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夏の日の車椅子

少し遅くなったが、今年の夏の思い出。中2長男が7月に右足首を骨折してしまい緊急手術。7月はおもに車椅子で、8月はおもに松葉杖での日々を過ごした。なかなか大変だった。とくに7月、毎日の学校への送り迎えを妻がしてた車椅子時代はとくに。休日や里帰りの時などは当然、私も長男の車椅子のサポートをした。

最初はちょっと懐かしかった。10年以上前のことを思い出してた。その頃押してた双子用ベビーカーの思い出。長男と長女は双子だった。双子用ベビーカーを押してると、階段やエスカレーターは使えない。エレベーターも混んでいる時は誰かに譲ってもらわない限り、何台も待ち続ける。混雑した場所には行きづらい。飲食店も含め入れないお店や施設が多い。たった数段の段差に泣く。

ただ、すぐに双子用ベビーカーとは比べ物にならない、車椅子の困難さも体験した。赤ん坊の双子は合計でも体重30kgほど。ところが、中2の長男は60kgを軽く超える。私より重い。すると大きな問題が生まれる。1cm弱のわずかな段差でも、ちょっとした登り傾斜の途中にあるだけで、なんと車椅子を押してもまったく動かなくなる時がある!

中でも恐怖を感じたのは、横断歩道を渡り切って反対側の歩道に登ろうとしてる時!ほんの僅かな段差なのに、ちょっぴり登り傾斜になってるというだけで、かなりの力で押してても車椅子が突然ピクリとも動かなくなる。信号がまもなく赤に変わろうというタイミングだったりすると、かなり焦る!

気の早い自動車はすでにアクセルを吹かしているし、実際、歩道に登る直前の車椅子はどう見てもすぐに歩道に登るだろうと勘違いされてしまう。なので、やがて複数の自動車がその場にどんどん走り込んでくる。最後は、横にいた妻や、気づいてくれた誰かの手助けでなんとかなったが、本当に怖かった。…なんてことが何度かあった。

他にも、乗り物や劇場でのこと、あるいは、松葉杖のこと…など、この夏はいろんな体験をさせてもらった。この夏、過酷な車椅子〜松葉杖生活を送った長男にはとっても申し訳ないが、彼のおかげで私は、知識だけではとても理解できない勉強をたくさんさせてもらった気がする。本当にありがとう。

2023-10-06


長男のためにこの夏借りた車椅子。

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