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丸に梅鉢SS・B『蛇男との邂逅』

「蛇」について、どんなイメージがあるだろうか。

気味が悪いという意見もあるだろうが、基本的に「蛇」とは縁起の良い動物だ。

インドにおいて、白蛇は弁財天(豊穣や財畜の女神)の化身とされている。

日本でも大国主という国づくりの神様が白子神社という神社に「白蛇の姿で現れた」という文献が残っている。

大国主と同一神である大物主が祀られている大神神社にも、「妻に迎えた百襲姫(モモソヒメ)の前に蛇の姿で現れた」という言い伝えが残っている。

そうして、白子神社にも、大神神社にも、今なお、蛇神が祀られている。

蛇は神様そのものを表すときもある、大変縁起の良いものである。

それを踏まえ紹介したい神話・民話がある。

一つは、先ほども紹介した「蛇である大物主が人間の百襲姫(モモソヒメ)を妻に迎えた」という話である。

もう一つ、中国の『白蛇伝』だ。簡単に言えば、「人間の男性と、白蛇の化身である女性との恋物語」だ。

そしてもう一つ、ギリシア神話にも『ラミアー』という「蛇女と若い青年の物語」が残っている。

つまり、蛇が人間と恋に落ちるという物語は、1000年以上も前から各地に残っている。

私のこの『初夏の蛇』という楽曲は、「蛇男と、人間の少女の恋の物語」を描いた曲なのだ。

この曲を作った当時、白蛇と人間が恋愛を繰り広げる神話・民話が残っていることを全く知らなかった。(なんなら、このコラムを書くために調べ、初めて文献として沢山残っていることを知った、というのが正しい。)

それにも関わらず、なぜ私はこの楽曲を作ることができたのか。
その秘密を、少しだけ紹介したい。

私は、つい1年ほど前から急に「視える」体質になった。
それまでは、神話や民話、宗教の類にも全く興味がなく、むしろそういったものへの信仰心に対し、やや斜に構えたところがあった。

そんな私が

「視えているという自覚も感覚も全くないまま、前世で味わった神話や伝承の世界線の物語を降ろしてきた」

それがこの曲、『初夏の蛇』である。

まだ「視えていない」私が、その白蛇と邂逅した当時の体験を振り返る。

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