新社会人のための投資知識(実践編)

始めに

今の新社会人は気の毒だと思う。就職した途端、「会社は退職金の面倒は見ない、各自で運用して稼げ」と言われる訳である。
新入社員研修の時に1h程の説明をうけ、さぁ運用しろというのは明らかに不親切であろう。それで将来の退職金に1000万円以上の差がつくというのだから堪ったものではない。

この記事は確定拠出型年金(DC)の運用に迫られた新社会人、会社にDCの制度がなく、独自で資産運用を始めたい若者を対象とし、「直近で、ひとまずこうしておけばよい」という指標を示すものである。

より詳しいセオリーや、高齢になった後のスイッチのタイミングなどは、各自勉強されたい。(私も勉強中である。)

やるべき事まとめ



①口座を開設する。積み立てNISAとidecoの取り扱いがあればどこでも良い。
②idecoの申し込みをする。積み立て額は生活に支障の無い範囲で出来るだけ多く。とりあえず米株式のインデックス型を買っておけばよい。
③idecoの上限を越えて投資したい場合、積み立てNISAを検討する。(idecoの枠から埋める)

以下、うんちく

・物価はインフレしていくものである。具体的なメカニズムは省略するが、大正時代の円の価値などを調べてみれば昔からそうだと分かる
→全ての物価が2倍となると、タンス預金あるいはほぼ利息がつかない預金でとっておいたお金の価値は相対的に半減する。
→余剰資産は投資に回して、インフレに負けない備えをする。

・まず債権や不動産でなく株式なのは、下図のように、長期的な価値上昇は株式が圧倒的である。
金は価値は上がるが配当が出ないので、複利の恩恵を受けられない。

https://houbokulife.com/stocks-for-the-longrun/
※参考。最初の図だけ見ればいい。

・投資の利益を考える際は複利の考え方が重要。
金融庁のHPなどで簡単に試算出来るので、試しに1%の違いが30年後にどれだけの差が出るかを確認してみるといい。

金融庁HPより→
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html

・活用する制度の優先順位は 確定拠出型年金(ideco)→積み立てNISA
確定拠出型年金は①積み立てに回した資金への税金②配当など運用益に対する税金③60歳を越えて受けとる際の税金が控除されるので得られる優遇が大きい。まずはこちらに(生活に支障の無い)限界まで拠出する。
積み立てNISAは②のみ免除される。

・上記制度を利用しない場合、②でとられる税は運用益の20%。例えば元金100万円、年間5%の利回りだったとすると、利益5万円の20%で1万円が税金として徴収される。実質的な利回りが4%になる。
複利で運用する場合の1%の違いはとても大きい。

・確定拠出型年金や積み立てNISAで購入する商品は、基本的には海外株式と新興国株式に集中させる。

・次に国内株式でなく海外株式である理由は詳しくは上記リンクを参照すれば良いが、こう解釈してみてはどうか?
①過去数十年スパンで見ると国内株式は停滞気味、米国株式は伸びている
②世界(アメリカ)が景気悪くなったら、影響を受けて日本も景気悪くなるだろう。 逆に、日本だけが景気悪くなると困る。
③日本の景気だけが良くなる場合、普通に働いていても生活や給与は改善されるはずであるので、株式でない部分で恩恵を得られる。

・商品は色々あってややこしいが、インデックス型の比率を高くする。相場と連動するように銘柄をバランス良く買うので、信託報酬が安い。
・逆に人がより利益を出そうとするアクティブ型はインデックス型より利益が出ることもあるが、信託報酬が高い。

・証券会社や銀行員にアドバイスを求めるときは注意。彼らは、自分達が儲かる商品を客に勧めるのが仕事である。

・コロナショックのように、突然評価額が落ちても慌てて解約しない。同じ拠出金で沢山買えるので、むしろ良いことである。確定拠出型年金は最後に売却するタイミングで株価が高ければ良いのである。


https://r.nikkei.com/article/DGXMZO64014530Y0A910C2000000


・↑は直近の成績比較の例。これくらいの差なら安定しているインデックス型で良いだろう。
・アクティブかインデックスか悩むより、株式(国内外)、国債、不動産の何に投資するかの方が重要である事が分かる。やはり米株式は優秀

最後に

あくまで主観の意見なので、運用結果については自己責任とされたい。

もっと詳しく知りたいと思った方は、運用関係の本は本屋にごまんと詰まれているので、適当に調べてみるとよい。だいたい同じような事が書かれているはず。

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