初フェス
初めてフェスなるものに参加してみた。
「これ、行ってみない?」
という妻の誘いに
「んあ~(肯定の意)」
と適当に返事をしていたが
@横浜赤レンガ倉庫、12時-21時、¥11,000
という遠出・拘束時間・金額。
3日前に電子チケットが送られて来た時、
早くも後悔した。遠い。長い。高い。
よく検討してから返事をすれば良かった。
まぁ、回答は変わらないのだろうけれど。
しかし、いくらなんでも、
知っているアーティストもいる。
そうでなければ固辞していただろう。
謹んで参加を辞退させていただいて
いただろう。
誰が全く知らないアーティストたちが
やんややんやするフェスに行くというのか。
電気グルーヴ、YONA YONA WEEKENDERS、
ウルフルズ、RHYMESTER……
そして一番のビッグネーム
「m-flo」
この人であろう。
そもそもフェスやライブが全然好きではなく、
家でのんびり音楽聞いていたり、
市民ホールレベルの会場で聞くことを
良しとする僕ですが、生で歌声を聞いてみたい
人も数人いる。その中の一人
「VERBAL」
齢49歳。スーパーラップおじさん。
会社員なら重要なポストに就き始める頃だ。
しかしこのおじさん、20代のころと変わらず
とんでもないラップを所かまわず乱射している。
初めてm-floを聞いたのは確か14歳の時。
家族共有のパソコンでiTunesに入っていた。
おそらく兄が入れたのだろう。
そして名曲「come again」と邂逅する。
bump、ミスチル、ポルノ、スピッツといった
純J-popに浸されていたその時の僕はまず、
「RIP SLYME」という異文化に触れる。
友人の宮澤君と
「やっぱPESの声が良いよね」
「RYO-Zが一番ラップ上手い」
「イルマリはイケメンすぎる」
などと平和な会話を繰り広げていた。
そして数日後、m-floなる集団のアルバムが
追加されているのを見て、
どらどら、いっちょ聞いてみますか…
という気軽な気持ちで「come again」を再生。
刹那、煌めきが耳から飛び込んでくる。
LISAの甘くエエ感じの声。
夜の街を思い起こさせるメロディと歌詞。
フロアー、DJ、回し続けて、
といった言葉が次々と繰り広げられる。
何一つ意味は分からないけど、とりあえず
大人が夜をちょい切なめにスムースに
ええ感じに流しているんだろうな…
という印象を受けた。
ほほー、m-floなかなかいいじゃんか…
なんて思ったのもつかの間、
始まるVERBALのラップ。
これを聞いて僕は
??????
となった。
何一つ、聞き取れない。
この人は何を言っているのだ。
ところどころで
ホゥ! アォ! イェ!
と言っていることだけわかる。
それ以外はわからない。
そもそも、日本語を使っているのか?
かろうじて英語を使っていることはわかるが、
逆に日本語を話しているのかわからない。
卓抜すぎる。あまりにそのスキルが、卓抜すぎる。
RYO-Zなんて目じゃない。あれは言葉が聞こえた。
これは言葉かどうかもわからない。
とにかくよくわからんが、
ヤバイということだけはわかる。
何がヤバイのか、それはわからないが、
とにかくヤバイ。
VERBALがヤバイ。
服装もヤバイ。
歌詞カードを読んでみてもわからない。
そんなことがあるのか?
およそ人間の限界と思えるような早口と
脈略の無い言葉の連呼である。
その言葉の海に14歳の僕はなすすべなく
おぼれていった…。
そして30歳、横浜の夜、照らされたステージに
m-floは現れた。LISA,VERBAL,☆TAK。
始まる「come again」
VERBALはあまりにVERBALだった。
14歳のころ聞いていたあの時のそのまま。
LISAは少し太っていた。☆TAKも。
でも、VERBAKはVERBALのまま。
相変わらずの謎サングラスと短ランみたいな
ジャケットを羽織ってドヤ顔してる。
そして手を並行にシャカシャカさせたり
妙なステップを踏んだりしながら、
「bring to ahsfe@!! 直to as thjhueghu!!!!!」
といったような謎の言葉をひたすらに連打。
連打に次ぐ連打。息も切らさず連打。
「asdyu周波数~!! inbawrygryhr術!!」
「csahauスニーカの素zlya ewhuh皮upurbia!!!」
すごい。
すごいおじさんだ。
今でも言葉の9割はわからない。
たまに「パーリィピーポォ!!」「YOKOHAMA!!!」
といったギリギリ聞き取れるワードが挟まる。
それを聞くたびなんとなく盛り上がる。
会場のボルテージは上がり続ける。
その後、m-floのfeaturing乞食としての
一面を存分に活かし、
YOSHIKA,chelmico,krystal kayなど
ゲストを存分に読んで、会場を沸かせた。
なお、沸かせすぎて時間をオーバーし、
1曲やらないでヌルっと終わった…。
嗚呼,m-flo…
生VERBAL…
聞けて良かった…。
望むなら今度はm-floではなくVERBALの
ラップソロライブを聞きたい。
そんなものが存在すればの話だが。
ありがとう…VERVAL…。
なお、一番僕が良かったと感じた
「SOIL & "PIMP" sessions」という
謎のイケイケジャズおじさん集団です。
総じておじさんだらけのフェスでしたが、
とても良かったので満足です。
まぁ次回誘われたら、断るんですけど。
ps.水戸で藁に入った納豆を食べましたが、
納豆の味はどこまでいっても納豆でした。