【お仕事告知】美術手帖ウェブサイトにて梶本レイカ論公開

タイトル通りです。

 梶本レイカについては、私も『コオリオニ』で出会ったクチなのですが、稲葉事件に題材をとったこの作品以上に、その後に読んだ『高3限定』に強烈なインパクトを受けました。幻惑的な語りと強烈なグロテスクさは、スプラッタパンク小説をさせるもので、本文ではポピー・Z・ブライトの名前を挙げましたが、日本の作家であれば、たとえば牧野修が好きだったり、もっと直接な鬼畜ぶりでいえば、友成純一や平山夢明が好きなひとなんかは見逃せないような気がします。90年代末から2000年代前半にそのあたりの小説を好き好んで読んでいた身なので、そういう思い入れを込めつつ、自分なりのキャラクター論のやり方で論じています。

 本文中でははっきりと言及しませんでしたが、『高3限定』を書くきっかけとなった実際の事件というのは女子高生コンクリ詰め殺人事件のことだと思われ、ああした無残で陰惨な事件の被害者に虚構によって何らかの救いを与えたいという希いが、ああいう奇怪としかいいようのない物語に昇華され、しかもそこには言い知れない切実さがある、というところに梶本レイカ作品の業の深さを感じる次第です。

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