見出し画像

銘柄評価:第一三共(4568) 90点

1) 会社の概況と特徴

第一三共株式会社は、2005年に設立され、同年に上場した日本国内の製薬大手企業です。循環器や感染症薬に強みを持ち、近年では英アストラゼネカ社との提携を通じてがん領域の開拓に注力しています。連結事業は、医療用医薬品が95%、ヘルスケアが5%を占めており、海外売上比率は58%に達します。乳がん薬『エンハーツ』の適応拡大を推進しており、特許訴訟の和解金も業績に寄与しています。また、研究開発に積極的に投資し、新薬の開発に力を入れています。

2) 株購入における総合評価

第一三共は、安定した業績と成長性を持つ製薬企業です。2023年度の売上高は1兆2784億7800万円、純利益は1091億8800万円を記録し、2024年度には売上高1兆5800億円、純利益1750億円を予想しています。特に、乳がん薬『エンハーツ』の欧米市場での成長が期待されます。株価は安定しており、時価総額は約9兆9435億円です。配当も増配傾向にあり、2024年度には1株当たり50円が見込まれています。総合評価として、成長性、財務の健全性、株主還元の観点から高い評価を与えられます。

3) 売上と利益、成長性

第一三共の売上高は、2021年度から2023年度にかけて増加し、2023年度は1兆2784億7800万円を記録しました。営業利益は1205億8000万円、純利益は1091億8800万円に達しました。2024年度の売上予想は1兆5800億円、2025年度には1兆7000億円と予測され、さらなる成長が見込まれます。特に、乳がん薬『エンハーツ』の適応拡大と欧米市場での成長が成長の鍵となっています。

4) 株価と時価総額、総資産

第一三共の株価は、2024年初頭には最高値で5118円を記録しました。現在の時価総額は約9兆9435億円で、総資産は3兆2689億4500万円に上ります。医薬品業界で2位の時価総額を誇り、その規模は業界内でもトップクラスです。

5) キャッシュフロー、現金

2023年度の営業キャッシュフローは1145億円と堅調です。投資キャッシュフローは-2577億円であり、財務キャッシュフローは-895億円となっています。現金等は4419億円で、健全なキャッシュフロー管理が行われています。

6) 配当性向

第一三共の配当性向は堅実であり、2023年度は30円の配当を実施しました。2024年度には50円、2025年度には50~60円の配当を見込んでいます。株主還元に積極的で、安定した配当を行う姿勢が見られます。

7) 採点と理由

  • 業績と財務 (20点中18点)
    強固な財務基盤と堅調な業績が評価されます。特に、乳がん薬『エンハーツ』の成長が顕著です。

  • 株価の安定性 (20点中17点)
    株価は安定しており、長期的な投資先として信頼性があります。

  • 成長性 (20点中19点)
    乳がん薬『エンハーツ』の適応拡大と欧米市場での成長により、高い成長性が期待されます。

  • 業界地位と競争力 (20点中18点)
    医薬品業界で2位の地位を持ち、競争力も高いです。

  • 配当性向と株主還元 (20点中18点)
    安定した配当金を支払い、株主還元に積極的です。

総合評価: 100点中90点

第一三共は、安定した業績と強固な財務基盤を持ち、成長性のある事業を展開する優良企業です。株価の安定性と高い競争力も評価でき、長期的な投資先として非常に魅力的です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?