【GW特別企画】ブログごっこはこれでおしまい【フェイトグランブルーファンタジーやる】第よん回
3人が待機しています•2020/05/05 に開始予定
<あれ、配信まだ?>
<おーい。いるの?>
<今日なしですか?>
*
さて、
大阪に、関西に、僕の青春が詰まった街に帰還する可能性を失い、もはや絞りカス程度の価値しかない魂が今の僕だった。
僕は、今、ここ、自分の部屋に一人でいる。
なぜここは暗いのか?
なぜここは寒いのか?
考えろ、と誰かが云っていた。
しかし、今やここは暗くもなく、寒くもなかった。時間が流れ季節が変わり、どうやら僕は回答権すら没収されてしまったようだった。
考えることができた幸福な時代はとっくの昔にすでに終わってしまっている。
そして、関西に戻ることすらできなくなった今、たまにそこに立ち返ることすらできなくなった今、関西は僕の中で完全に過去のものとなってしまった。死んだものとなってしまった。死者。僕たちは会話の中でしか死者に触れることができない。だから僕はゲーム配信を通じて昔の思い出を誰かと語り合いたかった。だけど、なんだか、どうも、ね。
僕の第③回配信の最後にコメントを残した誰か、誰なのか大体想像はつくが、彼だって別に本気で僕たちがこれからどんどん酷い目にあうなんて信じていないのだと思う。
僕たちは別に、戦争をしているわけじゃない。
ずっと昔からパンダは青春を食べていたわけで、それと同様のことが僕の身にも起きたというのが、正直なところの僕の実感だ。ウエルベックが今回の騒動は文学の対象にはならないと云っていた、という話をネットで見たが、僕にもその気持ちが少し、わかる。
だからと云って自分だけは大丈夫と無邪気に信じ、不用心にマスクだけで外に遊びに行く気にもなれない。
結局いつものとおり、僕はどの主張にもどの思想にもどの行動にも賛同したくないだけなのだ。すべてを嘲笑いすべてを無視しすべてに嘲笑われすべてに無視されていたいのだ。何もかもに腹を立て何もかもを壊して何もかもを嫌いになりたいのだ。みんなで桜を見に行きたかったとかみんなに会いに大阪に帰りたかったとかよく行っていたバーに顔を出したかったとか本当にたまにだけ家族と一緒に食事をしたかったとかそんなどうしようもない気持ちを抱えながら部屋で一人ブツブツとつぶやいていたいのだ。そしてたまになんでこんな悲しい気持ちになるのにやめられないだろう……と悲しみたいのだ。永遠に青春状態。きっと結婚して子供ができたとしても何も変わらないのだ。食べても食べても食べても食べても食べても溢れ出る青春汁にいつまでも浸っていたいだけなのだ。
できることならあと1000年はこの状態で生きていたいと本気で思う。
そして、きっと僕の人生はそうはならないのだろう。僕には何もない。これまでの全ては全部ただの思いこみで、本当は何ひとつ得たこともないし、だから、何かを失うこともできない。ない、ということだけが僕の持つ唯一のリアリティなのだ。
*
さて、
しかし、時間は進む。
たった五日間の休みは終わりを迎えようとしている。
それでは、みなさん、泣いても笑っても明日が最後のゲーム配信。果たして僕はゲームをクリアすることができるのか!?乞うご期待ください!
いとうくんのお洋服代になります。