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"TL;DR 187 | The Google Developer News Show"で学ぶ英語

Google Developer NewsはGoogleが自社の技術に関するアップデートを短く伝える動画で、毎週公開されています。

自社の技術を伝えるプレゼンなので、とても容易な言葉、わかりやすい文法、発音で話しています。更に、英語字幕は自動認識ではなく、Googleが提供しているものなので、英語が聞き取れない場合に答え合わせができて便利です。

また、技術的な観点で見た場合、Googleがオフィシャルに公開している、つまり一次ソースなので、内容が信頼できるということも嬉しいです。

3分程度の動画なので、短い時間で最新情報を正しくキャッチアップをしつつ、英語学習もできる最高の素材です。

この記事では、2020/1/10に公開された"TL;DR 187 | Google Developer News Show"で出てくる、英単語やイディオムの、主にIT業界での使われ方を解説していきます。

それでは早速動画を見ていきましょう。

最初と最後の挨拶は飛ばして、トピックに入ります。

New Coral products for 2020

Last year, Google launched Corala platform
of hardware components and software tools
that make it easy to prototype and scale local AI products.

昨年、GoogleはプラットフォームであるCoralを立ち上げました
ハードウェアコンポーネントとソフトウェアツールの
ローカルのAI製品のプロトタイプ作成とスケーリングが簡単になります

まず冒頭の文は、ここでは去年発表したもののことですが、

「〇〇を発表します。それは△△で、××のような利点があります」

という、製品やサービスの紹介でよくある文ですね。このあとに出てくる各セクションの冒頭の文も同じようなパターンです。

このタイプの文は長くなりがちで、中学高校で習ったような文法を解釈して日本語に翻訳するやり方だと破綻します。上記を自然な日本語の文章にすると、

「昨年、Googleは、ローカルのAI製品のプロトタイプ作成とスケーリングを簡単にする、ハードウェアコンポーネントとソフトウェアツールプラットフォームである、Coralを立ち上げました。」

というような語順になりますが、頭の中でこの語順の入替ををしていると追いつかないでしょう。

単語は難しいものはないですね。

launch「ローンチ」でほぼ日本語にもなっていますね。ここでは「立ち上げる」と訳されています。releaseなど他の単語が使われることもありますが、プロダクトをローンチ、という場合はlaunchが使われることが多いです。

prototype 
「試作品」という意味ですが、そのまま動詞として使われていますね。prototyping/プロトタイピングもよく使われるのでおなじみですね。

For 2020, we're excited to announce new additions
to the Coral platform that will expand the possibilities even further.

2020年には、新しい追加を発表できることを楽しみにしています
更に可能性を広げるコーラルプラットフォームへ

ここも最初と同じような構造ですね。


we're excited to …
新製品発表プレゼンのときは必ずと言っていいほど聞く定番表現です。似たような表現で"we're thrilled"もよく使われます。また、新製品発表会などではannounceの代わりにunveilが使われることが多いです。

First up is the Coral accelerator module,
an easy to integrate multi-chip package
that encapsulates the edge TPU Asic.

まずはCoralアクセラレータモジュールです
これはマルチチップパッケージの統合を簡単にするもので
edge TPU ASICを含みます


First up is
「1つめは」という意味の慣用句で「10個の機能を紹介します。1つ目は、、、」というような使い方をします。ものだけではなく、人にも使われ「今日は3人のプレゼンターがいます。一人目は、、、」というように使います。

easy
形容詞として使うなら"it's easy to …"となりますが、ここでは名詞として"it's an easy to …"のように使われています。

encapsulate
プログラミングドメインだとオブジェクト指向の「カプセル化」にも使いますが、ここでは「含む」というくらいの意味です。

The module exposes both PCIE and USB interfaces and can easily integrate into custom PCB designs.
See the link below for more details.

モジュールはPCIEとUSBインターフェースのの両方を公開します
カスタムPCB設計に簡単に統合できます
詳細については、以下のリンクを参照してください

expose 
「晒す」が直訳ですが、日本語だとインターフェースを晒す、とは言わないので訳すのであれば「公開する」とかここでは「持っている」くらいでいいかと思います。英語を聞いているときは`expose`のまま理解します。

See the link below for more details
こういった表現は本当によく使われるので慣用句としてまるっと覚えておくと、聞き取り時にもサクッと流せますし、スピーキングにも使えて便利です。

Project Connected Home Over IP

Google recently announced Project Connected Home over IP, a new working group alongside industry partners, such as Amazon, Apple, and the Zigby Alliance.

