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奴隷解放

むかしむかしあるところに裕福な国がありました。
その国には王様につかえ奴隷たちを管理する大臣がいました。

国はどんどん栄えていたので
お城や道路、橋など色々なものを奴隷たちに作らせていました。

奴隷たちは食べ物も与えられず働かせられていたので中には倒れてしまう者もいました。

奴隷が働けなくなってしまうと工事も止まってしまうため大臣は奴隷たちにパンを与えることにしました。

それでも、休みもなく働かせられていたのでまた倒れてしまう者が出てきました。

大臣は週に一度奴隷たちに交代で休みを与えました。

すると倒れてしまう者はいなくなりましたが
まじめに働く者とそうでない者が出てきました。


最初はまじめに働かない者にムチを打って働かせていましたが効果は薄くあまりやりすぎてしまうと怪我をして働けなくなってしまうため
大臣は考えました。

まじめに働いてる者には褒美としてお酒を与えるようにしました。
するとお酒が欲しい奴隷たちは一生懸命働くようになりました。

その間にも王国はどんどん栄えていき
今度は今より、もっと大きい王様のお城を作ることになりました。

大臣は奴隷たちを集めてに言います
「新しいお城作りはかなり大変な仕事になるぞ」

すると奴隷たちのリーダー数名が出てきてこんなことを言いました
「次の仕事はかなり大変なので、パンやもらえるお酒の量を増やしてもらえないでしょうか?」

大臣は
「お前たち!調子に乗るなよ!奴隷なんだから黙って働け!」
と言って帰ってしまいました。


次の日、大臣は王様に呼ばれました。
王様は怒った声で言います。
「新しい城の工事に奴隷たちが誰も来てないそうだがどうなってるんだ!別の者を大臣にするぞ!」

大臣はあわてふためき
すぐに奴隷たちを集めてこう言います
「わかった、与えるパンと酒の量を増やすから、頼むから工事を進めてくれ」

奴隷たちのリーダーは言います
「わかりました、ただもう一つ
工事に支障が出なければ休みも週に2回ください」

「わかった、わかったから早くお城の工事を進めてくれ」
大臣はとにかく王様の信用を取り戻すため必死です。

そうして何年かたち
立派なお城が出来上がりました。
ちょうどその頃、世界では奴隷制度がよくないということで奴隷を解放する運動が起きていました。

大臣にも王様から奴隷を解放するようにと命令が出ました。

大臣は奴隷たちを集めて言います。
「我が国でも奴隷制度をやめることになった。
今まで辛い仕事をさせて悪かったな、明日から君たちは自由だ」

すると奴隷たちのリーダーの1人が出てきてこんなことをいいました。

「大臣、私たち明日からパンもお酒もなくなってしまうのでこのまま働かせてくれませんか?」

大臣は言います
「たしかにお前たちの食べ物や飲み物の配給がなくなってしまうな、しかしそれでは今の奴隷と変わらないので王様が許してくれないだろうな」

すると別のリーダーが出てきて言いました

「大臣、会社というものを作って我々全員を雇うと王様に言ってみてください。
そしてパンやお酒の配給ではなく自分たちで買えるようにコインを支給してください。
我々がいないと国の建物や工事ができないので王様もきっとダメとは言わないはずです。
それに、もしかするとすごい名案だと勲章をもらえるかもしれませんよ?」

「おぉ確かにお前たちがいないと工事が進まない、それは名案だ!」


こうして
奴隷たちは奴隷からサラリーマンという名前に変わり死ぬまで働きましたとさ

おしまい。

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あとがき

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