マンガの中の少女マンガ/家(17):近作の読み切り少女マンガ家ものメモ

 本格的に書こうとするとなかなか更新できないのでクリップする感覚で最近見かけた「少女マンガ家」キャラが出てきた読み切りをあげておく。

森本くるり「めざせ!まんが家わんたろちゃん」(『りぼん』2023年8月号)
 主人公わんたろはマンガ家志望の…犬!!という8ページのショートギャグ。
 わんたろの投稿先は『りぼん』、そしてその憧れのマンガ家・胡桃坂(その正体はわんたろの飼い主の通う学校のパッと見ガラ悪そうな先輩男子)も『りぼん』作家。「少女マンガ家」ということばは出てこないが、さしあたり少女マンガ家ものに数えてよいだろう。

わんたろかわいい  

*shion「神絵師ミケランジェロ 漫画家アシスタントになる」(『花とゆめ』2023年18号)

 作者のshionは『花とゆめ』の電子版少年マンガ増刊『少年ハナトユメ』に「漢のわからせレシピ』を発表していた玲藤みかんの別名義。
 内容はもうタイトルそのままで、女子高生で少女マンガ家を目指す主人公・梓が明日に締め切りが迫った投稿作を仕上げるためにネットで見つけて依頼したアシスタントがあのミケランジェロだった!というギャグマンガ。20ページ。
 ほどよいミケランジェロ豆知識が得られる。

このあとドアを開けるとミケランジェロが来ます。

*海牛りゅうせい「漫画部の多羽先輩には彼女がいる」(『花とゆめ』2018年19号)

 作者の海牛りゅうせいは『少年ハナトユメ』で「月にすっぽん」という読み切りを発表しているが「花ゆめ」本誌は今作がデビュー。

 賞金目当てでマンガを描こうと漫画部に入部した主人公・ここ。脚本家志望で受験生ながら部活に顔を出しているまるで少女マンガのヒーローみたいな先輩にひとめぼれ。次第に仲良くなるが、先輩には彼女がいるとわかって…。少女マンガみたいにうまくいく恋ばかりじゃないんだという葛藤から、定番をはずした奇をてらった作品ばかり描くようになるが、自分の葛藤を素直に作品にこめることで一皮剥けるという展開が面白い。淡白な感じの主人公の気持ちがだんだんと掘り下げられていくのもよい。
 主人公は元来は少年マンガしか読んでいなかったという設定もあり、少女マンガというジャンルについての言及があるのもよい。44ページ。

Tシャツには「締め切り」!大事です。

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