見出し画像

GSの決算結果 (2024Q1)

Goldman sachs(ティッカーシンボル:GS / セクター:銀行)が第1四半期決算を発表しています。


予想($) EPS 8.56
実積($) EPS 11.58 ⭕

予想($) 売上高 12.92B
実積($) 売上高 14.21B (+16.3%) ⭕

①【投資銀行部門】(Global Banking & Markets)

投資銀行部門売上高(Investment banking fees):2,080 M$ (+32%) 📈
うちM&Aフィー(Advisory ): 1,011 M$ (+24%) 📈
うち株式引受けフィー(Equity underwriting): 370 M$ (+45%) 📈
うち債券引受けフィー(Debt underwriting): 699 M$ (+38%) 📈

②【市場部門】GLOBAL BANKING & MARKETS / Net revenue)

市場部門売上高 (Net revenue): 9,726 M$ (+15%) 📈
うち債券部門売上高(FICC): 4,323 M$ (+32%) 📈
うち株式部門売上高 (Equities): $3,311 M$ (+10%) 📈
うち投資銀行部門売上高(Investment banking fees):2,080 M$ (+32%) 📈

③【Asset & Wealth Management 部門】

資産運用部門売上高 ( Management and other fees): 2,452 M$ (+7%) 📈


エフィシェンシー・レシオ: 60.9% 前年同期 :68.7% 📉

【GS各種レシオ】

株主資本利益率(ROE): 14.8% 前年同期 :11.6% 📈
有形自己資本利益率(ROTE): 15.9% 前年同期 :12.6% 📈
普通株式等ティアワン比率: 14.7% 前年同期 :14.4% 📈
一株当たり有形簿価 : $300.40 前期:$292.52 📈


カンファレンスコールの要約①

質問

  • 収益が好調にもかかわらず、なぜRWA(リスク加重資産 (Risk-Weighted Assets))は増加していないのか?

回答

ゴールドマン・サックスは、持続可能性のあるビジネスモデルの構築に注力しており、その結果、RWAは増加していない。同社は、ファイナンス事業とアセット&ウェルス・マネジメント事業の両方に成長機会があると見ており、顧客基盤を大幅に改善し、ウォレットシェアを獲得してきた。同社は、これらの事業の幅広さ、リーダーとしての地位、グローバルな性質を活かし、収益につなげることができると確信している。

※RWAは、銀行の健全性を評価する重要な指標の一つです。RWAが高いほど、銀行が抱えているリスクが大きいことを意味します。そのため、銀行はRWAを適切に管理し、必要な資本金を確保することが重要です。

質問

  • 償却費、減価償却費、マーケティング費などが大幅に減少しているが、このレベルは持続可能なのか?

回答

ゴールドマン・サックスは、非加盟組合と非加盟組合の成長抑制に重点を置き、人件費以外の経費ベースをより正常化した営業軌道に乗せることに成功している。これまでインフレ圧力が多くの項目に影響を与えてきたが、今期はこれまでの四半期に比べればはるかに正常な四半期であり、このレベルを維持していくことが期待される。

カンファレンスコールの要約②

質問

  • 資本市場やIBにおけるAIの可能性について、1999年、2000年、2001年のドットコムバブルと比較して説明してほしい。

  • ゴールドマン・サックス自身がAIを導入することで、どの程度効率化できるのか?

回答

  • 1999年、2000年、2001年のドットコムバブルとは比較しない

  • 株式市場の時価総額は、大手プラットフォームが牽引している

  • AIにはインフラや電力などの投資が必要

  • 投資銀行事業や市場事業では、長期的な成長が見込まれる

  • 政府もAIインフラへの投資を行っている

ゴールドマン・サックスにおけるAI

  • 生産性向上と効率化に大きなチャンスがある

  • 導入しているユースケースは、生産性と効率性に焦点を当てている

  • コスト削減よりも、生産性とスケーラビリティに重点を置いている

  • AIツールは、社員が顧客と過ごす時間を増やし、差別化できる情報パッケージを提供することを可能にする

  • アナログ的なシステムや効率的なプロセスも活用する

  • 全体的なコスト構造を検討する


カンファレンスコールの要約③

質問

  • M&Aフランチャイズは戦略的M&Aに偏っているが、スポンサー主導の活動はいつ回復するのか?

回答

  • スポンサー主導の活動は確実に回復している

  • 当四半期のスポンサーとの契約は大幅に改善

  • LP コミュニティは、金融スポンサーに対してより多くの資本還元と迅速な資本還元を求めている

  • 今後数四半期でペースが上がる可能性が高い

  • M&Aフランチャイズは、スポンサー活動の回復から大きな恩恵を受ける

  • レバレッジド・ファイナンスの案件数は、歴史的に見ても低水準

  • ゴールドマン・サックスは、レバレッジド・ファイナンスの案件数を増やすために必要な資本の柔軟性を持っている

  • スポンサー主導の活動の回復は、今後の四半期にゴールドマン・サックスにとって追い風となる可能性がある


※レバレッジド・ファイナンス(Leveraged Finance)とは、企業買収や事業拡大などの資金調達において、自己資本に加えて借入金(レバレッジ)を大きく活用する金融手法を指します。レバレッジを効かせることで、少ない自己資本で大きな投資が可能になり、投資収益率(ROI)を向上させることができる。またレバレッジド・ファイナンスは、高いリターンが期待できる一方で、リスクも大きいという特徴があります。借入金が多い場合、金利上昇や業績悪化などの影響を受けやすく、経営破綻に陥る可能性もあります。

いいなと思ったら応援しよう!