4トニックシステムを用いたⅡ-Ⅴフレーズ

今回は4トニックシステムを使用して作ったⅡ-Ⅴフレーズのご紹介と解説です。

こちらの演奏です。


TAB譜は以下になります。2小節目部分がタイトルに書きました4トニックシステムを使用した音列になります。


1小節目はDのドリアンスケールです。

まず1音目のアウフタクト部分はDmのルート音である「レ」をターゲットにクロマチックアプローチで半音下の「ド♯」でスタートします。

クロマチックアプローチは弱拍から強拍へ向かうようにフレーズを組むと自然な響きになります。


3拍目のスキッピング箇所はDmのオープンボイシングトライアドを弾いています。


2小節目はタイトルにも書きました、4トニックシステムを活用したフレーズです。

1拍目はGのトライアド、
2拍目はB♭のトライアド、
3拍目はD♭のトライアド、
4拍目はEのトライアド

をそれぞれオープンボイシングで演奏しています。

4トニックシステムとは、トニックが短3度ずつ転調したり、同時に存在する という考え方です。


例えばKey=Cの場合のトニックは

C=E♭=G♭=A=C

と考えます。


そしてそれぞれのトニックに対してドミナントアプローチをすることが可能です。

G7→C
B♭7→E♭
D♭7→G♭
E7→A

今回は解決先のCに対して、これらのドミナントコードを全てオープントライアドにして詰め込んでみました。


全てを理解した上で、
実際に演奏したりフレーズを作る際は あまり複雑に考えずに、同じコードや短いフレーズを短3度ずつ転調すればいいんだ〜くらいの軽い感じでいいと思います。


ただし、セッションなどのアドリブ演奏で行き当たりばったりでチャレンジして、転調後から元のキーに戻れないと大変なことになるので、ある程度練習をして慣れておく必要はあると思います。


今回は練習としてオルタネイトピッキングで弾ききってみましたが、
2小節目のスキッピングはかなり複雑で難しいのでエコノミーピッキングやハイブリッドピッキングなどに置き換えてみても良いと思います。


今回の4トニックシステムで使った、
GとB♭とD♭とEのコードトーンは、偶然にもGのコンビネーションオブディミニッシュスケール(以下コンディミ)の中に内包される音と共通になりました。

コンディミと4トニックシステムでは応用の仕方は異なってきますが、

このように別々のアプローチの中で 共通点を見つけるたびに音楽理論や技法の勉強って凄く楽しいな〜って思います。

あくまで個人的な感想ですが、同じフレーズを演奏するにしても、そのフレーズの元になるアイデアが違うと
前後のフレーズの繋がりに変化が生じるのは勿論のこと、サウンドを通して表現したいことも変わってくるのではないかと思いますし、そう信じています。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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