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🎻オケおじ理事の鑑賞記📖#9

どーも、オケおじ理事です!中野りなさんはまだ19歳って、知ってました?
普段は年相応のあどけなさが残る笑みを見せながら会話するのですが、ステージに立つと別人になります。音楽家にありがちなのですが、この年で貫禄さえ感じさせる “堂々ぶり”(他の理事談)には驚きしかありません。

「東京フィルハーモニー交響楽団定期演奏会」

2023年10月18日

この日の指揮は、初来日のフランス人女性指揮者、クロエ・デュフレーヌさんでした。とても丁寧にタクトを振る印象で、32歳ながら世界中のオーケストラに招へいされています。

10月定期演奏会は18日、19日、22日の3回

若さあふれる指揮者と共演したのが、“我らが”(と言っていいでしょうか)中野りなさん。サン=サーンスのバイオリン協奏曲第3番ロ短調を演奏しました。若いころに1度だけ聴いたことがある曲でしたが印象は薄く、「こんなにいい曲だった?」
と驚きました。オーケストラの静かな序奏に続きソリストがG線(最も低い弦)の力強い第1主題を鳴らして始まるという、いわゆる男っぽい曲なのですが、細くしなやかな腕で楽器を歌わせる中野さんの表現力が聴く人の心を捉えて離さない感覚でした。

第2楽章の聴きどころであるフラジオレット(弦に軽く触れて倍音を出す奏法)はCDを視聴しているかと思えるほど美しく、雑音がまったくない完璧な演奏でした。そして、華やかな技巧が繰り返される第3楽章では、ストラディバリウス1716に秘められた力が爆発し、オーケストラを引っ張るほどのパワーで聴衆に「参った!」と言わせのではないでしょうか。

中野さんは、楽器貸与の対象となった2021年の日本音楽コンクール、22年に仙台国際音楽コンクールと受賞を重ねていますが、まだまだ成長の途上です。すでに世界を視野に入れておれれると思いますが、今後も活動を広げつつますますの活躍に期待したい…、そう思わせる演奏でした。