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銘柄評価:ニチレイ(2871) 91点

1) 会社の概況と特徴

ニチレイ株式会社(2871)は、1942年12月に設立され、1949年5月に上場しました。東京都中央区に本社を構え、連結従業員数は16,385名です。冷蔵倉庫と冷凍食品で国内首位を誇り、第2の柱として低温物流は欧州でも成長を続けています。また、水産および畜産事業も展開しています。連結事業構成は、加工食品が売上の43%(利益率6%)、低温物流が35%(利益率6%)、水産が9%(利益率1%)、畜産が12%(利益率1%)です。海外市場からの売上は21%です。低温物流はベトナムを含むアジア地域で拠点を拡大しており、単身世帯の増加を背景に、一人前の冷凍食品が好調です。主力のチャーハンを中心に、加工食品の国内市場でも高収益を上げています。

2) 株購入における総合評価

ニチレイは冷蔵倉庫および冷凍食品業界での首位の地位を保持し、安定した業績と堅実な財務基盤を持っています。低温物流と加工食品の分野での成長が期待され、特にアジア市場での拡大が注目されています。株価も安定しており、長期的な投資先として有望です。業績は連続して最高益を更新しており、株主還元も積極的です。2024年3月期の配当は1株あたり74円であり、今後も増配が予想されます。総合評価としては、安定した収益性と堅実な財務基盤、成長性を備えた企業として、ポートフォリオに組み込む価値があります。

3) 売上と利益、成長性

ニチレイの売上高は増加傾向にあり、2024年3月期には6,800億円を達成しました。営業利益は369億円、経常利益は383億円で、純利益は245億円となっています。成長性に関しては、低温物流と加工食品の分野での需要拡大が続いており、2025年3月期には売上高6,900億円、営業利益390億円、経常利益397億円を見込んでいます。

4) 株価と時価総額、総資産

2024年6月時点での株価は3,988円から3,591円の間で推移しており、時価総額は4,856億円です。総資産は4,851億円で、自己資本比率は52.2%です。高い自己資本比率は財務の健全性を示しており、安定した経営を支えています。

5) キャシュフロー、現金

営業キャッシュフローは624億円、投資キャッシュフローは-315億円、財務キャッシュフローは-312億円で、現金等の保有額は297億円です。キャッシュフローの状況からは、健全な現金の流れを維持しており、投資活動にも積極的であることが分かります。

6) 配当性向

2024年3月期の配当は1株あたり74円であり、安定した配当を実施しています。配当性向は高く、株主還元にも積極的な姿勢が伺えます。2025年3月期には82円への増配が予想されており、株主にとって魅力的です。

7) 採点と理由

  • 業績と財務 (20点中19点):安定した業績と高い自己資本比率を評価。

  • 株価の安定性 (20点中17点):時価総額4,856億円、株価の安定性も評価。

  • 成長性 (20点中18点):低温物流と加工食品の分野での成長が期待される。

  • 業界地位と競争力 (20点中19点):冷蔵倉庫と冷凍食品で国内首位の地位を保持。

  • 配当性向と株主還元 (20点中18点):安定した配当実績と増配予想を評価。

総合評価

総合評価は91点です。業績、財務、成長性、業界地位において高い評価を受けており、株価も安定しているため、機関投資家としてポートフォリオに組み込む価値が高いと判断します。

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