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原画展の魅力を解く

私は、これから皆さんと原画展の魅力についてひもといていこうと思います。突然ですが、皆さんは原画展というものに訪れたことはありますか?漫画は読んでいるけど、行ったことはないという人やそもそも原画展があることを知らなったという人は多いのではないでしょうか。今回は、そんな人たちのために、私が実際に行ってみた経験と共に原画展の魅力についてお伝えしていこうと思います。私が取り上げる漫画について知らないという人でも伝わるものになっていると思うので、楽しんでいってください。

ゴールデンカムイという作品について


まずは、私が訪れた原画展の作品について紹介します。
今回私が取り上げる作品は、作者野田サトルが描く「ゴールデンカムイ」です。皆さんは、この作品を知っていますか?知っている人は、一緒にストーリーをおさらいしましょう!
舞台は日露戦争後の北海道。アイヌが隠したといわれる金塊を、金塊の秘密を握ったアイヌの少女を中心に、日露戦争の軍人、脱獄した囚人たちが争奪戦を繰り広げるという物語です。この作品の魅力は、バトル、ギャグ、恋愛、ミステリーなど漫画が持つジャンルを持つすべてが詰め込まれているところです。特に、シリアス展開の最後に必ずあるギャグには毎回いい意味で変な気持ちにさせられます。この時点で、読んだことがない人はアプリでも読めるのでぜひ読みに行きましょう!

原画って?

そもそもの原画について知らない人もいるかと思いますので、簡単に説明させていただきます。原画とは、私たちの手元に届く前のなんの修正も入っていない原稿のことを言います。今では、この原画が強く注目され、遺産とされていたりもします。

では、作品と原画について一通り説明したので本題の原画展の魅力を解いていきます。


生から感じる作者の息吹 第1の魅力


まず原画展の一番の魅力は、その名の通り、原画を楽しめることです。原画には、他にないオリジナルを感じることが出来ます。というのも、原画には作者の生の筆跡や試行錯誤のメモがそのまま残されていたりします。そこから、作者がどうやって物語を作ったのか、何を強く伝えたいのかを読み取るのは一つの楽しみになり、一番の魅力になり得ます。


世界に入る?実在する?第2の魅力

突然ですが、原画展は、ただ原画を展示しているのではありません。漫画のストーリーに従って原画を展示し、時には原画だけでなく、漫画に登場したモノを忠実に再現したレプリカまで展示されています。そこが第二の魅力です。漫画の世界を意識したセットの中でストーリーを思い出す、または振り返りながら原画を鑑賞するという行為は、半強制的に私たちを漫画の世界に、または登場人物たちが実在するかのような感覚にさせてくれます。そこでは、妙にリアルな感覚に陥るため、キャラクターへの愛着がより沸いたり、キャラクターの漫画だけでは読み取れなかった、より詳しい情報を知ることが出来ます。実際私も、主人公たちが所持していた武器や衣類を目にしたときは、彼らが本当にそこにいるような錯覚を覚えました。

あなたはいくつ見つけられる?      第3の魅力

原画展の第三の魅力は、ちりばめられたこだわりです。例えば、これ

これは、物語に登場する囚人の情報を指名手配書のように展示したモノです。読んだことがある人はもう気づいたかもしれませんが、彼は、脱獄王と呼ばれる囚人です。気づきましたか?指名手配書に顔が載っていないと思ったら、外側に走っている人がいます。そう、彼がその囚人なんです。脱獄王だから、指名手配書からも逃げ出したというわけですね。細かい!このように、原画展ではところどころに作者本人や企画者のこだわりが盛り込まれています。これは、遊び心を刺激されますよね。私も、気づいたときはニヤニヤが止まりませんでした。
ここで、余談であり読んでいる人にしか伝わらないと思うのですが、写真を撮っていて「これもわざとなのか?」というものを見つけたので、紹介させてください。

これはある登場人物のマキリというアイヌの武器のレプリカですが、そのガラスに反射する女性は、、、?
これは、先ほどのもののように明確なものではないので、私の推測になりますが、こういう制作者の意図を無駄に深く読み取るのも楽しみ、魅力の一つだと思います。私の言いたいことが気になった方は、ぜひ読んで探してみてください。

もはやアート 第4の魅力

最後に私がお伝えするのは、「漫画の原画はポップカルチャーを代表するアートである」ということです。漫画は、ストーリーとイラストを同時に楽しむものですが、原画は美術館に飾られた絵画を観賞する感覚に近いと思います。もちろん、コマワリやセリフが入っているため絵画とは言えません。しかし、量産されたものでなく、世界に一つの、作者の筆跡がそのまま残されたものを観る行為は絵画を観るそれに近いのではないでしょうか。少なくとも私が観たときは、絵画から形容しがたい感情を得たときのものと同じものを感じました。

知らなくても大丈夫!?

今まで、解いてきた魅力は漫画を読んでこそだと思った方は多いと思います。しかし、実は読んだことがなくても楽しめるのが原画展のすごいところです。前に紹介した通り、原画展はリアルと分けられた一つの世界です。そして、原画はアートです。アートならば美術館に訪れた感覚で観ることができるし、漫画というポップカルチャーだからこそ現代の人たちには楽しみやすいものだと思います。私の友達も「読んだことはないけどなんかすごいと思ったし、楽しかった」と言っていました。また、一つの世界と捉えるならテーマパークに行く感覚で観てみればいいのです。もちろん、楽しみ方はひとそれぞれなので、行ってみたいと思った方は自分なりの楽しみ方を発見してみてください。そして、それが新たな漫画オタクを生み出すきっかけになると幸いです。

参考
”ゴールデンカムイ展” https://goldenkamuy-ex.com/  (参照2022‐7‐5)
”漫画の原画は宝だ!保存・デジタル化を模策" 中日新聞 2021-4-24
https://www.chunichi.co.jp/article/242122 (参照2022-7-5) 

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