胸腔トロッカー太すぎないか?

胸腔ドレナージ中の患者さんに、胸腔用トロッカーチューブが留置されているのをよく見る。

16F前後の太さのものが多用されているように見受けられる。16Fとは通常のIVRではあまり用いない、大径である。

しかも、多用されている胸腔トロッカーチューブは硬い。大径なのでドレナージ効果は高いのだろうが、刺入部に与える刺激や胸腔内での脈管・臓器圧迫はかなり強いと予想される。ドレナージ中に、チューブが偏位して胸腔内の太い血管に不要な圧迫がかかることにならないかも心配になる。

筆者は、胸腔ドレナージの際には、8F前後の太さのカテーテルを留置する。気胸のドレナージの場合にはこれだけで十分である。

膿胸の場合で、よほど膿が粘ちょうでドレナージ効果が不良な場合には、後日に太いカテーテルに交換すれば良い。

持続吸引器と接続できるコネクターもあるので、問題ない。

カテーテルの材質も、柔らかいものを選べば、胸腔内の脈管や臓器にも優しい。ただし、柔らかいカテーテルはキンクし易いので注意が必要である。

留置方法はセルジンガー法でもトロッカー法でも良いが、最初からカテーテルを深部に送り込みたい時は、セルジンガー法で行い、ガイドワイヤーを用いてカテーテルを目的部位に留置する。

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