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古い車に無理やり最新ナビと最新ETCを付けた話

お久しぶりです。最近仕事が忙しく、趣味らしい趣味に時間を割けていません。

電車については仕事でよく見ていますので、趣味の範囲にはないにしても、もう一つ自動車のほうは、特にこの記事を書き出した3月末に、実に2週間ぶりに100km級で乗ることができました。

仕事があるだけ食べていけるので嬉しいのですが、逆に忙しすぎて体もメンタルもバキバキにやられてしまいました。

さて、この度は、普段から私が乗っている自動車(一応、空想会社としての記事なので『社用車』という言い方が正しいのかもしれませんが、実際にはただの自家用車です)の話になります。

ちょっとだけ車紹介

悪いことしたらすぐ足がつきそうな色の
車に乗っています

おまえそんな目立つ色の車の写真なんか上げて大丈夫かとお思いかもしれませんが、同じ車種・同じ色の車が日本中割とどこでも走っていますので、特に心配することはありません。

2015年式 トヨタ・シエンタ
ハイブリッド G (NHP170)
 という車です
車体色から「ガチャピン」と呼んでいます

登場から9年、初年度登録から8年が経ちます。元々は私の父親が乗っていて、買い替えの余剰で私のところにやってきました。もう1年3ヶ月が経ちます。

オドメーターは16万9000キロ、そのうち私が単独で2万4000キロくらい乗っています(大体の数字ですが、きっちり記録してあります)。穏やかな余生を過ごせると思った矢先、1年で2万キロも走らされてクタクタでしょう。

ただ、ディーラーでしっかり点検整備してありますので、クタクタとはいえ8年経っても故障の雰囲気が無いのは正当?順当?当たり前かなと思っています。

ナビを換えるに至った経緯

 そんなガチャピン、8年も経過していると故障こそしないものの、色々な面で"古さ"を感じる場面が多くあります。

今の車は、設定をオンにすればハンドルが勝手に動いたり、前の車に付いていったりしますが、8年前当時はこういう機能は高級車ばかりに付いているもので、庶民カーであるガチャピンに当然そんな機能はありませんでした(が、この後の3代目シエンタには全部標準で付いてるそうです。時代も変わりましたね)。

そこで私は、「自分でできる範囲で車の機能を現代化させよう、最新のものに換えよう」と思ったのです。なんでか?新しもの好きですからね。

では、自分でできる範囲は一体どこになるのでしょうか。ハンドルが勝手に動く機能は当然私はタッチできませんし、前の車に付いていく機能も私には知能が高すぎます。
運転系は最初から諦めることにしました。てか、そんなところまでDIYしてたら、車としての信頼性が損なわれてしまいます。

次は室内です。室内の装備は案外ハードルが低く、取説に載ってない作業内容でも小手先の道具さえ持っていれば簡単に取り外しとか交換とかできます(推奨はされません!)。

ナビだな、と勘付きました。

元々このガチャピンには、オプション設定のエントリーナビが付いており、買ったら買ったきりで地図情報が更新されないタイプの安いのが付いていました。

見にくいが、中央下。これが旧ナビ

最初はナビを付け換えることなく、中身の地図SDと言われるものだけ最新版にできれば万事解決、と思ったのですが、その最新版が2021年止まりとなってしまっていました。今後も乗り回すことを考えると、都合が悪いです。

型番を入れると最新の地図データの変更内容が
見れるサイト。ちなみに「NSCP-W64」というやつ

なら思い切って、この先もサポートがある最新機種に付け換えてしまおうと決意しました。

機種選び

何でも良かったといえば聞こえが悪いですが、2023年発売の最新モデルが欲しい、というのは譲れませんでした。
この度ナビを付け換えることで作業の流れを覚えれば、もしガチャピンから乗り換えることになってもナビだけ使い回せる、と踏んだのです。サポートがより長く効く最新モデルが良い、というのは誰でも思うでしょう。

