見出し画像

ドッグ、あるいは人間トレーニング(4)

トレーニングを始めて早半年ほど、私とベイリーの関係は変わったと思う。犬は場所と行動を結びつけているので、家に帰れば、相変わらず甘えん坊に戻り、へそ天で寝る。歩かない散歩に行くときは、わんぱく坊主でフィールドを走り回る。そしてトレーナーのグラウンドに着くと、キリッと真剣モードに切り替わる。そして、私たちの絆は深まったように思う。

8. 三歩進んで二歩下がる

何ごとにおいてもそうなのだろうけど、トレーニングには終了はない。地道に精進を続けるに限る。人間も犬も「今日は調子いいぜ〜」という日もあれば「何だか、今日は噛み合いまへんな」という日もある。それでも続けていけば、得るものはある。ただ、トレーニングのときは、犬に間違ったサインを送らないよう、常にメリハリを持って接する。いい仕事をしたらしっかりほめる。間違っていたら、正す。そのままにしない。そして、遊ぶときはしっかり遊ぶ。
私のトレーナーは「散歩に行くときは、犬らしくしっかり遊ばせてやんな」と言う。ごもっともだ。

最初のハントテストまでは、新しいことを学ぶ喜びと興奮でいっぱいで、テストもあまり緊張もせずに受けた。

狩りのシーズン直前にケガで2週間安静。その後1週間夫と狩りに出かけてしまった。

狩りから帰ってきて「はてさて、どこまで忘れちゃったか」と半信半疑でトレーニングに戻ると、ベイリーはブランクを感じさせない、素晴らしいチームワークを見せた。この子は、状況によって、ハンドラーによって、きちんと働き分けができる子なんだなぁとあらためて感心した。

現在、ハントテスト合格4回。あと1回でシニアハンターのタイトルを獲得する手前でシーズン終了となり、来春まで持ち越しとなった。冬も、天候の許す限り、トレーニングは続けることにした。お互いの健康管理とモチベーションをいかに保つか、これもキーとなりそうだ。

冬の間は、この秋にベイリーのお手柄でいただいた鳥の料理の話を書いていこうかと思う。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?