ワインを通じて一歩踏み出したら広がった世界
家と職場の往復だけだった2002年にイタリアへ留学し、この地で働き始めたのは2006年。最初は何もかも新しくて難しくて必死にしがみついていたが、年月が経つと状況に慣れてしまう。10年も経った日には、毎日退屈していた。
家と職場の往復。仕事に行って、帰りのバスに乗り、降りるバス停の前にあるワイン屋さんで、たまに赤ワインのボトルを買うのが楽しみだった。
変化のキッカケは、気に入っていた銘柄のワインがそのお店に入荷されなくなったことだった。ある日、お店のオーナーは「もうあれは置い