岩崎夏海

「もしドラ」の作者。

岩崎夏海

「もしドラ」の作者。

記事一覧

映画『ファースト・マン』を見て実感したこれからのコンテンツは文脈の読み解きが不可欠になるということ

noteで新しく有料の定期購読型マガジンを始めました(このアカウントではなく、別アカウントで始めました)。タイトルは『文脈ノート』です。その名の通り「文脈」について…

岩崎夏海
5年前
5

競争社会の突破口:前編(2,116字)

ぼくのブロマガハックルベリーに会いに行くは、この競争社会を突破したい人——に多く読んでもらっていると思う。読者からの質問にも、そういうものが多い。 そこで今日は…

岩崎夏海
5年前
4

これからのぼくの生きる道

ぼくはしらばらく前から自分の役割が少しずつ変わってきていることに気づいていました。ドラッカーのエヴァンジェリストとしての役割が、少しずつ小さくなっているなと。 …

岩崎夏海
7年前
8

絵本の編集をするのなら絵本の概念を変えるようなビジョンを示せなければ今の時代は生きていけない

絵本の編集をするのなら絵本の概念を変えるようなビジョンを示せなければ今の時代は生きていけない 私は2015年の夏くらいに絵本の編集者をすることになりました。 みなさ…

岩崎夏海
7年前
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ブラック企業が生まれ存続する本当の理由

こういうツイートがネットで話題になっていた。 これには多くの反響があった。賛同する人も数多くいた。 しかしながら、この考え方は誤りである。誤りであるがゆえに、大…

岩崎夏海
9年前
10

ゲームで学ぶ「成長の法則」

ぼくは、今なおさまざまなスキルを身につけようと日々勉強している。 それと同時に、「成長とは何か?」ということを概念的に考えてもいる。なぜかというと、そこで「成長…

岩崎夏海
9年前
7

オフィスを見れば経営者が分かる?――株式会社ピースオブケイクの部屋の中(2,237字/画像10枚)

株式会社ピースオブケイクは、インターネットマガジン「cakes」や、クリエイターの作品発表とそのマネタイズを支援するサイト「note」を提供していることでお馴染みのITベ…

岩崎夏海
9年前
22

「#どうして解散するんですか?」が人々を苛立たせた本当の理由

「#どうして解散するんですか?」というサイトと、それを製作した責任者の青木大知氏、それに、実際にサイトを組み上げたTehu氏が炎上した。ぼくは、青木氏とは面識がな…

岩崎夏海
9年前
13

なぜぼくは教えるのか?

「もしドラ」が出てから5年。 その間、いろいろな仕事をしてきたが、ぼく自身、自分が最高のパフォーマンスを発揮できているなと感じたのが、人に何かを教えている瞬間―…

岩崎夏海
9年前
9

ショービズにおける「つるはしビジネス」の現在

一般に、階級が固定化し、格差が拡大すると、「ショービズ界」が隆盛するといわれている。 なぜなら、ショービズはどんな世の中でも「一発逆転」の目をはらんでいるからだ…

岩崎夏海
9年前
5

これからの経営者には「居場所設営スキル」が必要とされるだろう

最近ドラッカーの本を読み直していて、面白い記述を見つけた。 それは、「医学が進歩すればするほど、健康について思い煩う人が増えた」というものだ。 世の中は、しばし…

岩崎夏海
9年前
14

働きすぎると能力がどんどん下がって社会の中で使い物にならなくなる

自分の会社を作ってから、「働き方」ということについて以前より考えるようになった。 以前の個人事業主だったときは、自分が頑張ることしか考えていなかった。しかし経営…

岩崎夏海
9年前
22

YouTubeを始めて分かったチャンネル運営の5つのポイント

YouTubeチャンネルを始めてから、そろそろ半年が経つ。まだまだ初心者の域を出ないが、それでも、色々体験し、色んなことが分かってきた。 そこで今回は、そんな経験知を5…

岩崎夏海
9年前
7

アイス・バケツ・チャレンジについてどう思うか?

今回は、「ALSアイス・バケツ・チャレンジ」(以下「IBC」)についての考えを書いてみたい。 IBCについて、ぼくは、よくあるボランティア活動の一つだと認識しているので…

岩崎夏海
9年前
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新しいことは新しい人が始めるのがいい

今年に入って、新しくYouTubeチャンネルの運営を始めた。 HuckleTV(ハックルテレビ) - YouTube これにはいくつかのきっかけがあるが、中でも大きいのが、昨年『部屋を…

岩崎夏海
10年前
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ぼくはコミュ障だった

先日、知り合いから「私も岩崎さんのようにコミュニケーションが上手ければ――」と言われ、びっくりした。その人は、ぼくのことを「コミュニケーション能力が高い」と見て…

