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銘柄評価:ファナック(6954) 88点

1) 会社の概況と特徴

ファナック株式会社は、1972年に設立され、1976年に上場しました。工作機械用NC(数値制御)装置で世界首位を誇り、産業用ロボットや小型マシニングセンタも手掛けています。独自の制御技術に強みを持ち、FA(ファクトリーオートメーション)、ロボット、ロボマシン、サービスの4つのセグメントで事業を展開しています。海外市場での売上が全体の85%を占めており、グローバルな競争力を有しています。特に中国や欧米での市場シェアが高く、製造業の自動化需要に対応しています。

2) 株購入における総合評価

ファナックは、長期的な成長ポテンシャルを持つ企業であり、特に産業用ロボットやFA分野での需要増加が見込まれます。配当性向60%を維持しており、安定した配当を提供しています。2024年3月期の予測では、売上高は7,780億円、営業利益は1,360億円となっており、営業利益率の改善が期待されています。新型ロボットの開発や欧州ビジネスの強化など、成長戦略も明確です。市場シェアの拡大と技術革新により、投資家にとって魅力的な選択肢と言えるでしょう。

3) 売上と利益、成長性

2023年度の売上高は8,519億円、営業利益は1,913億円、純利益は1,706億円でした。2024年度の予測では、売上高は7,780億円、営業利益は1,360億円、純利益は1,254億円となっています。2025年度には売上高が7,935億円、純利益が1,343億円に達する見込みです。成長の主な要因は、FAやロボット事業における需要の回復と新製品の投入です。

4) 株価と時価総額、総資産

2024年1月の株価は最高4,501円、最低4,020円で推移しており、時価総額は4兆2,981億円です。総資産は1兆8,607億円、自己資本比率は88.1%です。

5) キャッシュフロー、現金

2023年度の営業キャッシュフローは995億円、投資キャッシュフローは-779億円、財務キャッシュフローは-1,279億円です。現金及び現金同等物は4,769億円を保有しています。

6) 配当性向

2023年度の配当金は271.64円でした。2024年度は79.5円、2025年度には85.14円の配当が予想されています。配当性向は60%を維持しており、安定した配当政策が評価されます。

7) 採点と理由

  • 業績と財務 (20点中18点)
    強固な財務基盤と安定した収益性が評価されます。

  • 株価の安定性 (20点中16点)
    株価は比較的安定しており、長期的な投資リスクが低いです。

  • 成長性 (20点中17点)
    自動化需要の増加と新製品開発により、持続的な成長が期待されます。

  • 業界地位と競争力 (20点中19点)
    世界首位のNC装置メーカーとしての地位と競争力が高いです。

  • 配当性向と株主還元 (20点中18点)
    配当性向60%を維持し、安定した配当を提供している点が評価されます。

総合評価: 100点中88点

ファナックは、強固な財務基盤と成長ポテンシャルを持つ企業であり、特に自動化需要の増加と新製品開発が成長を支えています。安定した配当政策も魅力的で、長期的な投資先として有望です。

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