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渡邊レノファが進化の先で、ぶち当たってしまった壁

どうも!

三度の飯より合理的な準備と修正により試合のペースを握った上での勝利が好き、イタチです!

久しぶりのnoteです!知らない人に向けて説明すると、実は普段はstand.fmというアプリで↓
https://stand.fm/episodes/611125f89a2fe90006f3c641

「レノファな日曜日」という、レノファのことに関して一人で30分話す鬼強コンテンツラジオをしているのですが、その中で毎週、試合を分析して自分なりにまとめて何が起きてたのかを解説するコーナーがあります。

今週は試合が月曜日開催で深い分析ができなかったということで、より多くの人にレノファ山口の素晴らしさを理解してもらうためにも今回だけこちらで分析報告をさせていただきたい所存でございます。

毎回スタートダッシュはつまずきがちなので早速本題の方いきたいと思います!


1.基本布陣

まずは両チームの基本布陣です。

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こんな感じでして、(喜山選手の名前を喜田と間違えてます。ごめんなさい🙏)基本的にどちらも変わらないのですが、ひとつだけ、どちらとも共通して新加入の選手がスタメンに名を連ねてます。

岡山の方で言うとミッチェルデューク選手。

この選手に関してはこの、僕の声に似てる人がYouTubeで解説してるのでこちらをご覧ください。 

https://youtu.be/zgTuh8MmcwQ

で、我らがレノファは大槻選手が早速スタメンでした!個人的に僕は大槻選手は小松蓮タイプだと思っていて、
https://twitter.com/iiiiiiitachi/status/1418121622532227074?s=20

こういうツイートもしたのですがデビュー戦は意外なシャドー起用でした。

ではこれがうまく機能していたのか、そちらについても触れながらお互いがどういう試合運びをしたのかを解説していきます。


2.試合序盤〜準備万端のレノファと瀬戸際で守る岡山〜

前半は確実にレノファペースで試合が行われてました。それはいくつかの理由がありそこには渡邊監督の準備がしっかりありました。

まず攻撃、ビルドアップですがレノファの攻撃時の配置はこんな感じ。

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最近は楠本を高い位置に持っていき、代わりに神垣を降ろす形を多用していましたが、今回は初期配置通りの形でした。ただ、これにはレノファがビルドアップを有利に進められる重要なポイントがあるんですね。

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それがここの赤丸で囲んだスペースで数的優位を保てていることです。

このスペースを僕はボランチエリアと呼んでいます。(理由はボランチがよくポジショニングしてるスペースだからです!単純!)なのでこの文章内では以降、ボランチエリアと呼ぶことにします。

ではなぜそれが重要かというと、サッカーにおいて一番最初に攻撃が始まる部分はほとんどが最終ラインからになります。そうなるとボールを持っている選手が一番簡単に、そして正確にパスを出せる場所で尚且つ相手に対して効果的な場所がここのスペースになってくるからなんですね。

では「効果的」とは具体的にどういうことなのか。

岡山側もボールを取らないことには勝てないので必然的に前からボールは奪いにきます。そうするとボランチエリアはパスを通されてしまうと簡単に前進されてしまうスペースなので岡山的にも抑える優先順位は高くなります。なのでこのような形になって対応してきたのですが、

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見てもらえたら分かる通り岡山のボランチが前に出てくるので、今度は赤丸で囲んだライン間のスペースが空いてくるのであります!

なのでこのボランチエリアを取ることによって、より簡単に前進するためのスペースを空けることが出来るんですね。

それをレノファは意図的に作り出し狙っていました。というかレノファはこの攻撃をシーズン通して狙いとしてやってます。おそらく。

あとこの試合に関しては普通に岡山がレノファに対して攻守ともまったく対応してきていませんでした。3:33のシーンなんかは分かりやすいですが、

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渡部が中央でボールを持っているんですけど岡山は出し手を抑えるための前からの守備を出来ていません。それだけならまだいいのですが、更に

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高井がライン間に降りてくることによってライン間の受け手の方も数的優位を作れてるので、岡山としては出し手側も受け手側も抑えることが出来ていない、つまりただただボールを追うことしか出来なくなっています。

