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【復習:POOLO JOB】片渕ゆりさんの「伝えるための文章・取材・写真講座」

この記事は、POOLO JOBの講義の復習です。

5月13日に「伝えるための文章・取材・写真講座」の講義がありました。講師は片渕ゆりさん、旅をテーマに写真と文章のお仕事をされています。
片渕さんのケーススタディを交えて、旅にまつわる取材記事のノウハウを文章と写真との両面から教えていただきました。
特に、リアルな失敗談は聞いている私も冷や汗モノで、その防止策も伝えてくださったのはありがたかったです。


取材記事の文章に必要なこと

最初に、個人の日記やブログと仕事として書く時の文章との違いは何かというお話から始まりました。
片渕さんが大事にしているのは伝わりやすさ。取材記事はメディアありきなので、どういう記事を求めているか、どういう企画をしたくて自分をアサインしてくれたのかをまず考えるそうです。

もう一つ、当たり前のようですが、正しい情報であること。メディアの信頼にも関わるので、正しい情報を過不足なく届ける責任感も大切です。

記事で一番大切なのは伝わりやすさ。自分自身のオリジナリティも大事だけど、そちらは自分のSNSで発信して、仕事としての文章はスイッチを切り替えるように使い分けるといいとのお話でした。

よい取材は入念な準備から

取材が試合だとしたら、準備は練習でやる日々の素振りのようなものだと、下調べの大切さを説いてくださいました。

【スポットの下調べ】

  • ガイドブックとWebサイトの両方をチェック
    特にガイドブックは、歴史や特色などをプロがまとめたものなので場所の理解に重宝する。2~3冊読み比べておくと、大事なスポットを見つけたり、自分の取材とどんな違いが出せるかが考えられる。

プラスアルファで、その場所にまつわる本を読んでおくと、現地でアイデアが湧いたり、執筆時に言葉を見つけやすくなったりするのでオススメだとのこと。

  • Googleマップにリストを作っておく
    事前にピンを打っておくのは必ずする。地理が頭に入るので、スポット間の距離感がわかり、予行練習もできる。いざ何かあった時に頼れる場所もリストに入れておく

取材は緊張もするので、道に迷ったり予期しないできごとが起きることがあるそう。そんな時にすぐ住所が出せる状態にあるといいとのアドバイスでした。

  • 編集者の連絡先を教えてもらう
    取材中にコンタクトが取れる編集者の連絡先を事前に聞いておくこと。

現地に行くと事前調査とは違う様子だったこともあった片渕さんの経験から、緊急時に連絡が取れる方法を教えてもらうのは、必ずやっておいてほしいことだそうです。メールアドレスだけだと、土日で編集側が休みのケースもあります、今までいっぱい失敗してきたからこそ、基本中の基本だけど絶対覚えていてほしいと、強調されていました。

【取材写真の準備】

  • 現地に行く前にマストの写真を洗い出す
    建物や食べ物には、かっこいいキメの角度があるので、それを把握してから行くこと。
    それにはまず、公式サイトをチェックしておくと間違いがない。instagramでも検索をして、ユーザーがよく見る角度もチェックしておく。公式とは違う角度を持っておくと、自分の引き出しが増える。

オリジナリティは学びからしか生まれないと、何度か片渕さんはおっしゃっていました。
いきなり自分だけの素晴らしい角度と構図を頭の中で生み出して写真を撮れる人はいないか、もしくは天才だけだと。どんな風にみんなが撮っているか、どんな風に公式が撮っているかを知った上で、滲み出てくるものが自分のオリジナリティにつながるとのこと、私も心に留めておきたいです。

  • 撮影計画を作る
    参考写真をスクリーンショットやメモにして、現場で見れるようにしておく。自分が見るものなので雑なものでOK。

いざ取材に行った時、スムーズに撮影ができ、撮り忘れも防げるtipsです。

取材時の写真撮影について

【写真撮影の要点】

  • いろんな角度で撮っておく
    正面と横から、縦長と横長の2構図、おのおのを近寄ったものと引いた遠景を撮っておく。撮る段階では、どの写真が最終的に選ばれるかがわからないのと、メディアによっては縦長を好んだり横長で統一しているケースもある。

片渕さんは写真を撮りすぎで困るよりも、撮っていなくて困ったことの経験の方が多いので、迷ったら撮っておくことをオススメされていました。

【基本の構図】

まず、心がけたいのは水平垂直。
縦のものはまっすぐ縦に、横のものはまっすぐ横にする。王道だが自然に見える写真になる。撮影時に画面を九分割したグリッドを表示できるので、それを利用する。

  • 定番の日の丸構図
    日の丸のようにど真ん中に写したいものがくる構図で、被写体を主役にする時に有効。シンプルな分、縦横が歪むと目立つので、真っ直ぐに撮る。

  • ダイナミックさが出る対角線
    斜めに画面を横切る対角線を出す構図。
    建築のシャープさや奥行き感が表現できる。

  • 額縁構図
    窓などを四角や丸で切り取った構図。
    建物や窓があった時に有効。

このような構図をバランス良く記事の中で繰り返すと飽きなくてよいです。取材写真も記事のように伝わりやすさを大事にすること。構図がしっかりしていると、主役やメッセージがはっきりします

【光について】

構図と一緒に大切なのがが光。
光の向きには3種類あり、撮影対象によって使い分ける。

  • 順光
    真前から当たった光。
    色や形がはっきり写って、ものがクリアに写る。
    見やすい写真になるが、影が消えて平坦になってしまうことも。

  • 逆光
    後ろから当たった光。
    透き通るものの質感が出る。ガラスや髪の毛など、透明感を出したい時に重宝。

  • サイド光
    横から当たった光。
    凹凸がはっきりする。料理を撮影する時に陰影が出て、おいしそうに見える。

取材写真は自然光こそ正義なので、お日様の光で取れるようなシチュエーションを探す。建物の中だったら、影がきれいに落ちてコントラストがでる場所を探す。

最後に、取材でクタクタの夜にも絶対に必要なのが、バックアップをとること。取材はやり直しができません。片渕さんはデータは命の次に大事だと思っているとのこと。

記事提出後の赤入れは宝物

記事の提出後に、編集部から記事に入れられた赤い添削は宝だとのこと。赤入れの数だけ自分の文章が上手くなっていくので、真っ赤になって原稿が帰ってくるとラッキーなくらい。
むしろ入らない方が心配なので、「いい記事を一緒に作っていきたいので何か気づいた点があったら教えてください」と編集部にフィードバックをお願いするくらいの姿勢でもいいそうです。

以上、片渕さんの講義のまとめでした。
爽やかな雰囲気の写真がステキで、心を鷲掴みにされました。
8月の私の目標は、写真のスキルをアップさせることなので、この講義の教えを発展させたいです。

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