失格の畑岡奈紗選手に思う事

畑岡選手はQTからずっと応援させていただいている。
1年目は散々な成績でこのまま沈んでしまうのではないかと心配した。
2度目のQTをトップ合格で初勝利をあげるとあっという間にトップランカーに。
2021年オリンピックの代表となり、アーカンソーで2日連続のホールインワンを記録してこの年2勝目、通算5勝目をあげた。
日の出の勢いで望んだツアー選手権、2日連続-8を記録するもの絶対女王コ・ジンヨンに一打及ばす2位に甘んじ年間女王も夢に終わった。
当時コ・ジンヨンを倒せるのはNASAしかいないと言わしめた。
迎えた2022年、LAオープンで6勝目を挙げ、順調な滑り出しと思われた。
古江、渋野選手が参戦し4名となった日本人選手の「エース」と呼ばれるようになったのもこの頃だ。
この年のUS女子オープン直後ショップライトで初日-8でトップスタートした時には世界No. 1が見えていただけに残念な大会になったのを今でも覚えている。
この時畑岡選手に変わり優勝したブルック・ヘンダーソンはその直後エビアンでメジャー2勝目を挙げたのも皮肉なものてはっきり記憶に残っている.
LAで「砂粒一つ拾わないクリスピーなアイアンショット」と評された畑岡選手の代名詞は鳴りを顰め、その後不審に喘ぐことになる。
一年前大活躍したツアー選手権では最終日80を叩き世界ランクもトップ10から転落、2023年は13位スタートという不本意なスタートを切ることとなった。
しかしながら日本のエースとしてメジャーでの勝利を義務付けるかのような記事が散見されるようになったのもこの頃からだ。
本人は「5年以内のメジャー制覇」と言う目標は達成できなかったが22歳でのツアー6勝は輝かしい実績でこのままスター選手として順調にLPGAでのポジショニングも安定するはずだった.
フォーム改造により10ヤード伸びた飛距離を武器に、US女子オープン、AIG女子オープンでは最終日最終組でラウンドし、いよいよ初制覇なるかと注目はされたが敢えなく後退、最終日に弱い畑岡奈紗の印象を日本のファンに与えてしまうことになる。
続く最終戦も最終日最終組で迎えることになり、優勝すれば200万ドルの賞金と年間女王というビッグチャンスも終盤伏兵エイミー・ヤンにあっさり優勝をさらわれてしまう最悪のシナリオだった。
結果の数字は兎も角、優勝出来ない畑岡奈紗を決定づける内容となってしまった。
フォーム改造は一旦終了しメンタル面や通常トレーニングの見直しなど余裕を持った試合運びでまずは安定した成績を残すことを課題にスタートした2024年シーズンだったが、後輩古江選手の突き上げが厳しく、アイアンの精度が調整中の畑岡選手にとって辛いシーズンを過ごすことになっている.
2度の予選落ちも計算外なら、一緒に切磋琢磨するはずだったUS女子オープン3日目のラウンドでケアレスミスから大失速、最終日も80で40位台に沈んでしまう。
笹生、渋野、古江の活躍を目の当たりに、心機一転臨んだ3日間大会。
US女子オープンの結果次第では欠場の予定だったはず。
同組ユボルの快進撃に引っ張られるかの様に8番(インスタート)まで-6という好スコア。
絶好のポジションからイーグル狙いの2ndショットは僅かに風の影響もあり右サイドのプッシュに。
冷静な畑岡選手ならこの場面で無理なイーグル狙いはしなかったし、思いがけないトラブルはキャディーのグレッグからさえも冷静な判断力を奪ってしまった様だ。
プッシュに向かう途中、前週の後悔とか、伸ばし合いのフィールドで一打たりとも無駄に出来ないとか色々な想いが頭の中を巡ったに違いない。
ボールは何とか見つかりアンブレアブルから何とかスーパーパーセーブを果たしたはずだった。
LPGAでは裁定が翌日決まることは何度かあったので、畑岡選手自身もまさかは考えていたに違いない。
スタートの2時間前の裁定にショックは隠せないものの「オフィシャルがいたのに」と思わず愚痴を漏らしてしまった。
「協議会の裁定だから仕方が無い。」
これが畑岡選手の今の心境で既に割り切りは付けているはずだ。
メジャーの前にこの件に関する質問をする様なマスメディアがいれば最低(おそらくいるだろう)だが、畑岡サイドも雑念が入らない様対策は打ってくると思う。
最後のオリンピック出場をかけたKPMG女子プロにはベストな環境で臨んでいただきたい。

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