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エイン恐怖は親からの刷り込みだった。アクティブバースへの憧れを振り返る

妊活をサポートする鍼灸マッサージ師あるあるだろうが、「どこで産むか」を悩む人は多い。

どこで産むかは、質としての話で、自宅出産や助産院、病院などの場所だけでなく、産み方の問題でもある。

自然分娩か帝王切開か、和痛か無痛か。などなど。

私が第一子を産む時、相当悩んだ。

悩んだのは「会陰切開」をしたくなかったからだ。そしてそれは母の影響だった。

母が私を産んだ時、会陰切開の影響から尿漏れに悩んだそうで、小さいころから「会陰切開は怖い、やめた方がいい」と刷り込まれた気がする。

性教育とほぼセットだった。

だから自然なお産の情報をかき集めていた。出産予定の地域は、婦人科の病院もあれば山奥の助産院まで様々だった。

でも産みたいスタイルがなかった。

アクティブバース。主体的に出産に関わる。できれば会陰切開もなして。

ただその想いが強ければ強いほど、自分の身に起きた様々な妊娠中のトラブルに自己嫌悪になった。

つわりで落ち込み
体力が奪われることに落ち込み
逆子で帝王切開の可能性を言われて号泣し
トキソプラズマに引っかかっては、もう精神が不安になりすぎていた。

もし、母から
「どんなお産でも素晴らしい。そして命が育つことは奇跡の連続である。」と聞かされていたら、

あの時起こっていたさまざまなトラブルにも、自己否定をせずに、前向きに受容できたのではないか。

そう、

科学情報を読み込み、データーを見極める技術を大学で磨いてもなお、

私は安全な出産を目指して、というか、
会陰切開を回避するために

何かを盲信して過ごしていた時間があったのだ。

幸いにも第一子は、アクティブバースが叶う総合病院で産めた。憧れの助産師さんにも関わってもらった。夫にとってもいい時間だったと思う。

あの時私が関係各位に浴びせた罵声は、笑い話のような笑えないような、、でも、みんなで命を迎えた、壮絶かつ真剣な場所だった。

会陰切開の恐怖が、私を劣等生に追い込んだけど、その母の原点を上回る情報にたくさんふれて苦しんでもいた。

陣痛が少ないことがいいお産と言われること、声を出さない出産が賞賛されること、胎教とか妊活中の過ごし方(医学的リスク管理とは違う内容)は、結構罪だよなぁとも思う。

とはいうものの、出産を迎えるお母さんたちの治療では、産み方やそれまでの準備を基本は否定しない。あまりにも偏っていて将来的に母子の安全性や成長に関わる危険がある場合は、しっかりと話し込む。また、極端な選択をしないように、妊娠中の定期ケアでも、不安と質問を気軽に出せる空間を作る。

正しさでは諭せないと、会陰切開の恐怖にさらされていた当時の私が目の前にいる気分だから。

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