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第1回スポーツ医学企画 総論

昨年4月から始まったスポーツ医学部門の活動をより多くの人に知ってもらうために、活動内容を投稿していこうと思う。

活動内容を忘れないように、そして誰か同じようにスポーツ医学を学びたい人の参考になればこれより嬉しいことはない。

第1回活動内容

プライマリケア・スポーツ医学とは何か?(総論)

講師として
安房地域医療センター 総合診療科 濱井彩乃先生
順天堂大学総合診療科 上村公介先生
にプライマリケア・スポーツ医学とはどんなものであるのか、どのような人を対象に診ているのかなどをお話ししていただいた。

プライマリケア×スポーツ医学

まず、ここで。
「プライマリケアって何?」と思った人はいないだろうか?
プライマリケアを提供する先生方は主に総合診療医、家庭医と呼ばれる先生方である。
もちろん他の診療科の先生方にもプライマリケアと提供されている方は沢山いらっしゃるが今回は総合診療科の先生に注目したい。
総合診療科はものすごく簡単に説明すると、「ドクターG」のような先生であると思う。
様々な年齢、疾患を持つ患者さんを診る。そして、多くの人が罹りやすい疾患を、全身どこであるかに関わらず診ることを得意とする診療科である。また、病院にいるだけでなく地域に繰り出し、地域に寄り添う先生方もたくさんいらっしゃる。

総合診療科についてもっと知りたくなった方はこちらのリンクを参照していただきたい。
濱井彩乃先生がレクチャー中に紹介して下さったYouTubeで、プライマリケア・スポーツ医を学ぶ前に見ておくと理解がよりしやすくなると思う。


スポーツ医学って整形外科じゃないの?

スポーツ医学→整形外科のイメージが強いかもしれないが、
実は整形外科だけじゃない
整形外科の領域ももちろんあるが、それだけでなく内科の領域に入る疾患もよく起こるのがスポーツの現場である。

では実際にはどのような疾患があるのだろうか?
よくある相談の中には
腰痛や骨折などの筋骨格系の疾患も多いが、
貧血、喘息や、ドーピング検査の対応、メンタルの相談まで多岐にわたる。
また、その場限りのサポートでは終わらず、行くにはハードルの高い病院への受診のきっかけにもなることが出来る。

そして、これらの疾患を幅広く診ることは、家庭医をされている先生方にとって、いつも見ている疾患であるため自信をもって診療することができ、またそれにより選手からの信頼も得やすいと感じられるそうだ。


ここで少し話題は変わるが

皆さんはスポーツ・運動をやっていますか?
また、やっている方は1週間の運動時間はどのくらいですか?
ちょっと頭の中に思い浮かべてみてほしい。

なぜ運動は体に良いと言われているのだろうか?
そして、もし家族に運動をしたほうがいいよ!と言いたい時に、なぜ良いかの理由まで一緒に話せる人は少ないのではないだろうか?(もちろん私もいえなかった笑)

運動は健康にどんなメリットがあるだろう?

運動することで得られるメリットとしては
・死亡が減る
・病気が減る
・症状が良くなる
・様々な検査での数値が改善する
などが挙げられる。
このように、運動すると色々ないいことがあることがわかる!

けれども、普段の生活に運動を組み込むのが難しい人はいないだろうか?
また、運動をやり過ぎるとケガや病気になることもある。
他にも、病気持ちの人は運動するには注意が必要な人もいる。
どうやって運動をみんなに勧めれば良いのだろうか?
これらに対応出来るのが、スポーツ医学なのである

スポーツ医学が対象とする人はどんな人?

一体スポーツ医学の対象となる人はどんな人なのだろうか?
全国大会や世界大会に出場する強い選手だけなのだろうか?

スポーツを分けて見ると、目標とするパフォーマンス、もともとの健康状態、スポーツの目標などの違いから、競技スポーツと健康スポーツ(生涯スポーツ)に分けられる。
そして、スポーツ医学が対象とするのは、競技スポーツの人だけではなく、健康スポーツ(生涯スポーツ)を行う人まですべての人である。

また、個人の中でも様々な段階でスポーツ医学が介入できる点は多くある。
思春期では、成長期に伴う過度な運動によるスポーツ障害
妊産婦の時期の状態も、のちの赤ちゃんの発達にかかわる可能性もあると言われており、妊産婦の運動も介入できる。
そして中年期から高齢期では、フレイル、ロコモティブシンドローム、サルコペニアにならないような運動が重要となってくる。

そして、対象となるのは個人だけではなく、チームや地域など広い範囲も対象となるのだ。
個人では、前述したようなスポーツ障害や、他にも障害者スポーツなども挙げられる。
集団として、家族や、チーム、学校など少し大きな範囲では、アンチ・ドーピングへの対応や学校医活動、予防医学が挙げられる。
文化として、国や地域では、大会救護や健康増進プログラムの運営などが挙げられる。

これらの点は、全ての年代の人を対象とし、個人だけでなく地域にまで目を向ける家庭医、総合診療医と深く通じる点でもある。


ここまで先生方がしてくださった講義をかいつまんで書いてみたが、プライマリケア・スポーツ医学に少しでも興味を持ってくれた方が増えればとても嬉しい。
プライマリケア・スポーツ医学はすごく面白い。だけれども、まだ日本にはきっとなじみのない方が多いだろう。
今後も様々な企画をしていき、自分たちが学ばせていただいたプライマリケア・スポーツ医学を皆さんにもお届けできるようにしていけたらと思う。


<あとがき>
1年半以上前の内容を振り返りながら書きましたが、改めて勉強になりました。アウトプットって大事ですね!!
プライマリケア・スポーツ医学、私の好きな要素がばっちり混ざったこの組み合わせをもっといろんな人に知ってもらって、面白い、やりたい!と言ってくれる仲間が増えることを祈っています。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございます!もし何かありましたらコメントいただけると大変喜びます!
今後とも応援よろしくお願いいたします。
吉野 藍

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