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防音の基礎①~遮音と吸音の違いと効果について~

防音の基礎

一般的に防音とひとまとめにして言いがちですが、実際、防音には二つの要素があります。まず一つ目は、遮音。そしてもう一つが、吸音です。
この二つを正しく理解しないまま防音という言葉で話をしてしまうと話が嚙み合わないことが出てくると思います。
今回はその二つの役割の違いと効果について説明します。

遮音とは
先ずは、遮音についてです。その言葉の通り、音を遮蔽することを意味します。
音源から発せられた音波は壁のような障害物にぶつかると反射する音と壁を通り抜ける音に分かれます。この時に壁を通り抜ける音を遮ることを遮音といいます。
遮音に必要なのは、部屋の外から内へ、もしくは、内から外へ音を通さないことですので一般的な防音とはこちらの意味で使われることが多いように思います。
音波を通さないようにするために必要なことは3つ。壁の厚さ、重さ、さらに内部損失の大きさになります。壁は厚い方が音を通しにくくなります。これはとてもイメージしやすいと思います。壁が厚さが同じ場合、軽いと揺れやすいため重い方が音を通しにくいです。こちらもイメージしやすいです。
音が壁を通過するとき音波の持つエネルギーの一部は通過中に熱エネルギーに変換され失われます。これが内部損失です。分かりやすい例としては木材と金属です。木材を叩いた時と金属の棒を叩いた時で響きが違うのはご存じの方も多いと思います。これは固有振動の違いによるもので内部損失の小さい金属のほうが長く響き、内部損失の大きい木材のほうが響きが短いです。つまり木材のほうが損失が大きいため音が壁の向こう側まで届きにくいということになります。また内部損失を大きくするためには固有振動の違う物質を組み合わせることで損失を大きくすることができます。
一般的に防音室の壁はコンクリートで作られていることが多いのは厚みを出しやすく、重く、損失も大きいという利点が総合的に高いためだと思います。

以上、防音の基礎①では遮音について説明しました。
次回は吸音について説明したいと思います。


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