新しいカタチへ vol.3 (人生を変える出会い・・・)


バース、掛布、岡田、伝説のバックスクリーン3連発からのタイガース優勝の余韻冷めやらぬ翌年春、家具業界に足を踏み入れた私。

就職先の家具商社は、当店とも取引があった会社です。
昔でいうところの丁稚奉公のようなもの。
そして、その会社での私は、腫れ物に触るような扱いを受けたのでした。
お得意先の大切なご子息・・・ そうなるのも仕方ないか・・・
そんなことを思いながら日々を過ごした記憶があります。
それは、決して居心地のいい環境とは言えません。
さらには、ハンバーガーチェーンでの最新鋭のテクノロジーに囲まれて仕事をしていた私にとって、アナログ感バリバリの家具商社は目新しさもなく、ただただ重労働の毎日に、嫌気すら感じ始めていました。

「お前、何やってんねん・・・ やる気ないやろ!?」
「オモロないねやろ!?」
就職して半年ほど経ったある日、違う部署の先輩から倉庫へ呼び出されて言われた一言でした。
その人こそ、その後の人生に大きな影響を及ぼすYさんでした。
彼は百貨店担当で身なりも他の社員さんとは全く違い、オシャレでユーモアがある人でした
「こんなおしゃれな人が家具業界にいはるんや・・・」入社当時、そのことが印象的でした。
「はい!やる気ありません。」                     ごまかすこともなくハッキリと言い切ったことを昨日のことのように覚えています。
それほどネガティブな思考になっていたのです。

「オイ!今日一日、俺に付き合え!」
鋭い目つきで、いきなり私にそう言うと・・・
「イタル(彼からは名前で呼ばれてました)を借りるで!」
私の上司にそう言い放ち、彼の営業車に乗せられたのでした。

どこへ連れて行かれるのか・・・?
何をやらされるのか・・・?

でもそれは不安ではなく、会社に入って何故か初めてワクワクした気持ちになったことを覚えています。そして、その日は、私の期待を超える出来事が次々に起こった、一生、忘れられない日となるのでした。

つづく

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