59 虫が出ても、ひとり

am3:40、シャラシャラ・・・不思議な音がすると思って目を覚ますと、スタンド照明のフードの中で、蛾よりしっかりした何かが暴れていた。2日前に部屋に現れ、いったん落ち着こうとトイレに行った間にいつのまにか消えていたヤツだ。

こ・・・怖がるな、考えろ・・・

まずフードに端を破いた封筒を被せて後退の道を塞ぎ(手術後の犬みたいな)、窓をうすーく開けてフード&封筒を挟む。都城の冷気が一気に流れ込むが、気にしない。だって私は今、負けられない戦いをしている。

・・・な、何故飛ばない!さっきまで暴れてただろう!

こうなれば・・・玄関に行き、デフューザーのスティックを一本とる。部屋に戻り、意を決してスティックを隙間に差し込んだ。気持ち悪い!寒い!眠い!すると、ヤツがボテッと窓の外に落ちたので、慌てて窓を閉める。慌てすぎて足がついてこず、フローリングで少し滑った。なんて情けないんだ。で、でも・・・勝ったぞーーーーー!!

ひとり暮らしってのは、こういう哀しさを持っている。

指先からアロマの香りをさせながら、すっかり冷えてしまったベッドで眠りについた。

冬ですね。

サポートは、次の記事を書く糧となります。是非とも……!