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釣り暮らし

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自分で釣ったり採ったりした魚介たちを、あの手この手で食べます。たまに釣りと関係のない料理も登場します。釣りと暮らしの話です。
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2023年9月の記事一覧

ワタリガニを釣って食べ尽くして喜ぶ

昔まだ通勤をしていた頃、電車の中で、右のおじ様から放たれる加齢臭と左のおじ様から放たれるサロンパス的な匂いが、真ん中の僕のところでぶつかりあい、なんと蟹の匂いになったことがありました。久しぶりの蟹の匂いに、とても得した気分になったものです。 しかし今や電車に乗る機会も減り、おじガニの香りを楽しむこともできません。自分は蟹に飢えていたのです。しかし、蟹の店に行くほどの銭はない。どうするか。 簡単です。近所でワタリガニを釣って食べればいいのです。 ※一部地域ではワタリガニの

ヤングカマスと中年ブリ

今から30年ほど前、10代の頃に小さなスーパーマーケットでバイトをしたことがありました。バイト初日に緊張しながら職場で挨拶をした自分に、パートのおばちゃんはひと目見て「あら、ヤングマン」とおっしゃいました。 今思えば、ヤングマンという愛称で呼ぶことで自分が職場に早く溶け込めるようにと気遣ってくれたのかもしれませんし、単に西城秀樹さんのファンだったのかもしれません。とにもかくにも、当時の自分は若いということだけで、パートのおばちゃんたちから結構ちやほやされた記憶があります。

貧困相殺飯〜ありもので貧困を相殺する

貧困。「貧しくて困る」。嫌な言葉です。 ある人は給料日前に、ある人は慢性的にと、その差はあれど多くの人が貧困にあえぎ、また今はそれほどでなくても将来貧困になるかもと、ビクつきながら生きているのが今の末法の世です。 そのような末法の世を、どのようにしてサバイブしていけばいいのか。簡単です。貧困を相殺すればいいのです。 すなわち、ランチに1200円のパスタを食べたいけれど銭がなくて食べられない。その悔しさ、惨めさ、ストレスこそが貧困の正体であり、であれば1200円のパスタを

マゴチのひれ酒はオールインワン晩酌セットと知る

さて、ひれ酒の時間です。 前回、釣った魚でいろいろなひれ酒を吞み比べてみたわけですが、どうやら世界は広く、ひれ酒界にはまだまだ知られざる美酒を生み出す魚がわんさかいるというではありませんか。今回はその中のひとつ、砂浜高校で番長をつとめる「マゴチ」のひれ酒を存分に味わい喜びます。 ひれ酒はフグだけのものにあらず 週末にいろいろな魚を釣り帰っては食して喜んでいるうち、「ひれ酒って本当に美味いんか?」という疑問にぶつかり、真鯛・オオモンハタ・イサキの3魚種のひれ酒を呑み比べて

マゴチのフォー|魚のあら出汁を堪能する

昨今、サステナブル、エシカル、アップサイクル、などのカタカナが花盛りですが、イマイチピンと来ない、という人は、身近な例に置き換えて考えてみましょう、と賢そうな人がぐいぐいとナビゲートをしてくれまくる世の中です。 ということで、自分の場合は釣った魚の「あら」(=頭や骨などの捨てられがちな部位)を起点に、資源活用、環境配慮、そしてなにより私利私欲を満たすための持続可能な方法を考えていこうと思います。では始めます。 魚の「あら」を正確に評価する方法 自分は釣り人です、というと

いろんな魚のひれ酒を飲み比べて喜ぶ

旅行に出かけてちょっとした旅館なんかに泊まると、夕食のオプションで「ひれ酒800円」とかがあったりして、旅の開放感から、いいね、ひれ酒、旅行ぐらいでしか飲まないもんね、ちょと高いけどせっかくだし、と調子づいて人数分頼むと、たいてい運ばれてくるのはちっちゃい器で、「え、少なっ」と悲しくなるものです。 それでも、まあこんなのは雰囲気雰囲気、となんとなくうやむやにしてきた結果、結局ひれ酒って美味いんか?値段と合ってるんか?実は雰囲気だけの奴じゃないんか?と、よく分からないまま、こ