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なので池上がこのスペースでフリーで受けることができて前を向けたため、チャンスに繋がったシーンでした。

岡山に関しては他の試合を見ても相手に対して準備をしっかりするチームでは無かったので、こういうお互いに体力があって、疲労を感じずに動けた時間帯で得点に繋がっていればまた結果は変わっていたのかなとも思います。


さあ、ここまでは攻撃に関して話しましたが、守備の方はどうだったのか?という声が聞こえてきますね。あらあら、しっかり聞こえてきます。大丈夫ですよ。その声、聞こえてます。

結論から言うと守備も非常に良かったです。

これは「この試合だけ」というでみるより、今までの試合も含めたで見ると、より改善点とそこの修正の過程が見えてきて分かりやすいです。

この試合での守備の形は、

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こういう形になっていて、そこまでレノファをフカボリしたことない人は「あれ?高井の位置と池上、大槻の位置がおかしくない?」と思うかもしれません。ただ僕が嘘をついてるわけではありません。本当にこうなっているのです。では実際の画像を見てみましょう。

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ほらね!

あの図通りになっているのです。

これには明確な意図があります。そしてそれを語るには今までのレノファについても触れないといけないんですね。。。

まずレノファの守備の最初は4-4-2で2トップがどちらかのサイドに誘導して逆サイドを捨てるやり方でした。ただ、中々結果が出ず、サイドバックが釣り出された時の4バックのスライドの難しさもあり、そこを京都戦から5バックにすることによってスライドによるリスクを減らして改善しました。5-2-1-2を使っていて、守備時はトップ下の池上が右に降りて5-3-2を作り、中央を固めつつ、相手のサイドバックにはウイングバックとインサイドハーフが臨機応変に出ていき、4-4-2を曲面的に作るやり方にしたのですが、ウイングバックとインサイドハーフの出ていく基準が曖昧で、同時に出ていってしまいスペースをかなり空けてしまうことがあり、そこを使われるシーンが多くなりました。長崎戦なんかはそこを思いっきり使われた思い出があります。そういうのも経て5-2-3に変更しました。ただ最初は5-2-3でも今とやり方が違って、トップがボールを持ってる選手にプレスにいっていたのでその後ろのボランチエリアをどうケアするのかという問題が出てきてしまいました。。。

というわけでこの流れを全て辿って、トップが前に出なくていいのでボランチエリアが空きにくく、サイドバックの所はシャドーがコース切りながらプレスに行き、出された時はウイングバックが出て行く、という、ボールの出し手も抑えられるし、ウイングバックも簡単に吊り出されなくていい、更にボランチエリアのケアもリスクかけずに出来てるという今の形に落ち着いたのだと思います。この流れを見ると今の守備のやり方がいかに合理的で素晴らしいのかが理解できるかなと思います。


3.試合中盤〜作り続ける良い形とそこを活かせない個の質〜

先ほども説明した通り、レノファは攻守において素晴らしい準備のもと、試合を運んでいました。ただ攻撃で中々最後の所まで行ききれないことが続きました。

ここに関してサポーターの方から批判の声を浴びていた印象ですが、僕はここに関してはしょうがないことなのかな、と思います。

理由は単純な個の技術の部分で判断ミスだったりボールロストが発生していたからです。

2:41のシーンなのですが、

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ヘナンがボールを持っていて、ボランチエリアにいる田中陸に岡山のボランチのパウリーニョが吊られているので画面には映っていないですがライン間が空いていると予想されます。

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ですがヘナンが選んだのは裏に対するロングボール。この時点ではもしかしたらライン間に人がいない、もしくはライン間に降りている選手に相手のCBが吊られているのでその背後が空いていてそこを狙った可能性もあります。ただ、カメラが動くと、

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ブレてるので分かりにくいですが、しっかり大槻が裏を狙ってラインを押し下げてるので、良いタイミングでライン間に降りている高井がフリーになっていて充分ボール受けてから前向けるスペースがあります。

こういう所に出せていたらもっとチャンスは増えていたかもしれません。ただそれは中々出来ないというのは今までのヘナンのプレーを見ていても明らかですし、そこを求めるのは野暮なのです。

