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いわきりなおとの国宝漫遊記&トーハク見聞録

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共同通信加盟新聞にて連載中の「いわきりなおとの国宝漫遊記」「トーハク見聞録」の過去記事置き場です。掲載新聞は、秋田魁新報、新潟日報、静岡新報、上毛新聞、神戸新聞、中國新聞、山陰中…
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2017年7月の記事一覧

いわきりなおとの国宝漫遊記 第3回「金印」の巻

歴史のロマン伝える輝き 金印(漢委奴国王印)  福岡市美術館蔵  漫画家いわきりなおとさんが、教科書でもおなじみである純金製の国宝「金印(漢委奴国王印)」(福岡市博物館蔵)を紹介します。    ×  ×   金印は江戸時代の1784年、志賀島(現在の福岡市東区)で、農作業中のじんべえさんによって偶然発見されました。 この時田んぼを耕していなかったら、いまだに地中に埋もれたまま、つまり歴史に埋もれたままだったことでしょう。  印面には「漢委奴国王」の5文字が刻まれていま

いわきりなおとの国宝漫遊記 第2回「志野茶わん銘卯花墻(うのはながき)」の巻

◉手のひらの中の宇宙   漫画家いわきりなおとさんが、東京国立博物館で6月4日まで開催中の特別展「茶の湯」で展示している、国宝「志野茶わん 銘卯花墻」(三井記念美術館蔵)を紹介します。 (※「茶の湯」展はすでに終了しています) 織田信長や豊臣秀吉、明智光秀など、戦国時代から江戸時代の大名や武家の間では立派な茶わんを持ち、部屋を飾るのが最大のステータスでした。 現代のビジネスマンが高級スーツやブランド時計を身につけ、できるオトナを演出するのと同じですね 井戸茶わん、楽

いわきりなおとの国宝漫遊記 第一回「国宝風神雷神図屏風」の巻

**◎琳派はオシャレな作風「風神雷神図」京都・建仁寺所蔵**  日本各地には千件以上の国宝がある。これまでに約600件の国宝美術を鑑賞してきた漫画家のいわきりなおとさんと、国宝をめぐる旅に出よう!    ×   ×  京都市東山区の建仁寺が所蔵する国宝の「風神雷神図屏風」は、17世紀前半に絵師俵屋宗達の作品です。風神雷神図の良さはズバリ、「構図がかっこいい」ということです。  向かって左側の雷神と右側の風神が、それぞれ画面からはみ出すように描かれています。中央に