Googleは最近Project Connected Home over IPを発表しました
業界のパートナーとの新しいワーキンググループ
Amazon, Apple, ZigBeeアライアンスなど

アライアンスについての紹介ですが、ここも「〇〇です。それは△△で××です」という形です。

announce
ここでは製品ではなく、他の企業も関わっているプロジェクトについてなので、annouceが使われていますね。

alongside
「〜と一緒に、協力して」

Zigby
固有名詞ですが、この動画で唯一間違っていて、正しくはZigBeeです。面白いのが、字幕を自動認識にするとちゃんごZigBeeって認識されてるんですよね。

The project aims to build a new standard
that enables IP-based communication
across smart home devices, mobile apps, and cloud services.

このプロジェクトは、新しい標準を構築することを目指しています
IPベースで通信でき
スマートホームデバイス、モバイルアプリ、クラウドサービス間で利用できます

aims to
「目指す」。プレゼンでよく聞く表現ですね。ここでは前の文章が長いので分割されていますが、"Google announced  a project which aims to ..."という表現で使われることが多いです。

build
「作る、構築する」。「ビルド」はプログラムのビルドなどはそのまま日本語としても使いますね。

standard
「標準」ここでは通信仕様のことを意味しています。

across
デバイス間で通信する、というような表現のときはacrossがしっくりきますね。amaongやbetweenを使うこともあります。

Device manufacturers, silicon providers, and other developers are invited to join the working group
and contribute existing open source technologies into the initiative
to accelerate its development
so customers and device makers can benefit sooner.

デバイスメーカーやシリコンプロバイダー、およびその他の開発者はワーキンググループへ参加するように招待されています
そして既存のオープンソース技術をこの取組へコントリビュートすることを
開発を加速するために
顧客やデバイスメーカーがすぐに利益を得られるように

ここはなかなか長くて、文章翻訳として文法をちゃんと理解してどの節がどこに掛かっているのか、など考えていると難しそうです。

ただ、ここは聞き取りプラススピーカーの表情やジェスチャーもあるので、文字で見るよりは理解しやすいと思います。

contribute
「貢献する、寄与する」ですが、ソフトウェア、特にオープンソースのコンテクストでは「オープンソースにコントリビュートする」などそのまま日本語としても使われることが多いです。

initiative
「自発力、主導権」といった意味で使われることが多いですが、ここではその後のto節を受ける「取り組み」のような意味ですね。

accelerate
加速する。一般表現でもよく使います。

See the link below for a keyword post
that describes the project and its potential
to create a USB-like plug-and-play protocol for the home.

キーワードの投稿については以下のリンクをご覧ください
プロジェクトとその可能性について説明しています
USBのような家で使うためのPlug and Playプロトコルを作成します

続きはリンクを見てね、という説明なので、流してもいいですが、その後に続く文が私は最初聞いたときはなんのことを言っているのかわかりませんでした。

a keyword post
これが一瞬意味わからなかったのですが、Googleの公式ブログが”The Keyword”というタイトルでそこへの投稿、という意味でした。

The Keywordトップページ


こちらが該当のページ


Youtubeの説明欄からリンクされているこちらのページからリンクされています。


NOAA datasets available on Google Cloud

If you're looking for some interesting data sets
to hone your machine learning skills,
Google is expanding our collaboration
with the National Oceanographic and Atmospheric Association
to share its valuable data.

興味深いデータセットを探しているのなら
Machine Learningスキルを磨くために
Googleはコラボレーションを拡大しています
NOAA (National Oceanographic and Atmospheric Association) との
貴重なデータを共有することで

Google Cloudで使えるデータが拡大していることの紹介ですが、真面目に文を理解しようと思うと"If you're looking for ..., Google is expanding ..."は「あながた〇〇を探しているなら、グーグルは△△をしています」となり、ちょっとおかしい気がします。

「あなたが〇〇なら朗報です!」と文章を区切るか、「〇〇をしている人のために」とGoogleを主語にするのが意味的には正しそうですが、もしかしたら"if"をこういう言い回しに使うのかもしれません。

知っている人がいたら教えて下さい^^

hone
「研ぐ、磨く」。

A vast trove of NOAA's environmental data
is now available on Google Cloud
as part of the Google Cloud Public Data Sets Program and NOAA's big data project
opening up possibilities for scientific and economic advances.
See the link below for details.

NOAAの環境データの膨大な数は
Google Cloud で利用できるようになりました
Google Cloud Public Data Sets ProgramとNOAA's big data projectの一部として
科学的及び経済的前身のをの可能性を開きます
詳細は以下のリンクを参照してください

"Google Cloud Public Data Sets Program"など長い固有名詞が出てくるので一瞬長そうですが、特に難しいことは言ってないですね。

a vast trove of
「巨額な、膨大な」。trove ofで「〜の宝庫」。”trove of information”で「情報バンク」の意味にも使われます。


Announcing update to our Patch Rewards program in 2020

In 2020, Google is building on our commitment
to a safer internet
by launching a new iteration of our patch rewards program
for third-party open source projects.

