HCDの考え方と基礎知識体系報告書③

hcdbasic_report.pdf (hcdnet.org)

2章 HCD の考え方と基礎知識の拡がり

2-2 人間中心デザインの理念

人間中心デザインの定義

HCD=人間中心デザイン(Human Centered Design)とは
モノ・コトに対して「利用者視点」と「共創」によって新しい価値を生み出すことであり、「問題の設定・発見」と「解決策の探求・創造」を「繰り返すこと」を中核としたメソッドとマインドセットのこと

人間中心デザイン(HCD)

H = Human 人間
C = Center 中核・中心
D = Design 設計・デザイン

「モノ・コト」「利用者視点」「共創」

  • モノ・コト
    HCD初期では主に製品としての「モノ」であったが、現在ではサービスや組織といった「コト」を対象に拡大している。

  • 利用者視点
    UXの概念である利用者視点を強調

  • 共創
    デザイン思考やサービスデザインの中核的考え

HCDの中核(基本)プロセス

問題の設定/発見、解決策の探求/創造、繰り返すこと の3ステップからなる

HCDのマインドセット

HCDの中核(基本)プロセスを実践するために必要になる心構えと捉え方のこと。実践者の中にHCDのマインドセットが備わることで初めて有効な状態となる。

マインドセット:
自身のかなに形成される物事の見方や考え方のこと
信念や判断基準
先入観や思い込み
人の思考や行動に影響を及ぼす状態のこと

HCDのマインドセット:
当事者意識を持つ
相手の立場になって考えられる
人を思いやす
自己と他者の堺をこえて他者を自分の中に投影できる心理状態のこと

リーダーシップスキル

HCDのマインドセットを関係者に伝導していくスキルのこと。

サーバントリーダーシップ:
他者に奉仕して導くリーダーシップ

コーチ型・関係重視型・民主型リーダーシップ:
他者に重点を置くリーダーシップ

各リーダーシップの与件:
ファシリテーションスキル

社会的意義

HCD=社会的に複雑な問題への解決→厄介な問題への解決
フリクションレス:摩擦や亀裂のない状態
インクルージョン:人間の多様性を尊重した姿勢に向き合う
センスメイキング:人=常に関心をよせ気遣う存在 として意味形成を行う

日本初の人間中心デザイン

日本人がもっている観点:他者と自己の関係性
・自然に対する世界観
・自然は共存共生するものという歴史背景
・経済を通じて地域社会へ貢献すること

HCDにおける基本プロセスとコアコンセプト

基本プロセス:HCD基礎知識体系図の往復・反復に対応
・問題の設定
・解決策の探求
・繰り返すこと

人間中心デザインの定義(コアコンセプトと基本プロセス)

プロセス① 計画:
最適なプロセスと手法を選択し定義

プロセス② 運用:
製品やサービスを維持


HCDの様々なプロセス

  • ISO 9241-210(旧ISO13407)

  • JJ Garrett の5段階モデル

  • リーンスタートアップにおける顧客開発プロセスモデル

  • Lean UXのプロセス

  • IDEOやd.schoolにおけるデザイン思考の5つのステップ

  • ダブルダイヤモンドのプロセス

  • Google SPRINT

  • IBM The Loop

  • GE FastWorks

人間中心デザインの基本プロセスと様々なプロセス

最適なプロセスと手法の選択・定義

 プロセスを現場で実行する時のスキル
・最適なプロセスと手法の選択と定義をするスキル
・プロセスを適用する組織やプロジェクトにカスタマイズするスキル

方法論(メソドロジー)

メソドロジー=
メソッドを探求する領域
メソッドが持つモノ・コトに対峙する姿勢としての「哲学・考え方」やターゲットとなるテーマの「問題設定」を加えたもの

メソッド=
基本プロセスに各プロセスで活用する様ざまな「手法や応用系」を
加えたもののこと

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