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【第2弾】どついたるねん 『WILD&CRAZY大全』 冷牟田敬インタビュー

ー今回のアルバムはどうやって作っていったんでしょうか?


「CD-Rは何枚か出していて、曲はしょっちゅう作ってたんですよ。曲がかなり溜まってて。それを前いたレーベルからずっと出そうと思ってたんだけど、なかなかOKが出ないので」


ーキングレコードですね


「今年になったくらいでワトソンたちが『ダディ』の10周年もあるから、それに合わせて自分たちで出そうってことでレーベルも離れて。とにかく溜まってる物を皆出したかったんだと思います」


ー冷牟田くんは今回の選曲はどう思いましたか?


「はるお君の選曲が客観的でバランスも取れてて、凄く良かったと思う」


ーレコーディング前に曲のアレンジは仕上がってたんでしょうか?


「いや、完璧に仕上がってもなかったかな。どつは一度出来た曲でも何度もやり直したり、限界まで良くしようとするから、そうするとアレンジが長引いて。レコーディングまで時間があったら、もっと違うアレンジになっていったかもしれない」


ーレコーディングの日が決まってたから、その日までのマックスを作って録音していったと?


「うん。あとバンドに入って分かったけど、俺が今まで参加してきたどのバンドよりもアレンジをしっかりやるから、こんなに詰めるバンド入ったことない。それがびっくりしたかな。めちゃめちゃ真面目」


ーこれでいいんじゃないか、というのは?


「ないね。特にメインの3人は常に曲をもっと良くしようという気持ちが強いと思う」


ー冷牟田くんは一筆書きのようにギターのアレンジを決めていくタイプじゃないですか?


「そうだね」


ーそこから細かく詰めていく作業はどうでしたか?


「大変だった。パッとやってハマる曲も多いんだけどね。今回はうーちゃんがギター弾きたい気持ちも強かったから、ツインギターのアレンジには時間かけました。ギターソロはアルバム全体で2人とも同じ位の割合で弾いてると思う」


ーふたりで合わせて作っていくんですか?


「いや、ワトソンがジャッジを下すから、いい感じかどうかを」


ー一番ギターのアレンジがかかった曲は?


「『星によろしく!』とか『太陽のチョモランマトマト麺』とかは、最初に俺もうーちゃんも好きに弾いてたんだけど、それだとガシャガシャしちゃって、歌とぶつかっちゃって」


ー冷牟田くんのギターが強すぎるんだね


「例えば今まで昆虫キッズとかmtvBANDとかさ、高橋君も豊田さんもこだわりは強い人だけど、アレンジはそんなに詰めなかったから。みんなで瞬発力で演奏してパッと作る感じで終わる事が多かった。それに比べてどつは良い意味で真面目だからアレンジ詰めるし、聴く人に分かりやすく届けようという意識が強いと思う。それはフロントのワトソンがボーカリストだからそうなるのかもね。楽器を弾かない分、曲を客観的にジャッジするっていうか」


ー最初からワトソンは冷牟田くんのギターについて何か言ってましたか?


「うーん、最初は俺だけがギター弾いてたから何も言わなかったけど、うーちゃんがギターを弾きたい欲があったんだよね。それでツインギターのアレンジを詰めていくようになった。最終的にはふたりのギターが歩み寄った感じで、ギターの感じも面白いアルバムになったかな。カラーの違うギターがそれぞれ気持ち良く鳴ってるから、そこも聴いてもらうと面白いかな」

冷牟田2

ー遡ると、冷牟田くんが入ったのはいつ頃ですか?


「(吉澤)幸男くんが他のバンドに誘われてどつを出来なくなって。その前に幸男くんが体調を崩した時に、直前で連絡がきてライブに出たことがあって、スカートのFEVERのイベントかな(2019年12月18日新代田FEVERで行われたスカートの自主企画イベント『Town Feeling』)。それでサポートで弾いた後に、ワトソンとうーちゃんに呼び出されて、話をして、入ることになったのかな」


ーじゃあ1年半ですね


「でもサポートで弾く前に、キネマ倶楽部のライブに向けて色んな人とコラボするってことをどつがやってて、先輩のもんじゃ焼きとギターノイズでコラボしたんですよ」


ーもんじゃ焼き?


「先輩がもんじゃ焼き食いながらラップして、俺がギターノイズを重ねていくみたいな。お客さんを5人くらい呼んで」


ーわけわかんないイベントですね(笑)。冷牟田くんから見て、今のバンドメンバーはどうですか?


「俺が入った段階では、全員集まるとちょっとストイックなバンド感が強かったから、中和剤としてもつお君みたいなのが必要だった気がする。キーボードのセナ君とダンサーのもつお君が入ったことでバンドが完成したっていう感じはある」


ー冷牟田くんとしてももつおは必要なんだ


「サックスを吹いてたりしてて、それがいい感じだった。あと癒し役だよね(笑)」


ーこの一年はライブがなかなか出来ない状況ですけど、冷牟田君はどんなことを思ってたんですか?


「しょっちゅうスタジオに入って曲作りはしてたけど、元々ハイペース過ぎるバンド活動だと性に合わない所はあるし、問題は無かった。ただ他のメンバーはフラストレーションが溜まってただろうね」


ーライブがないと新曲を発表する機会もないので、ひたすら曲を作り続けるのはフラストレーションが溜まりますね


「バンドを生き物だと考えると、良くないんだろうね。溜まって、澱んじゃうっていうかね。ソロの人は10年休んでも、やりたい事があれば澱んだりしないと思うけど、バンドって何かのはずみでダメになったりするから、バンドの新陳代謝をし続けるっていう意味で、アルバムを出したいっていうのは強かったんだろうね」


ー冷牟田くんも長いことバンドやってきて、バンドって何なのか色々思うこともあるんだね


「どつって、めちゃくちゃ続ける努力をしてきたんだなって。こんなにメンバーが変わってもやり続けるバンドってあんまりないよね。ここまで変わるって。逆に、変わったから続けられたのかな。今のメンバーでどこまでやれるかわからないけど」


ー完成形じゃないの?


「完成したから、あと10年やってもおかしくない感じはする(笑)」


ー良かったね、冷牟田くん、どつがあって


「それはね、めちゃめちゃそう思う。俺は性格的にこういう奴だから、全然人と関わらないで、自分に聴かせるソロだけをやり続ける人間になってたかもしれない。けどこうやって必要としてくれてね、世の中と関われる接点が残るっていうのは、やっぱありがたい。昔のバンドもそうだけど、何かしら必要としてくれる人がいるのは恵まれてるなと思いました」


ーどつにとっても冷牟田くんが必要だったんじゃないですかね


「そのバランスがバンドだね。足りないものを補い合うっていうか」



2021年5月19日 渋谷にて

冷牟田3

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どついたるねん
『WILD&CRAZY大全』
発売:2021年6月8日(火)
品番:TTR-07
価格:¥2,200(税抜価格¥2,000)
収録曲
1、INTRO:ゴリ草物語
2、宇宙 椎名町 おばあちゃん
3、IQ7
4、MASK
5、セニョリータ
6、太陽のチョモランマトマト麺
7、パーティーが足りてない
8、SKIT:松井のツボ
9、ボサ猫
10、チーズケーキ
11、ラブパワー
12、グラッチェ〜心のマッチョマン〜
13、温故知新
14、星によろしく!
15、塾
16、OUTRO:おしっここぼしたのダレ〜?


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