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腎瘻の出口変更

腎瘻カテーテルは通常は背中から体表に出ている。このため、腎瘻留置中の患者さんは安楽に仰向けになることができない。内瘻化してバッグフリーとしても、ほぼ同様と思われる。

尿管ステントにしてしまえば良いのだが、全例がその適応となるわけではない。

そこで、カテーテルが背中から出ていることによる不便さを少しでも軽減する方法として腎瘻カテーテル出口の位置変更がある。

側腹壁ないし前腹壁に新しいカテーテル刺入口を作成し、皮下トンネルを介して旧刺入口から出ているカテーテルを新しい刺入口に誘導するのである。

そうすれば、安楽に仰向けになることができるし、寝返りもかなり楽にできるようになる。

カテーテル交換の際に出口変更を行えば、患者さんの負担も少ない。

皮膚刺入口~腎実質刺入部~カテーテル先端までの経路が長くなり、かつ経路の屈曲が増えるため、カテーテル交換時の困難性がやや増すのが欠点といえる。ただし、術者にとっての困難性に過ぎないのであるから、十分に許容される。



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