そんなこだわりから浮上したのは「NMZK-W73D」という型番のナビでした。

元々はダイハツ車に付けられる機種なのですが、トヨタ車とダイハツ車では配線やソケットがほぼ共通仕様となっており、互換性があります。

ただし、起動画面はトヨタとダイハツで違うので、こだわるならトヨタ仕様のナビを選ばなければなりません。
私は起動画面なんて特に見ないので、より安価で売られていたダイハツ仕様を買いました。

新品定価10万円のところ、新品未使用
6.5万円で転がっていた。恐るべしメルカリ

数日後、出品者さんお手製の段ボールに入った新品未使用のナビが届きました。
撮っていませんが、本体には保護ビニールが貼られており、袋入りの取説、付属品、全部揃っていました。メルカリにしてはいい買い物でした。

型番「NMZK-W73D」にもしっかり見方がある
JVCケンウッド製らしい

と、ここまでの話はおおよそ10月末のこと。実はこのナビ更新は、11月に控えていたデザフェスに備えてのものでしたが、結局作業できる日がなく旧ナビのまま東京へ。

その後、神戸に帰ってきてからもしばらく放置気味でしたが、11月末にようやく重い腰を上げて作業に取り掛かったのでした。

変換地獄

2015年式と2023年式では、当然その機能や情報の取り方に差異があります。
前述のように、トヨタとダイハツでは端子に互換性があり、電源やスピーカーの線、ワンセグのアンテナは旧ナビに付いていたのをそのまま利用できました。
しかし、問題はそれ以外で、例えばバックモニターの線はそのままでは繋がらないし、ステアリングスイッチもそのままでは繋がらない。端子の形状が違うことによる壁が大きく立ちはだかっていました。

アンテナ線の変換部分を繋いだ様子。
黄色の映像端子はバックモニターのつもりで
繋いだが、いらなかった
最終的には変換だけでこんなになってしまった
車側の端子に電線を直接刺すパワープレイを
しなければならない箇所もあり、リスクが伴う

結局、当時純正のままだったETC1.0ユニットはこのナビとは連携できず、電気だけ取って単独で動作させるようにしました。ここも時代を感じるのですが、なんとナビがETC2.0にしか対応していなかったのです。

次にテレビですが、このナビでは家庭のテレビと全く同じフルセグ放送が受信できます。
ただし、安定して受信するにはアンテナ線が4〜5本必要で、本来はそれらの端子をすべて埋めるのが正解なのですが、車で見るテレビに画質は求めていない(そもそも音しか聴いてない)ので、旧ナビから継いだ1本のみを接続しています。
ちなみにアンテナ1本だけでも電波が良ければフルセグ受信できます。すぐ途切れますが。

そしてバックモニター、ハンドルの動きに連動して目安線が動く機能が旧ナビ・新ナビ両方にあり、使い回せるはずだったのですが、そのハンドルの切れ角情報の取り方が異なっており、新ナビに継ぐことができませんでした。専門的な言葉を借りると、ガチャピンから生えていないCAN信号線から情報を拾っているようです。

が、自分はそもそもバックモニターや動く目安線に頼って運転しているわけではないので、別にそれは大きな問題ではありませんでした。

結果としては成功

変換地獄リスク地獄の接続で、一部捨てざるを得ない機能もありましたが、結果的には満足に動作するようになりました。
バックモニターも写っていますし、ステアリングスイッチも使えます。GPSも旧ナビのものが使えていますし、トンネル内でそのGPSが取れなくなったとき用の車速パルスも入力できています。

ETCは、ナビから電源だけ取って使うことができています。本来この二つは連動していて、車載器管理番号や利用履歴をナビから見ることができますが、滅多に見ないので長らく放置していました。
「料金〇〇円です」というのも、連動していればナビから喋りますが、別にしてなくたって車載器本体が喋るので問題ないです。

