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⑪アメリカ転職事情

 アメリカが転職社会であることは誰でも知っていること。では実際はどんな状況なのだろう。
 あるスポーツ用品メーカーからGAFAの一角を占める企業に最近、転職をした中国系女性のケース。この女性はGAFAに転職をすることによって年収が5000万円近くになったという。わずか32歳の若さで年収5000万円近く!驚きで声を失ってしまう。日本で言ったら一部上場企業の役員報酬だ。それも上席役員クラス。前職の某有名スポーツ用品メーカーでの年収は2000万円の前半。それが転職によって一気に倍になったのである。2000万円超えの年収にも驚くが、年収の上がり方にも驚く。日本の企業ではそんな増え方は絶対しない。 
 私が説明する必要がないほどに多くの人が知っていることだが、アメリカでは人でなく仕事に値段が付く。その仕事を担うことが出来るなら性別や年齢に関係なく、その仕事に見合った給料が支払われる。日本のように社員に対して支払われるのとは異なる。日本では同じ仕事をしていても年次が上がれば給料も上がる。同じ仕事をしているにも関わらず。考えてみればおかしいこと。1年目の社員と30年目の社員が同じフロア掃除の仕事を担当していたとしても、日本では30年目の社員の方がはるかに多い給料をもらう。アメリカでは考えられない。同じ仕事をしていれば同じ給料が支払われるのが当然と考える。だからアメリカでは同じ仕事をしている限り、給料は基本、上がらない。上がるのは年に2~3%だけ。それは物価上昇分に比例してのもの。給料を上げるには転職をして、違う仕事をするしかない。より給料の多い仕事を見つけ出し、転職することだ。だからアメリカでは優秀な人ほどドンドン転職をする。逆に、同じ会社で同じ仕事を10年もしていると周りから「無能」とみられてしまう。アメリカでは転職を繰り返す人ほど優秀な人となるのだ。
 日本の平均年収は580万円ほど?東京都に限れば650万円ほど?アメリカの平均年収は全土で680万円ほど?ニューヨークで1200万円ほど。シリコンバレーでは途方もない平均年収になるのではないか。3000~5000万円ほどに達したりしないだろうか?正確な統計値はわからないが、確かなことは、アメリカでは格差が極めて激しいということ。
 32歳で年収5000万円近くというのはアメリカでもとても凄いこと。GAFAの一角を占めるその企業の給料が凄いのか、その女性のスキルが凄いのか、そこは私にもわからない。また、GAFAで働く人が特別に忙しく働く人たちだとも思えない。労働時間にそんなに差はないと思う。だから日本の一部上場企業役員と、ニューヨーク居住の32歳の女性とが同じ給料というのもなかなか合点がいきにくい。GAFAの給料がとびっきり凄いのか、日本の企業の内部留保が多すぎるのか、儲けるのが下手なのか・・・。

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