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繊維産地で働きたい方へ

日々、繊維産地に就職したいと考えている方、また新入社員の方々にも出会う。

中には大学1年生ながら、『私は手を動かして温度感のある仕事がしたい。職人として、日本でしかできない繊維の技術を学び、手に職をつけたい。』という学生さんもいて驚かされる。この春に高校を卒業したばかりとは思えない。俯瞰して産業を見ていて、勉強していて、時代の先を読んでいてセンスの良さを感じる。

繊維産地で働きたい方の就職先となるのは、糸なのか、織り、編み、染め、加工、産元業なのか。選択肢はドーっと広がる。分業で成り立つ産地にはさまざまな企業がある。

1年くらい前に、とある産地の工場に入った新入社員の方で、『ジャカード企画をしたかったけど、入社したら100%ドビー織機の工場で。かわいい柄が織れると思っていたけど、調べが甘かった』という方もいた。(この方は、会社に所属しながら道を切り開いている最中。ドビーでもかわいい柄もつくれる。しかし綜絖枚数が少ない織機だと柄は限られてくる。)

技術職での、リサーチ不足、ミスマッチは本当にこわい。

ミスマッチを避けるために必要なことは
・自分がやりたいことを面接までに明確にする
・就職(候補)先の仕事内容、設備、展望を理解する

この2点、とても当たり前のこと。だけど、就職活動をしている方にとって、未知の繊維畑で自分がやりたいことを業務レベルまで分解して理解することは難しいし、1-2回程度の工場見学や面談で、「思ったことと現実のズレ」が起きない方が珍しい。少なからず誤解は孕んで進行する。

なんども例に出して申し訳ないけど、「ジャカード企画をしたかったけど、入社したらドビー織機の工場だった。柄が織れると思っていたけど」という方のような、入社前の認識・想像と入社後の業務とのギャップを埋めるためには、しっかり質問をするとか面談を重ねるとかもそうだけど、前提として、

・ジャカードとドビーの仕組みの違い
・そもそもジャカードの機屋さんがどんな仕事なのか
・それぞれのジャカードさんができることの違い

この3点は理解していないと、比較検討はできない。
双方確認のために試用期間を設けるのも重要だけど、上記はチェックポイントはそれ以前に重要となる。インターンとか、試用期間に入る前の話として。

1つの産地でも、本当にたくさんの企業さんがある。同じジャカード屋さんでも設備、業態は違ったりもする。服飾や染織の学生であれば、学校の先生を頼って上記のようなミスマッチはある程度回避できるのかもしれないけど、純粋な地元就職、一般大卒、転職の方にとっては未知の未知だと思う。

そういう方にとって、僕らは「産地の学校」を産地でも開催することに至った。まだまだ貢献できていないかもしれないけど、UターンIターンでの転職活動の方、地元就職の方が参加してくださるケースが増えてきた。やはり、Uターンだったり地元の方が就職として地元の産地企業に入るのが強い。

現在産地校を行っているのは、遠州産地(静岡・浜松)と、広川産地(福岡・八女)。これから3つ目4つ目の産地と広げていけるか、今ある産地校を継続していけるかは、弊社の努力と需要にもよる。

遠州産地の学校
ひろかわ産地の学校

産地の学校のプログラム以外でも、産地就職のお手伝いがもっとできないかと考えているところ。

次回は、産地の学校の産地校のプログラムにブランド関係者(デザイナーや生産管理)の方に参加していただきたい思いについて、改めてnoteしたいと思っています。

追伸 : 産地の学校のプログラムに参加して欲しいブランド関係者について 

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