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ランニング日和

午前7時起床。

軽めの洗顔、コンタクトを入れる。
熱いシャワーを浴びて目を覚ます。

風呂上がり、軽く髪を整える。

前日から決めておいた服に身を包み外出準備は完了。

外行きの格好のまま、コーヒーを淹れる。

コーヒーが入るのを待つ間、お気に入りの音楽に耳を傾けながら、コーヒーカップにコーヒーが注がれていくのをじっと見つめる。
これから始まる慌ただしい1日、今くらい効率を考えず、ぼんやりと注がれるコーヒーを眺めていても良いだろう。

コーヒーを持って座椅子に座る。
今日のやるべきこと、やりたいことを頭の中に思い浮かべる。
やるべきことをやり遂げて、やりたいことを心から楽しむ1日にできるだろうか。
12時間後に明かりを取り戻すこの部屋で、僕はいい一日だったと、満足感と勲章としての疲れを抱いて安らかに眠れるだろうか。
安らかに眠れたらいいなあ。
そう願いながらコーヒーをぐっと飲み干して立ち上がる。

リュックを背負って、暖房を消す。

リビングの明かりを消して、玄関で靴を履く。

ドアを開ける。
ポカポカとした陽気とやや冷たい風の入り交じった春の気候が少し、部屋に入り込む。

いい一日になりそうだ。
今日という日の充実を願いながら、僕はいつも通り鍵を掛けずに部屋を出た。


起床。

頬に照りつける陽射しの強さが、午前中のそれでは無いことを直感的に分からしめる。

11時か。12時か。

願うような気持ちでスマホに手を伸ばす。

13時。死にたい。

いい夢を見ていただけに、現実が痛くて痛い。

フラフラと起きてシャワーを浴びる。
洗顔はパスだ。

適当に髪を乾かして、昨日着ていた服を着る。

昨日のままのリュックを背負いドアを開ける。
眩しいし寒いし普通に鬱陶しい金玉みたいな気候である。

今日は午前中の負債を取り返すように生きていく。
やり切ってプラマイゼロ。
1日の終わりに得られない達成感と募る疲労感。

せめて急いで、走って、今日という1日を生きていこう。疲れないと寝れない。

死にたい気分になったので生き急ぐ今日を生きる。今日はランニング日和である。

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