計算を用いた物性理論研究です!!

第一原理計算とは何か、知ってたらこれ以上は読まなくていいです。わからない人向けに紹介しますね!
第一原理計算とは、ずばり、物理的にわかっていることのみを用いて(つまり、実験結果を全く用いず、物理的な定数や物理法則のみに頼って)理論的な計算を行うことを指します。実際は実験結果を全く用いないと言うと語弊があります。(計算では用いてないだけで、初期条件や結晶構造等は、実験の論文を参照しまくります)
なお、第二原理計算というものはありません。第一原理計算のことを非経験的な計算という場合もあります。
基本的には量子力学と電磁気学を用いて計算を行っています。

原子は核と電子で構成されていますが、自由電子に代表されるように、実際動き回るのは電子です。物質の性質は電子が決めると言っても過言ではないでしょう。量子力学は(ざっっっくりいうと)電子や核がどんな配置で、どのくらい分布するか、どのくらい安定であるかを計算する学問です。残念ながら、多くの原子は電子が一つではないのでお互いに影響を及ぼし合いまくってしまいます。(多体問題)
それでは一般的に解けません。ただし、ここで近似を上手く使えばどうにかなったりします。(ならないこともあります)
これにはすごい計算コストがかかるので私の研究室ではスーパーコンピュータを使って計算を行っています。ドヤ

計算計算言っていますが、計算結果はなにが出てくるかについてお話しします。
1つはその系のエネルギーです。物理や化学は、基本的にエネルギーが低いところが、安定な状態となります。つまり、その物体が持ってるエネルギーがわかればどの状態が安定なのか(1番起こりやすい状態なのか)わかります。
ほかには電子の状態の密度です。ざっくり言うと、どの辺に電子が詰まってるかということがわかります。これによって化学的な性質がわかります。触媒などでは非常に重要な性質です。
他にわかる物性は原子間の距離や磁性ですね。
エンタルピーなどもわかります。
化学反応などの活性化エネルギー、格子定数、反応の方向なども計算できたりします。すごいでしょ?
概要は以上ですが、固体と言っても対象にする系が異なる場合があります。実は表面と固体内部で振る舞いが違うということが起こるのです。この話は別のところでやりますね。
具体的な対象で言うと、触媒なんかは表面で磁性や物体の強度なんかは固体を対象の系にしています。私たちは表面を対象にした計算を行なっています。(なぜか僕だけ表面のモデルではありませんが…)

実験はこういうことがわかったとか、こんな活性を示したよーとかいうのを報告したりします。それに対して、我々は活性が起こった理由を電子のふるまいなどを計算によって示すことができます。そうすると、実験の人は理由がわかれば最短ルートで起こしたい反応を起こせるという好循環が起こるわけです。
実験だけじゃなく、理論も面白そうだと思いませんか?😏

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?