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DSBにチャレンジ5 グッディ柳瀬さんの『なぜ九州のホームセンターが国内有数のDX企業になれたか』を読んでみた。(前編)

ただいま、理由あってDATA SABERにチャレンジ中です。で、DATA SABERに認定されるためには、導く力の証であるコミュニティ活動の一環として、Tableau関連のブログ記事の投稿が求められており、こうして書いている次第です。

今回は、グッディの社長である柳瀬さんの『なぜ九州のホームセンターが国内有数のDX企業になれたか』を読んでみましたので、その内容を2回に分けてご紹介します。

まず、この本の概要ですが、アマゾンの紹介をみると、以下のようになっています。

第1回日本DX大賞「大規模法人部門」の大賞を受賞したグッデイのDX成功物語。九州のホームセンターがゼロからDXに挑戦! メールもホームページもなかったグッデイが国内有数のDX企業になれた5年間の取り組みをあまさず紹介。経営幹部、デジタル担当者だけでなく若手社員におすすめの一冊。

日本DX大賞受賞、メールもホームページもない、ゼロからのDXに挑戦した成功物語など、いろいろパワーワードが飛び交っていますね。

DATA SABERの役割は組織にデータドリブン文化を根付かせることなのですが、DXにしろ、データドリブン経営にしろ、掛け声はいさましいものの、実際にはなかなか進まないというのが実態ですよね。

それが、グッディでは何もないところからいきなりDX大賞を受賞するまでになったということで、その秘訣はなんだろうと誰もが思うところです。

で、この本を読んでみてなるほどと思ったところがいくつかありましたので、書き留めます。

DXがうまくいった要因

①何もないことが却ってよかった。
グッデイには、メールもホームページもありませんでした。あるのは、紙、FAX、スタンドアローンのPCなど、情報共有や伝達、コミュニケーションのツールのほとんどすべてがアナログでした。でも、これは一気にデジタルトランスフォーメーションするならば、好都合といえます。DXがうまくいっている企業は、最近立ち上げたばかりのベンチャー企業やグッディのようにデジタル化が全く進んでいない企業かと思います。なまじIT化を進めていた企業や組織ですと、レガシーなシステムが重荷になってDXが進まないものです。

②トップ自ら手を動かして実践した。
柳瀬さんは先代から経営を引き継ぐ形でグッディの社長になられたそうです。で、経営の立て直しをするためにDXを推進したわけですが、コンサルやITベンダーに頼るのではなく、自ら実践的にデータ分析基盤の環境整備やデータ分析ツールの利用、デジタルコミュニケーションツールの利用を率先して活用しています。このTOP自らやるというのは、DXが進んでいる企業や組織の共通点だと思います。

③社員全員が使うような仕組みを構築(投資)している。
DXの推進といっても一部の先端的な組織だけがガンガン進めているけど、他の部署は全然なんだよねという企業は多いかと思います。グッディでは、LINEを使ってみたり、ノートPCでグーグルワークスペースでの会議、Tableauでのデータ分析など、社員全員がデータを共有しながら業務を進める環境と教育の投資をしています。この投資を出来るかどうかがポイントで一見してROIを出せるものではないDXに対して、TOPが理解して実践しているからこそ、会社全体へのシステム投資、人材教育面での投資ができているのはないかと思いました。

④システム構成がシンプル。fit to standardを実践
これもDXが成功するかどうかの分岐点かと思います。データを活用したり、データ分析の結果を正確に、迅速に、同じ粒度で伝達するためには、仕組みとしては、クラウドを利用してサクッとシステムを構築したほうがいいのですが、多くの企業が社内データをクラウドに上げて利活用することに躊躇していますね。グッデイでは、業務用のシステムからオリジンデータをGoogle BigQueryをDWHとして利用、ここでETLして、後はTableauOnline等を利用して情報共有を図って、GoogleWorkspace等を利用してアクションするというように、カスタマイズすることなく吊るしの状態で使いこなしている点が良いなと思いました。既にITに投資している企業ですと、オンプレで、しかもカスタマイズをいれないとという流れになりがちで、システムのfit gapを洗い出したりするものですが、最近はfit to standardの流れになってきているかと思います。グッデイではよけいなカスタマイズなどせず(ITベンダーやコンサルにロックインされることもないという効果もあり)、自分たちでサクサクとシステム構築や運用を行っている点が良いなと思いました。

ということで、前半は、この本を読んでみて、グッディのDXが成功した要因をまとめてみました。 後半は、グッデイの柳瀬さんとワークマンの土屋さんの対談が収録されていますので、そちらをレビューします。こちらもとても刺激的な内容でした。 続く。



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