ドレナージカテーテルのキンク

ドレナージカテーテルを留置した後、ドレナージ中にカテーテルがキンク(折れ曲がりや、ねじれ)してしまい、ドレナージ効果が不良となることがある。

なお、ドレナージカテーテルからの排液量が減少する場合には、膿瘍等の縮小の他、カテーテルキンクの可能性を必ず考慮しなければならない。

カテーテルがキンクした場合で、ドレナージ継続が必要な時は、①同じ材質でも、カテーテルサイズが大きいとキンクしにくくなるので、サイズが大きいカテーテルに交換する。②キンクしにくい材質のカテーテルに交換する。      のいずれかで対処することが多い。

通常は、カテーテル交換はガイドワイヤーを用いて容易に施行できる。

しかし、キンクが強い場合にはガイドワイヤーが通らないことがある。カテーテルを引っ張ったりねじったりして、キンクを軽減・解除してガイドワイヤーを挿入することとなる。

この際、カテーテルを引っ張りすぎると、カテーテル先端が膿瘍腔から逸脱してしまう危険があるので、要注意である。

そこで、ドレナージカテーテル留置時に、カテーテルを膿瘍内に十分深く入れておくと良い。キンクを解除するためにカテーテルを多少引いても膿瘍から逸脱する危険性が減少するからである。

ただし、カテーテルを膿瘍内に深く入れることは、そのこと自体でカテーテルが膿瘍内でキンクする原因になりうるので、注意が必要である。また、カテーテルによる周囲臓器・組織の圧迫にも注意。


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