2020年に、グーグルは我々のコミットメントに基づき
より安全なインターネットを構築していきます
patch rewordsプログラムの新しいイテレーションを開始することで
3rd partyのオープンソースプロジェクトへ

「パッチアワードプログラム」の紹介です。


build on
「〜に基づいてことを進める」

iteration
アジャイル開発用語での「イテレーション」や、プログラミングでIteratorクラスなどがあるためプログラマーにはおなじみですね。

As of the first of this year,
we're not only rewarding proactive security improvements
after the work is completed,
we're also complementing the program with upfront financial support
to provide an additional resource for open source developers
to prioritize security work.
Check out the link below for more information.

今年の最初の時点で、
私達は積極的なセキュリティ改善に報いるだけでなく
作業が環境したあとに
事前の財政支援でプログラムを補完します
オープンソース開発者に追加リソースを提供することで
セキュリティ作業を優先するために
詳細に着いては、以下のリンクをご覧ください

As of …
「〜の時点で」定番表現ですね。”As of now”はほんとによく使います。

proactive
「積極的な」。一般的にも使われますが、IT業界ではユーザーの行動がproactiveか”reactive”「受動的な」かなどの表現で良く見聞きいします。
ちなみに対義語は”retroactive”でこれは「否定的な」です。

complement
「補完」。人類補完計画(Human-beings complement plan)の補完ですね。

prioritize
「〜を優先する」。priorityの動詞形。

check out
ここでは「調べる」の意味。”check it out” = チェキラッは良く聞きますね。ホテルのチェックアウトも同じ”check out”ですが、日本語にするとだいぶイメージが違うので、英語でのイメージを持っておくと他の使い方もしっくり来るようになります。


Protecting access to user data with Binary Authorization for Borg

And speaking of security,
Google is also making strides against insider risk,
a scenario in which an employee or a compromised employee account is used
to facilitate an attack.

また、セキュリティに関して言えば
Googleはインサイダーリスクへに対して進歩しています
従業員や侵害された従業員アカウントが使われます
攻撃を容易にするために

前段から続いてセキュリティ関係の話になります。


speaking of …
「〜について言えば」これは広く使える表現ですね。

make strides againststride
「またぐ、大股で歩く」で、make stridesで「進歩する」というような意味で使われます。”make a (giant/great) stride in“のように単数形で使われることもあります。

compromised employee

compromiseは一般的には「妥協する、和解する」などの意味ですが、IT用語としては「侵害する、不正アクセスする」の意味で使われ、compromised employeeで「侵害された従業員」となります。

facilitate
「会議のファシリテート、ファシリテーション」などで使われますが「容易にする、促進する」といった意味です。

We've released a white paper,
Binary Authorization for Borg--How Google Verifies Code Provenance and Implements Code Identity,
that explains one of the mechanisms
we use to protect user data from insider risks
on Google's cluster management system, Borg.

私達はホワイトペーパーをリリースしました
「Binary Authorization for Borg - Googleはどのようにコードの出どころを検証し、コードの固有性を実装しているか」
それはメカニズムの一つを説明します
ユーザーデータをインサイダーリスクから守るために使っている
Googleのcluster management systemであるBorg上で

ここの文章ですが、ポイントは「Binary Authorization for Borg--How Google Verifies Code Provenance and Implements Code Identity」までがホワイトペーパーのタイトルだということですね。
CCの字幕だと”How Google Verifies Code Provenance and Implements Code Identity”がキャピタライズされているのでわかるのですが、自動認識だとそこまでは認識されていません。
provenance
「起源、由来」
cluster
「塊、集団」と一体見ですが、IT業界ではクラスターでいいでしょう。


まとめ

 以上、"TL;DR 187 | The Google Developer News Show"の英語解説でした。

IT用語以外はほとんど難しい単語は出てこず、聞き取りやすい英語だったと思います。

また、IT用語に関しては、固有名詞や、カタカナでそのまま使われている言葉も多く、翻訳せずにそのまま理解できる言葉も多いことがわかると思います。

そうしたこともあって、一般的にはビジネス英語は日常英語よりも難しいとされていますが、プレゼン動画の英語は日常会話よりもわかりやすいんじゃないかと思っています。

「英語の勉強だけに時間を作るのが難しい」「英語学習のための英語コンテンツはつまらない」と思っているエンジニアの方に特にオススメです。


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