声優に興味のなかった僕がシンデレラガールズ7thライブ初参戦① ~確かに存在する遊佐こずえとナターリアに大泣きした話

遊佐こずえには最近まで声がなかった。
正直、Pをやっていながら総選挙でトップに入ったことが不思議だった。
初期からいる佐城雪美やナターリアから2年近く離れての登場で、薄幸な北条加蓮や先に相棒に声の付いた的場梨沙のように背景にドラマもない。
こずえPは、公式ネタのヴァリサP以上に単純なロリコンなのではないかと疑っている。自分で言って胸が痛い。

前のエントリで遊佐こずえは単純にキャラクターが好きだと書いたが、彼女の(存在しない)将来を含めて惹かれている。

そんな彼女に声が付いた。
アニメから入った僕にとって諸星きらりと市原仁奈は既に声があったし、喜多見柚は声が付いてから担当を名乗っている為、自分の担当に声が付くという経験は初めてだった。
なのに、総選挙でトップになりボイス実装が確定しても、実際に彼女の声が聞こえても、感動はしてもあまり実感がなかった。
相棒と言えば桐野アヤだが、彼女にもまだ声はない。遊佐こずえの声を待っているのは実質、Pだけだった。
ドラマがなかった。

それでもやはりPとして、担当するアイドルに声が付く過程を見届けたいと思っていた矢先、7th幕張公演で名古屋公演でのゲスト出演がサプライズ発表された。
無意識に2日間のチケットを購入していても、実感がない為に発券は公演前日だった。
ニュージェネやセクギルが観られるの楽しみだな、それくらいの気持ちだった。
キャラクター>声優 の自分には、初めての声優ライブ参戦に強い思い入れが持てなかった。

ライブ初日、ペンライト一本でのラフな装備で、やっぱり音源とは歌い方が違うなとか、でもやっぱりキャラクターらしさも出してくれるんだなとか、安野さんめちゃくちゃかっこいいなとか、オタ芸はないけどやっぱり決められたコールがすごいなとか、雰囲気に興奮しながらも少し冷めていた。
ハッとしたのは『Nation Blue』での松嵜さんで、髪型も歌い方も、どう観ても聴いても諸星きらりなのに、新しい諸星きらりだった。
声優さんすげぇと純粋に思った。

感激というより感心していると、聴いたことのないイントロが流れてくる。
まあぶっちゃけ、最近はログイン勢だったのでイベントもあまりやり込めていなく、ソロCDまで追ってもいなかったので知らない曲はそれまでもあったのだけれど。
ただ、明らかに周りのP達の反応もそれまでと違い、ペンライトの色も定まらず戸惑っていた。
現れたのは、違う衣装の2人。
しまった。油断していた。心の準備ができていなかった。

ステージには遊佐こずえとナターリアがいた。
モニターに映るのも、遊佐こずえとナターリアだった。
歌い方も、踊り方も、手の振り方も走り方も、遊佐こずえとナターリアだった。
こずえの絞り出すような優しい歌声を、ナターリアが弾けるような歌声で支えてくれていた。
P一人一人の顔をじっくり見渡すこずえと、集まったPに全力を届けようと飛び跳ねるナターリアがいた。

嗚咽が漏れた。
つい最近まで想像するしかなかった歌声が、ずっと観てきた担当フィルターのかかった3Dのダンスが、今目の前に在る。
考えるな、感じろと僕の中のブルース・リーが叫ぶ。涙で見えないとか良いからちゃんと見届けろとPとしての使命感が叫んだ。

曲が終わり、手を繋いで花道の先、というか僕の目の前のステージに走り寄る2人にボロボロ涙をこぼしながら何とか落ち着こうと試みるも、BREAK TIMEで話すのもままならない山本希望さんに激しく共感してまた嗚咽を漏らした。
総選挙の時にTwitterで即座に反応してくれたナターリアPの方々を思い出していた。
声優ライブだとなめてかかって距離を置いていた僕だが、これまでもたくさんのPが同じ経験をし、この日の僕のように大泣きしたのだろうと思うと、声優とキャラクターの繋がりの深さをようやく実感した。
声優さんすげぇ。すげぇし、本当にありがとうございます。

ライブは終盤に向かい、安野さんや鈴木みのりさん、デア・アウローラや松井さんの圧倒的歌唱力、楽しそうに踊る大橋さんの姿を楽しむ余裕を取り戻してきた。
突然のDJ KOO登場に笑うこともできた。
スターリースカイ・ブライトの衣装の意味を考えて、感謝の気持ちに浸っていた。
アンコール前のお知らせで、大阪公演に佐城雪美と夢見りあむがゲスト出演することが発表され、それぞれのPも今日の僕やのじょさんのような感動を体験するんだろうな、なんて思っていた。
また油断していたのだ。

アンコール曲『TRULE COLORS』で、他の先輩声優たちと同じ衣装をまとい、一緒に並んで歌う遊佐こずえとナターリア。
そしてシンデレラガールズの代名詞である『お願い!シンデレラ』。
声優と二人三脚のキャラクターとして、先輩アイドルの仲間になることができたのだ。
当然、嗚咽を漏らしながら泣いた。良かったね、こずえ。良かったね、ナターリア。たぶん口に出ていた。

こうして総選挙からたった半年の間で、僕たち声なきアイドルのPと声を得たアイドルのデビューは完成された。

感謝の気持ちと、感激の実感に溺れつつも、2日目はもっとしっかり見届けようと使命感を新たにドームをあとにした。
更なるサプライズに、初日以上の衝撃を受けるとは知るよしもなく……。


続く

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