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②目的もないのにニューヨーク

 2022年3月からのニューヨーク行きを決めたものの、厄介なのはビザの申請。申請なしに渡航することもできるが、それでは3ヶ月以内しかアメリカに滞在できない。それ以上、滞在しようとするとビザが要る。私の場合、米国の学校に入学するわけでもないし、ビジネスで渡航するわけでもない。ましてや移住するわけでもない。ぶらぶらニューヨークをほっつき歩くだけの無目的な滞在だ。いろいろ考えた結果、ビザの申請をすることにした。観光目的だからB2。
 今、ビザの申請はすべて事前にオンラインで行うことが義務付けられている。オンライン申請手続きを「DS-160」という。これが結構めんどうだ。老眼の進む御身では1時間ほどはかかる。目的や滞在期間、預貯金、などを申告しないといけない。オンラインでこれらを済ませると、ようやく本手続きというか、面接予約に入ることになる。予約が完成すれば、あとはアメリカ大使館に行って実際に面接を受けることになる。ここまではすべてオンライン。アメリカのITの普及はやはり日本と違う。日本はまだまだ書類に記入して提出することが求められる。今回のコロナの問題でも明らかになったが、保健所からの報告がいまだにFAXだったり、ワクチンの申し込み申請でもネットがパンクしたことでも弱さが露呈した。アメリカとは違う。
 アメリカ大使館は周辺からして物々しい。あちこちで日本の警察が警備しており、私の場合、溜池山王駅から大使館まで約200メートルほどの間に、警察官に3回に渡って「どこへ行きますか?」「何しに行きますか?」「予約はありますか?」と質問された。横断歩道で青になるのを待っているとき、警官の前を通り過ぎるとき、大使館前の待機場所など・・・。
 大使館の敷地内に入る前には一度目のチェックが日本人警官によって行われる。それで初めてゲートがくぐれる。セキュリティチェックは空港並み。大使館の建物に入るとき、2回めのチェック。ここでは予約票があるかどうかのチェック。3回目のチェックは窓口に並び、書類が揃っているかどうかのチェック。ここでは係員がパソコンに何やら入力する。その後、隣の窓口で指紋の採取。それが終わると最終の面接となる。この面接は私の場合、外人の40代ほどの女性だった。幾つか質問される。しかし、それらはすべて事前入力済みのことばかりで、新しいツッコミは何もなかった。ここまで入館から約30分。それで全て終了した。
 コロナ禍の今(2022年3月)、海外渡航は自粛中のためか、ビザ申請者は私を含めて見渡したところ7組みほどだった。このB2の観光ビザがあると、向こう10年間、ESTAなしに何度も渡米できることになる。
 私はこの先、何度アメリカに行くことになるのだろうか・・・。

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