更に、ライン間が空きやすい状態は作れていたのですが、そこでの池上と大槻の受け方のバリエーションが少なかったというのも攻撃停滞の理由としてはありました。

どうしても島屋と比べてしまうのは可哀想なのですが、相手を騙す駆け引きだったり、ほんの少し位置が低い、高いというのがあって、又、大槻に関してはシャドーで使うよりもトップに使ってそこから相手背負ってポストプレーをして味方シャドーの選手に前向きでボールを受けさせてあげるのがベストな起用法なのかな?と僕は思ってるのでそこら辺でもミスマッチがあったのかなとも思います。あと普通に岡山の2CBが素晴らしい出足の鋭さでそこを潰してたというのもあるのでしょうがない部分ではありました。

ではそこでレノファは終わってしまうのか。

いいえ、そんなことはありません。


4.試合終盤〜狙いの修正と守備の限界〜

後半からレノファは少し狙いを変えたと、僕は感じています。それはこの渡邊監督の試合後コメントにも現れていたと思います。

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要約すると「一番優先順位が高い選択肢は相手の背後だからそこが空いてたら出せよ」だと思います。たしかに岡山の2CBの出足が速い分、最終ラインの人数は瞬間的に少なくなりスペースは空きやすくなってるのですが、ライン間に縦パスを入れてしまい、ボールを失うシーンが多かったです。なので「ごもっとも」な意見でした。

そしておそらく後半開始前にここは指摘されたと思うのですが、僕はこの指摘を選手達が違った捉え方をしてしまったのかな、と思いました。

先程言ったレノファの狙いの変更、それは裏へのロングボールを増やした所です。おそらくですが、こういう当事者達の発言と、ピッチ上で起こっていた現象から推測すると渡邊監督は「第一選択肢を背後、そこが無理なら次に優先する場所」という考えだったんだけど、それを選手達は「じゃあ裏を狙っていこう」という風に捉えてしまったのかなと思います。

それによってかなり全体的に位置が前になり、ウイングバックが高い位置にいすぎてCBからの距離が長くなってボールが繋がりにくくなっていました。更に、52:55のシーンのように田中陸が良い位置で、前向きでボールを持っていたのですがライン間でフリーの池上ではなく、対応されてるけど裏を狙う高井にパスを出して繋がらない、みたいな判断ミスも段々増えてきて、攻撃がうまくいかなくなってしまいました。

更になんといっても守備の部分で疲れからかシャドーが前に出て行けなくなってしまい、ズルズル下がるのでボールを奪えなくなってしまいました。そしてCBがフリーでボール持てる分、配置的に空きやすいサイドバックの位置にロングボールでバンバン振られるようになってレノファは防戦一方のような状態になってしまいました。特にここでは岡山の白井選手の動きがかなり厄介でした。サイドに展開されたときに相手の背後だったり走られたら嫌なところを必ず走ってくるのでかなり石川の裏のスペースを白井選手に取られることが多かったかなと思います。

ここが個人的には一番まずかったかなと思います。やはり守備が出来なくなってしまうとボールが奪えなくなるので攻撃も出来なくなってしまいます。そんな中で疲労がかなり見られた池上を最後まで変えなかったのは悪手だったと感じました。もちろんキャプテンとセットプレーのキッカーというのもあり残したいのは分かりますが、そのせいで前からいけなくなっていたのでここは今後もっと考えていかないといけないのかなとも思います。

そんな感じでずっと岡山の流れのまま、セットプレーで失点してしまい、そこから取り返せず、敗北を喫してしまいました。僕的には内容で勝っていた分、それが結果に繋がらない、しかも勝てば確実に順位が上がる試合だっただけにとても悔しさが多く残りました。

ただ、そこで感情的にならずに、冷静に良かった点と悪かった点をお伝えするのがレノファのためであり、僕ができる唯一のことなので、これによってレノファが求めて築いた過程を少しでも多くの人に理解してもらえたら嬉しいなと思いここに綴らさせていただきました!

分かりにくい部分もあったかと思いますが、最後まで聞いてくださりありがとうございました!

これによって少しでも僕に興味持った方は↓の媒体でも活動しておりますので是非一度聞いてもらえると嬉しいです!

https://stand.fm/episodes/611125f89a2fe90006f3c641

それでは、ばいちゃ!


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