岩崎夏海
10年前
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映画『ファースト・マン』を見て実感したこれからのコンテンツは文脈の読み解きが不可欠になるということ

映画『ファースト・マン』を見て実感したこれからのコンテンツは文脈の読み解きが不可欠になるということ

noteで新しく有料の定期購読型マガジンを始めました(このアカウントではなく、別アカウントで始めました)。タイトルは『文脈ノート』です。その名の通り「文脈」についての記事を発信していきます。

文脈ノート

ところで、「文脈」とは何か?
それは「コンテンツを成り立たせている背景」のことです。そのコンテンツが作られた理由や来歴のことです。そういうものの総称を、ここでは文脈と呼びます。

今、文脈がと

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競争社会の突破口:前編(2,116字)

競争社会の突破口:前編(2,116字)

ぼくのブロマガハックルベリーに会いに行くは、この競争社会を突破したい人——に多く読んでもらっていると思う。読者からの質問にも、そういうものが多い。

そこで今日は、現時点でぼくが考えている「競争社会の突破口——現代社会で抜きん出る方法」を簡単にまとめてみたい。

まず、要となるのはやはり「知識」とそれについての「学習」である。

これは、多くの人が考えているし、また同意するところだろう。卓越した知

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これからのぼくの生きる道

これからのぼくの生きる道

ぼくはしらばらく前から自分の役割が少しずつ変わってきていることに気づいていました。ドラッカーのエヴァンジェリストとしての役割が、少しずつ小さくなっているなと。

それは、コミュニケーションは結局野球の打率のようなものだからなんです。上手くいかないことの方が当たり前。上手くいったらすごいことです。

『もしドラ』では、ドラッカーのことを上手く伝えられたかもしれないですけれど、それはたまたまだった。ピ

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絵本の編集をするのなら絵本の概念を変えるようなビジョンを示せなければ今の時代は生きていけない

絵本の編集をするのなら絵本の概念を変えるようなビジョンを示せなければ今の時代は生きていけない

絵本の編集をするのなら絵本の概念を変えるようなビジョンを示せなければ今の時代は生きていけない

私は2015年の夏くらいに絵本の編集者をすることになりました。
みなさん、絵本というとどういうイメージをお持ちでしょうか?
おそらく、とても「良い」イメージをお持ちなのではないでしょうか。
あるいは、「絵本作家になりたい」という方も、けっして少なくないと思います。

あるとき、こんな話を聞きました。

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ブラック企業が生まれ存続する本当の理由

ブラック企業が生まれ存続する本当の理由

こういうツイートがネットで話題になっていた。

これには多くの反響があった。賛同する人も数多くいた。

しかしながら、この考え方は誤りである。誤りであるがゆえに、大きな問題がある。

「問題」とは、「解決を遅らせる」ということだ。問題の解決が遅れるのは、いつも問題の本質を見誤るからである。

例えば、1950年代、貨物船の競争力がトラック輸送や空輸に比べて落ち込んでしまった。そのため、船会社は競争

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ゲームで学ぶ「成長の法則」

ゲームで学ぶ「成長の法則」

ぼくは、今なおさまざまなスキルを身につけようと日々勉強している。

それと同時に、「成長とは何か?」ということを概念的に考えてもいる。なぜかというと、そこで「成長の法則」を見つけられれば、それを勉強にフィードバックすることで、成長そのもののスピードも上げていけるからだ。

その中で、ぼくはゲームをとことんやり込むことで、「成長の概念」を深化させている。

そこで今日は、そのゲームのやり方と、深化さ

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オフィスを見れば経営者が分かる?――株式会社ピースオブケイクの部屋の中(2,237字/画像10枚)

オフィスを見れば経営者が分かる?――株式会社ピースオブケイクの部屋の中(2,237字/画像10枚)

株式会社ピースオブケイクは、インターネットマガジン「cakes」や、クリエイターの作品発表とそのマネタイズを支援するサイト「note」を提供していることでお馴染みのITベンチャーだ。270万部を超える大ベストセラー『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(通称『もしドラ』)の編集者を手がけた加藤貞顕さんが、2011年に立ち上げた。

今回、そのピースオブケイクが渋

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「#どうして解散するんですか?」が人々を苛立たせた本当の理由

「#どうして解散するんですか?」が人々を苛立たせた本当の理由



「#どうして解散するんですか?」というサイトと、それを製作した責任者の青木大知氏、それに、実際にサイトを組み上げたTehu氏が炎上した。ぼくは、青木氏とは面識がないが、Tehu氏とは親しくさせてもらっているので、あえて「Tehuくん」と書かせてもらうが、今回の炎上は、おそらく2人がなぜ炎上したかを理解していないと思う。それが興味深かったので、書かせてもらうことにした。

2人が炎上した理由は、

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なぜぼくは教えるのか?

