見出し画像

国際都市・地域間協力事業(IURC)について

国際都市・地域間協力事業(IURC)は、欧州連合(EU)が主導するプロジェクトです。持続可能な都市開発とイノベーションに関する都市・地域都市間の協力を進めるため、EU都市とその他地域の都市の学び合いなどを支援しています。この記事では、IURCの活動についてご紹介していきます。

1. IURCとは?

国際都市地域間協力事業(International Urban and Regional Cooperation, IURC)は、欧州連合(EU)が2021年1月に開始した、欧州と日本を含む世界各国の都市・地域が参加する都市・地域の交流・協力事業です。IURCは、2017~2020年の4年間で実施した「国際都市間協力(International Urban Cooperation, IUC)を継続発展させたもので、実施期間は2021年から2023年までの3年間を予定しています。

2. プロジェクトの背景

EUは、2015年に、欧州の都市と世界各国の都市がペアを組んで都市の諸課題に取り組む「世界都市(World Cities)プログラム」を開始しました。2015~2016年には、日本の4都市(北九州市、熊本市、富山市、下川町)が同プログラムに参加しました。2017~2020年には、これをさらに発展させたIUCが実施され、日本からは10都市(横浜市、郡山市、弘前市、一宮市、生駒市、所沢市、豊田市、鎌倉市、神戸市、長野市と小布施町の連合)が参加しました。これらの都市は、交流相手となる欧州都市と交流テーマを決め、相互訪問による現地視察や共通課題の解決に向けた意見交換などの交流を行いました。IURCはこの活動を引き継ぎ、さらに発展させるものです。

なお、2013年に欧州委員会地域・都市政策総局と日本の国土交通省都市局が、EUと日本の都市政策対話に関する基本合意書に署名しており、本プロジェクトはこの協力枠組みを土台として実施されます(※2021年5月、基本合意書を更新。国土交通省国土政策局も基本合意書への署名に追加)。

3. IURCアジア・オーストラレーシア

IURCは、アジア・オーストラレーシア、中国、北米、南米の4地域で実施されます。このうち、日本は、IURCアジア・オーストラレーシア(IURC Asia Australasia、以下「IURC AA」)の枠組みのもと活動します。IURC AA の参加国は、以下の計9ケ国です。日本とインド以外は全て、IURCからの新規参加国です。
① 日本(IUC-Japan の活動を引き継ぎます)
② インド(IUC-India の活動を引き継ぎます)
③ ASEAN内の4ケ国(タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム)
④ オーストラリア及びニュージーランド
⑤ 韓国

4. IURCの日本での活動(2つの柱)

IURCの活動は、①EU都市とEU以外の都市が1対1のペアを組んで行う「都市間協力」(city-to-city cooperation)と、②複数の都市が「テーマ別ネットワーク」(thematic network)を組み、ウエビナーやワークショップなどを通じて交流する「クラスター活動」(cluster activities)で構成されます。各クラスターには、少なくとも1つのEU都市が参加します。

4.1 EU都市と日本都市間での都市間協力

EU都市と日本の都市の間で合意したテーマ・トピックに沿って、人的交流、情報交流を通じて相互に学び合います。IURCでは、10つの都市ペア(10のEU都市、10の日本の都市)が活動することとなっています。10ペアのうち、約半数はIUC(第一期)に参加したペアが引き続き、協力を充実・発展させ、残り約半数が新規に協力活動を実施する予定になっています。

都市間協力の中心的な活動は、日本とEU都市との相互訪問(スタディツアー)と対面会議です。日本の都市がEU都市を、また、EU都市が日本の都市をそれぞれ訪問し、協力テーマに関連する視察や地元関係者との情報交換・協議などを行います。スタディツアーでは、2つの日本都市がグループを組み、2つのEU都市を訪問することを計画しています。EU都市の来日においても同様です。IUC では1対1での相互訪問でしたが、このように訪問先を拡大することで、より幅広い交流を可能にします。

交流活動の分野は非常に幅が広く、特に制限はありませんが、EUの政策プライオリティが重視されます。下の4.2 に記載するクラスター活動分野、EUの都市政策重点分野(EU Urban Agenda)、2015年9月の国連総会で採択された持続可能な開発目標(SDGs)、2015年12月に採択された気候変動対策に関するパリ協定の実施、2016年12月の国連HABITAT総会で採択されたニューアーバンアジェンダに掲げる分野などがあげられます。

2021年は、新型コロナウィルス感染症の影響を考慮し、新しくIURCの都市間協力に参加される都市には、次に説明する「クラスター活動」等を通じて協力相手となるEU都市を探していただき、2022年からスタディツアーなどを通じた交流を行っていただきます。スタディツアーの実施時期は以下を想定しています。

・2022年春ごろ、EU都市の来日(日本都市へのスタディツアーと現地会議)
・2022年秋ごろ、日本都市の訪欧(EU都市へのスタディツアーと現地会議)

4.2 クラスター活動

クラスター活動では、複数の都市がテーマ別にネットワークを組んで、ウェビナーやワークショップなどを通じて交流します。IURCでは、以下の3つの大テーマが示されています。参加希望表明した都市の関心分野・テーマを調査した上で、テーマを設定し、参加する都市を決定します。このクラスターには、EU、日本以外のアジア・オーストラレーシア諸国からの参加も見込まれます。クラスター活動に参加される都市には、ウェビナーなどでの発表を通じた取り組みの紹介をお願いすることもあります。

A) エコ変革とグリーン・ディール(Ecological Transition & Green Deal )・・・循環経済、自然を基盤として解決策、持続可能な都市農業、建築物のエネルギー効率(リノベーションウエーブ)など
B) 都市・地域の再生と都市の貧困(Urban and regional Renewal & Urban poverty)・・・都市の政策課題と都市計画、交通、貧困、住宅、社会連帯など
C) 革新的で持続可能かつカーボンニュートラルな生態系及び戦略的課題分野(Innovative sustainable & carbon neutral ecosystems and strategic sectors)・・・観光と文化、健康、ライフサイエンス、教育、職業訓練など

「クラスター活動」への参加は、関心表明した都市の希望により受け付けます。クラスター活動への参加を通して、具体的なテーマについてより深い交流を行うEU都市を探し、都市間協力につなげることが出来ます。また、クラスター活動への参加だけを選ぶことも出来ます。

クラスターに参加する都市数は、1つのクラスターについて10~20都市程度が想定されています。IUCからの継続で都市間協力に参加する都市も、2021年はクラスター活動に参加をお願いします。なお、2022年以降もクラスター活動は継続されます。都市間協力とクラスター活動の両方に参加することも可能です。

5. IURCの活動の参加要件

参加都市は、以下の要件を満たしている必要があります。
 ・ 欧州都市との交流について組織的な参画と支援が得られること
(EU都市の来訪時には、市長等の幹部による応接・面会等が期待されます。)
・ 人口が概ね10万人以上であること。

下の記事では、IURCに参加するメリット、参加都市に求められることを説明していますので、ぜひご覧ください。

IURC参加自治体を募集中です。