国内純正ナビなのに韓国語設定が。わからん

2024年3月、いい加減独立していたETCを連動させようと思い、また道路情報の高度化を図る意味でも、車載器を新調しました。

というのは少し嘘で、実際にはETC2.0+光ビーコンの組み合わせで「TSPS」というロマン機能が使えると知って試してみたくなったのです。詳しくは、「TSPS 道路」で検索してみてください。

せっかく買うなら全部入りETC2.0でしょ

新ナビがケンウッド製だったので、同じメーカーなら心配ないだろうという安直な理由でケンウッドの車載器にしました。

さて付け換えです。ナビ裏に「ETC2.0端子」があり、車載器に付属していたケーブルを繋ぎ…繋がりません。過去ナビ本体の付け換えに苦労した記憶が呼び戻され、イライラは最高潮に。

コネクタ規格、ノイズ対策ガン無視
電子工作用の電線で何とかなった

線だけ取り出して、端子は関係ないようにしてしまいました。これぞパワープレイ。

同じメーカーでも、プライベートブランド用と、新車オプション用純正ナビでは規格が異なるようです。知りませんでした。

パワープレイが通用してしまった
新車載器は、旧式よりも一回り小さく、隙間が出来た

こちらも結果は成功。これで、旧ナビでできて新ナビでできてなかった事が一つ減りました。

ETC車載器は買ったばかりの時は車の情報が載っていないので、そのへんのお店でセットアップしてもらいました。
勝手がわからず店員さんに教えを請うたところ、車検証と車載器管理番号を貸して下さいと言われたので、取りに行って帰ってきた机に置かれていたのは、ETC1.0(旧版)の申込用紙。「あ、2.0ですか?」と物珍しい目で見られながら、セットアップ完了。3,300円也。

ETC2.0、うるさいけど最高

実際に高速に乗って走ってみますが、これが非常に良いです(買ったばかりで目新しい機能だからというのもあります)。

これまで道路情報は、ハンドルのボタンを押してAM1620kHzを選んで、耳だけで聞くという作業がありました。
個人的にハイウェイラジオは好きなので、旧来の方法でも不自由は無かったのですが、やはり新しいのは凄いです。
一定の地点を通過すると勝手に「〇〇まで何分です。渋滞情報です。急カーブです。工事規制です」とか喋るし、簡易な地図も出ます。
地図が出るのはデカいです。土地勘がない場所で役に立ちそうです。

一般道はもっと凄いです。先述の「TSPS」ですが、ここで平たく説明しておくと赤信号の残り時間を教えてくれます。対応交差点はまだまだ少ないってかそんなもんに頼って運転するなという意見はごもっともですが、やはり時期を知れると安心感がありますしストレスフリーです


公道で使えないお遊び機能(アマゾンで買った)。
結構楽しい

ETCが旧セキュリティだなんだと言われている中、先に新型に換えておくことで、駆け込み需要を狙った値上げを回避できたのは一つ良かったと思います。道路情報も高度化したことで、一般高速問わず走るのが楽しくなりました。

苦節半年、費用はナビ(メルカリ)・ETC(新品)・電線類(在庫)など安く買えるところを駆使して全部で10万円ほどに収めました
割高感は否めませんが、ディーラーオプションよりは安上がりだろうと思っています(そもそもナビだけで正規価格10万円超えます)。

別にETC2.0を強くおすすめする意図はありませんが、もし車に割くお金に余裕があれば、ぜひ換えてみたらいいと思います。

ただ、ナビを換えるべきかどうかについては疑問があり、最近は携帯で全部案内が完結するために、その存在意義が薄れている側面もあります。
ETCの交換はぜひとも!と言いたいところですが、ナビの交換に関してだけはう〜ん、となってしまいます。
安い買い物ではありませんので、もし興味がある!換えてみたい!となっても、いっときの感情で買ってしまって車に付きませんでしたというのは洒落になりません。事前によく調べて、ある程度見込みが立ってから購入されると良いと思います。

以上、ナビ・ETC交換談でした。