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「尊い」「いっぱいちゅき」「すこすこ」「沼に落ちたわ」 これは上記の言葉がまだ二次元を愛するヲタク達に浸透していない頃。 もう少しだけ具体的に言うと、今から10年以上前のこと。 当時は、「カクヨム」「小説家になろう」「note」「Twitter」などのネット小説に特化サイトやSNSはなく、携帯小説が流行していた。しかし、携帯小説サイトに読みたいものはなかった。まったく興味を持たなかった。 なぜなら、当時の私は二次創作に恋焦がれていたのだから。 漫画やアニメなどの作品を
まれにドラマが生まれるところに遭遇することがある。 日付が変わった恵比寿の駅前。人目も気にせず泣き叫ぶ女性。その傍らには困り顔と呆れ顔がない混ぜになった男性。 深夜までやっている渋谷の喫茶店。安くとも一杯800円以上の珈琲と吸殻のたまった灰皿。携帯の向こうの人物と淡々と紡がれる会話。 下卑た笑いが響く繁華街。脱げたハイヒールと振り乱れる長い髪。剥がれた爪と取っ組み合いをするきつい香水の女性たち。 彼女たちは紛れもなくヒロインだ。 彼女たちにしてみれば、冗談じゃないと言っ