息子のてんかんのこと(腫瘍発見編)

2ヶ月に一回くらいのペースで小児科に神経科の先生がくるスケジュールに合わせて通院。
その間も2ヶ月に1、2回のペースで発作がある。
増えないけど、減らないまま一歳の誕生日も終わり、半年ぐらい経過。
最初の頃みたいな強烈な不安感は薄れてきたものの、主治医からも良いとも悪いとも言われないまま通院が続くことが不気味で、いつまで続くのかわからないことが不安で、でもどうしたらいいかわからないまま。できることと言ったら主治医からアドバイスがあった鉄分の多い食事を心がけるくらい。

そんな中、ちょうど次の日に定期検診がある日に息子が発熱。最寄りの小児科に連れて行き、薬局で処方待ちをしていたら、いつもの発作。
「あー、大きな声出しちゃったな。周りの子、びっくりさせちゃったな。」なんて考えていたも束の間、どんどん状況が変わった。
いつもは叫んでから少しぼーっとして反応が鈍くなって、10秒くらいで元に戻るのに、その時は戻ってこない。慌て始めたくらいで痙攣が始まり、その頃になっていつもとは全然違うことに気がついた。ダッシュで小児科に逆戻りして、痙攣の処置をしてもらってから、タクシーで主治医のいる病院に向かう。その時は主治医が不在のため、緊急病棟で診てもらい、帰宅。

日を置かずに2度目のMRI検査。
正直なところ、その時も息子は良性のてんかんで、そろそろ「もう大丈夫ですよ」と言われると思っていた。脳波も2回もとって異常なかったし、きっと大したことないんだろうと。この前の痙攣も熱性のものだろうと。
だから、主治医から、脳に腫瘍が確認できたと言われた時は、時間が止まったみたいだった。
立ちくらみみたいにギュウっと視界が暗くなる。
主治医の説明は続いてるのに、頭に入ってこない。なかなか視界がクリアにならないと思っていたら、主治医がティッシュをくれた。ボロボロ泣いてるのにも気が付かなかった。

少し落ち着いてから、改めて状況の説明があった。泣いてフリーズしてる暇はない。ここで疑問を残したら、家に帰ってから不安で押しつぶされてしまう。
一番聞きたくて、怖くてなかなか聞けなかった質問を絞り出した。
「先生、その腫瘍は、この子が大きくなれない可能性があるものなんですか?」
主治医の回答は、「この場でその質問にハッキリ返答することはできません」
「前回のMRIと比べて、腫瘍はあまり大きくなっていない。悪性の可能性は低いとは思います。けれど、この場で断言することはできません。」
少しホッとしたが、その後「ほぼ確実に手術になるでしょう。この病院では対応できないので、医療センターへの転院をお勧めします。」と言われて、また不安に。
脳手術...?こんなに小さいのに?私でさえ30年以上生きてて、親知らずの抜歯と盲腸の手術しかしてないのに...?もちろん内視鏡とかじゃないよね...?え?開頭?ブラックジャックがやるやつじゃん、とプチパニック。
主治医が普通は1週間近くかかるところを即日で紹介状を書いてくれ、すぐに連絡をしたが、医療センターの初診は1ヶ月待ち。それだけ多くの「近所の小児科」では対処できない病気の子がいるんだろうと少し切なくなる。うちは電車一本で行けるだけ恵まれてる。とりあえず、初診日まではコロナ含み一切の感染症が許されないので、今まで以上の厳戒態勢で生活した。同僚の「なんか熱っぽくてさ〜wコロナかもw」とかの軽口さえも殺し屋みたいな目で睨め付けるくらいに。