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銘柄評価:中外製薬(4519) 90点

1) 会社の概況と特徴

中外製薬は、1943年に設立され、1956年に上場した日本の大手製薬会社です。スイスのロシュグループ傘下で成長を続けており、抗体・バイオ医薬品の分野で先行しています。主要な製品には抗がん剤や骨・関節疾患の治療薬があり、国内外で広く展開されています。2023年度の海外売上比率は50%に達しており、グローバル市場でのプレゼンスも強固です。近年では、血友病治療薬「ヘムライブラ」や新型コロナウイルス治療薬「ロナプリーブ」などが注目されています。

2) 株購入における総合評価

中外製薬は、ロシュグループの強力なバックアップと独自の研究開発力を背景に、安定した成長が期待されます。特に、抗がん剤やバイオ医薬品に強みを持ち、新薬のパイプラインも充実しています。高い配当性向と増配傾向は、投資家にとって魅力的です。一方、特定製品の特許切れリスクや市場競争の激化は留意すべき点です。総合的には、安定性と成長性を兼ね備えた優良株と言えます。

3) 売上と利益、成長性

2023年度の売上高は1兆1,113億円、営業利益は4,391億円、純利益は3,255億円でした。2024年度の予測では、売上高が1兆700億円、営業利益が4,700億円、純利益が3,430億円とされています。2025年度には、売上高が1兆1,500億円、営業利益が5,000億円、純利益が3,600億円と成長が見込まれています。

4) 株価と時価総額、総資産

2024年1月の株価は最高6,035円、最低5,247円で推移しており、時価総額は10兆円です。総資産は1兆9,325億円、自己資本比率は84.1%です。

5) キャッシュフロー、現金

2023年度の営業キャッシュフローは4,099億円、投資キャッシュフローは-372億円、財務キャッシュフローは-1,393億円です。現金及び現金同等物は4,586億円を保有しています。

6) 配当性向

2023年度の配当金は80円でした。2024年度および2025年度の予想配当金は82円から84円と増加が見込まれており、安定した配当政策が評価されます。

7) 採点と理由

  • 業績と財務 (20点中18点)
    売上と利益は堅調で、特に海外市場での成長が期待されます。

  • 株価の安定性 (20点中17点)
    株価は安定しており、市場の変動にも強いです。

  • 成長性 (20点中18点)
    新薬のパイプラインが充実しており、今後の成長が期待されます。

  • 業界地位と競争力 (20点中19点)
    抗体・バイオ医薬品の分野での強みとロシュグループの支援により、業界内で高い競争力を持ちます。

  • 配当性向と株主還元 (20点中18点)
    高い配当性向と増配傾向があり、投資家に対する還元も積極的です。

総合評価: 100点中90点

中外製薬は、安定性と成長性を兼ね備えた優良企業であり、特に抗体・バイオ医薬品の分野で強みを持っています。投資家に対する還元姿勢も高く、長期的な投資先として非常に魅力的です。

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