なぜぼくは教えるのか?

「もしドラ」が出てから5年。

その間、いろいろな仕事をしてきたが、ぼく自身、自分が最高のパフォーマンスを発揮できているなと感じたのが、人に何かを教えている瞬間――すなわち「教師」をしているときだった。

教師として、ぼくがどういう授業を行っているかは、先日、九州大学で特別講義をしたときの動画をYouTubeに上げているので、参照されたい。

教えるとき、ぼくに特徴的なのは、ほとんどアドリブで喋っ

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ショービズにおける「つるはしビジネス」の現在

ショービズにおける「つるはしビジネス」の現在

一般に、階級が固定化し、格差が拡大すると、「ショービズ界」が隆盛するといわれている。
なぜなら、ショービズはどんな世の中でも「一発逆転」の目をはらんでいるからだ。階級差をひっくり返せる可能性がある。
それゆえ、階級が固定化した世の中になると、階級の低位に甘んじている人が一発逆転を狙ってショービズ界に雪崩を打って参入するのだ。それで、競争の激しくなったショービズが花盛りになる――というわけである。

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これからの経営者には「居場所設営スキル」が必要とされるだろう

これからの経営者には「居場所設営スキル」が必要とされるだろう

最近ドラッカーの本を読み直していて、面白い記述を見つけた。
それは、「医学が進歩すればするほど、健康について思い煩う人が増えた」というものだ。

世の中は、しばしば想像とは逆の事態が巻き起こる。医学が進歩し、それについての意識が高まったがゆえに、逆にまた心配も増えてしまったのだ。

仕事についても、それがいえるのではないか。
仕事は、テクノロジーの進歩で、以前に比べて格段に便利に、やりやすくなった

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働きすぎると能力がどんどん下がって社会の中で使い物にならなくなる

働きすぎると能力がどんどん下がって社会の中で使い物にならなくなる

自分の会社を作ってから、「働き方」ということについて以前より考えるようになった。

以前の個人事業主だったときは、自分が頑張ることしか考えていなかった。しかし経営者となると、そこに勤める人の働き方についてまで、ある程度の決定権を有することになる。だから、自分ではない他者の働き方ということにも考えが及ぶようになったのだ。

そこでまず考えたのは、「働く時間を『定時出勤、定時退社』にする」ということだ

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YouTubeを始めて分かったチャンネル運営の5つのポイント

YouTubeを始めて分かったチャンネル運営の5つのポイント

YouTubeチャンネルを始めてから、そろそろ半年が経つ。まだまだ初心者の域を出ないが、それでも、色々体験し、色んなことが分かってきた。
そこで今回は、そんな経験知を5つのポイントに分けて紹介したい。
これらを見れば、YouTubeの今、そしてその向こうにある「ネット」や「エンタメ」の今が、ちょっとは見えてくるかもしれない。

なお、これらのポイントは、これからYouTubeを始めてみようという方

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アイス・バケツ・チャレンジについてどう思うか?

アイス・バケツ・チャレンジについてどう思うか?

今回は、「ALSアイス・バケツ・チャレンジ」(以下「IBC」)についての考えを書いてみたい。

IBCについて、ぼくは、よくあるボランティア活動の一つだと認識しているので、特にどうとも思わない。

ぼくは、おそらく「ボランティア活動」というものについて、世のほとんどの人よりも多く考えた経験を持っている。なぜなら、ぼくの父親は日本でも有数の国際ボランティア団体、日本国際ボランティアセンター(JVC)

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新しいことは新しい人が始めるのがいい

新しいことは新しい人が始めるのがいい

今年に入って、新しくYouTubeチャンネルの運営を始めた。

HuckleTV(ハックルテレビ) - YouTube

これにはいくつかのきっかけがあるが、中でも大きいのが、昨年『部屋を活かせば人生が変わる』という本を出したとき、その紹介動画を作ってYouTubeにアップしたことだ。

書籍『部屋を活かせば人生が変わる』PV - YouTube

『部屋を活かせば人生が変わる』 - Amazon

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ぼくはコミュ障だった

ぼくはコミュ障だった

先日、知り合いから「私も岩崎さんのようにコミュニケーションが上手ければ――」と言われ、びっくりした。その人は、ぼくのことを「コミュニケーション能力が高い」と見ていたのだ。そのことが驚きだった。
なぜなら、ぼくは自分のコミュニケーション能力が高いなどと思ったことがなかったからだ。ぼくはコミュ障だった。そしてそれを、ずっとコンプレックスに思っていた。

ぼくが自分のコミュ障を意識しはじめたのは、中学生

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