初夏の淡い夕暮れを黒い猫が見ている。
ゆっくりと闇が満ちかわりに各所の明りが灯る。
闇と猫がにじんで輪郭があいまいになっても
まだじっと窓の外を見ている。
黒い身体を溶けるにまかせている。
そうして何事かを諦めたのだ。

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